4月30日
丹沢
世附川
水の木沢
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丹沢西端に世附川(よづくがわ)という川がある。丹沢の深奥を流れる川だ、流域の山は、交通の便の良い丹沢にありながら、東海自然歩道である甲相国境稜線以外は登山道の整備もされておらず、ひっそりとしている。
その世附川の本流にあたる水の木沢は、やはりアプローチが悪く、一般的に丹沢湖の浅瀬ゲートに車を停めて、林道を3時間近く歩いて入り、沢を登っても、下降路に苦労するし時間もかかる、そして下降した後はまた林道歩きが待っている。これでは日帰りは確かにきつい。
ならば、道志側の山伏峠から主稜に登り、沖ビリ沢を下降して、水の木沢に至り、また甲相国境稜線に登り、山伏峠へ下山するのが、時間的にも早いし、なにより沢を2本楽しめる。このプランの方が断然魅力だ!
そんな訳で、一度行って見たかった、世附川流域の水の木沢に行ってみることにした。


午前3時、自宅をバイクで出発する。GW中ではあるが、さすがにこの時間に渋滞は見当たらない。いつもよりかなり早い車の流れにのって走っていると、2時間ほどで、山伏峠に到着する。
ここに山中湖高原ホテルの廃屋があり、その入り口付近にバイクを停める。
ここに、山がらみで来るのは実に20年ぶりである。当時中学生だった私が、甲相国境稜線を犬越路から歩き山伏峠に降りたときはまだ、山中湖高原ホテルは営業していた。元気に営業していた施設の骸を見るのは悲しい。
山中湖高原ホテルの廃墟

山伏峠から、甲相国境稜線の大棚の頭に登り、さらに水の木分岐から、西丸の鞍部より沖ビリ沢へ下る。
西丸との鞍部は笹藪で吸血ダニがズボンにびっしりついて気持ち悪い。鞍部の笹ヤブもくだり始めるとすぐなくなり、ブナの疎林の急斜面をくだり、適当な所からまだ水のない沖ビリ沢に降りる。
沖ビリ沢に降り立った所、ザレていて、水はまだない。

沖ビリ沢を下降しだして、すぐに水が出てきて、ザレていた沢床もナメに変わってくる。
沖ビリ沢はナメが連続している沢で下降していて楽しいし、美しい、小さな釜や淵には大小のヤマメが泳いでいる。
途中2箇所ほどナメ滝が出てくるが、ザイルを出すほどではなく、問題なく降りることが出来る。
ガイド等には沖ビリ沢の記述がほとんど出てないが、綺麗で楽しめる沢である。
ただ、この沢だけ登りにココまで来るのは、もったいないので、やはり下降路として利用したりするのがベストだろう。
 
沖ビリ沢のナメとナメ滝、問題なく下降できた。

沖ビリ沢にいたヤマメ

ナメの連続の様な沖ビリ沢を下り、ゴーロが目立ってくるあたりで、、左岸に林道が来ていて、林道にあがる。
林道は木が生い茂りはじめており、倒木や一部崩れているところもあり、車はもとより、バイクや自転車でも、走行は無理な感じ。そもそもココは、浅瀬のゲートから一般車から自転車までも通行禁止なので、乗り物で来たくても来れないのだが‥。
車両通行止めの林道に守られて、この辺りの山域は静寂を保っているのだが、そもそも車が走れない林道など、始めから作らなければ良いと思う。林道でぶち壊しになっている自然が沢山ある。林道は砂防堰堤の建設、保守、林野事業に必要と言うかもしれないが、それらが災害防止などの観点からホントに必要なのかどうか考えると大いに疑問がある。真剣に真摯に考えれば、多分作らずに済むのではないだろうか?
公共事業の名のもとに、一般の人の目のつかないところで、一般の人の役に立たない物が、密かに作られ、放置されている。そして山が破壊されている。
その林道を使って歩くから時間が短縮されるというのもあるかもしれないが、こんなもの無ければ無いで、それなりの計画をたてる訳で、かえってその方が楽しいし、きちんと山を楽しめると言うものだ!

林道を歩き、山を回りこんで、水の木沢へ、やはり荒れた林道を歩き、道が大きく右に曲がっているところから沢に降りる。沢はナメというよりは、ゴーロをしばらく歩く、小さな滝やゴルジュを通過すると小さな釜をもった小滝がでてくる、なんとなく簡単に通過できそうな雰囲気なのだが、直登はできず、左を小さく巻いた。
梅ノ木沢の出合いを左に入り、しばらく行くとナメ滝が出てくる。このナメ滝は階段状で簡単に登れた、ナメ滝の上は長いナメ床になっていて、明るく、美しい。ナメの終わりにまたナメ滝が現れ、楽しめた。
 
水の木沢のハイライトにあたる2つのナメ滝、どちらも簡単に登ることが出来る。

 
左、ナメ床で一休み中。 右、沢の中至る所に生えていたイチリンソウ、綺麗だった。

ハイライトのナメ滝を過ぎても、所々ナメとナメ滝が現れる、それらを越えると沢は源頭の雰囲気になってくる。
少しでも詰めを短くしようと、ブナの丸の西肩方面へ詰める。ツメはガレた急斜面のゴーロで、息を切らせながら上がると、笹薮になり、急斜面の笹薮を少し漕いで、稜線の登山道に出た。

ブナの丸で沢靴を運動靴に履き替え、折角なので、菰釣山(こもつるしやま)まで足をのばす。
 
左、稜線上に咲いていたコブシの花、コブシの花が沢山ついているとその年は猛暑なのだが、今年は‥微妙!
右、菰釣山山頂、天気は良いのだが霞んでいて富士山の姿は見えなかった。代わりに道志の盟主、御正体山が大きく見えた。

菰釣山から、稜線の登山道を今朝登った山伏峠まで歩く。
稜線は1000mを越えているので、この時期でも木々の芽吹きが浅く、正に萌えな感じ。
気持ちの良い稜線散歩で今朝の大棚の頭まで歩き、山伏峠の下にデポしたバイクへ下山した。


この辺りの山は稜線歩きよりも、今回のように沢歩きした方が、この山域の静けさを体感できると思う。
稜線はR413がすぐ北を走っているので、山深さは感じられない。
またこの山域の沢に入りたいが、アプローチ、デプローチが悩みどころ、また面白い方法でアプローチして見たい、出来れば今度は沢に泊まりで登る計画を立てたいと思う。

また今回、稜線にニッカズボンにカッターシャツの登山者と、山頂でアマチュア無線を楽しんでいる人を見掛けた。
携帯電話が山で通じる時代に、絶滅したと思われる人達だけど、しっかり生き残ってました。
変わらないものも、なかなか良いものですね。

以上!もどる