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盲目の内相、スキャンダルで辞任(2004年12月27日)

英国でキツネ狩り禁止法が成立(2004年12月7日)

地域政府創設に8割が「ノー」  イングランドの地域政府誕生はおあずけに(2004年11月14日)



閣僚紹介

ブレア首相

ブラウン財務相

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銀行から50億円強奪はIRAの犯行  警察が見解発表

【2005年1月9日】昨年12月、英領北アイルランドの中心都市ベルファストの銀行から約2650万ポンド(約51億円)が強奪された事件について、北アイルランド警察(Police Service of Northern Ireland)は1月7日の記者会見で、カトリック系武装組織IRAによる犯行との見解を発表した。1月8日付「ガーディアン」紙などが報じた。
 事件は、12月19日〜20日に発生。武装グループが19日夜、ノーザン銀行幹部2人の家に押し入り、家族を人質に取った。グループは翌20日、幹部をベルファスト中心部の同行本店に通常通り出勤させ、営業時間終了後、幹部に「協力」させて地下の金庫から金を強奪。あらかじめ用意した車に運び、逃走した。人質は全員解放され、けが人や死者はなかった。これまでのところ逮捕者は出ておらず、強奪された金も回収されていない。被害額は当初、2200万ポンドと報道されていたが、その後の調べで2650万ポンドと分かった。 
 警察は記者会見で、IRAの犯行とする見解の証拠は明らかにしなかった。またこの見解発表が、政治的動機によるものであることを否定、あくまで捜査上の理由から発表したと述べた。
 北アイルランドでは2002年10月から自治が一時停止している。昨年、英政府とアイルランド政府が、プロテスタント系第一党民主統一党(DUP)と、IRAの政治部門でカトリック系第一党であるシンフェイン党と交渉を行い、自治再開寸前までこぎつけたが、シンフェイン党が、IRAの武装解除の証拠写真提出というDUPの要求を拒否したため、交渉は土壇場で決裂した。今回の警察の発表を受け、今年いっぱいは、自治再開は不可能との見方も出ている。
 シンフェイン党は、IRAの事件への関与を一貫して否定している。同党のマクギネス議員は、警察の見解に対し、和平プロセスを妨害しようとする試みだと非難。一方DUPのペイズリー党首は、英政府に対し、シンフェイン抜きでの自治再開を訴えている。


首相と財務相、さらに確執深まる? 同時に同テーマで演説

【2005年1月6日】首相職をめぐる争いなどで対立が伝えられるブレア首相とブラウン財務相が1月6日、それぞれ別の場所で同時に、アフリカの貧困救済を訴えるスピーチを行い、両氏の確執が再び取りざたされている。(ブレア・ブラウンの確執については「閣僚紹介」の「ブラウン財務相」を参照)
 ブラウン財務相は同日午前10時過ぎ、スコットランドで行ったスピーチで、同相の長年の構想であるアフリカの開発途上国救済計画を明らかにした。同相が「現代版マーシャル・プラン」と呼ぶこの計画は、●途上国の債務完全帳消し ●途上国のための世界貿易交渉会議の開催 ●新たな援助資金調達制度「国際金融ファシリティー(IFF)」の創設---の3本柱から成る。同相はスピーチで、その重要性を訴えるとともに、富裕国からの協力を呼びかけた。
 一方ブレア首相は、ちょうと同じ時間に首相官邸で月例記者会見を行い、インドネシア・スマトラ沖地震による大津波を受けて人々が見せた善意を、アフリカに向けるべきだと述べ、アフリカ援助の重要性を強調した。
 英各紙は、「両氏は、政府の途上国援助策の 『支配権』をめぐって争っている」、「ブレア首相はブラウン財務相のスピーチに注目が集まるのを妨害しようとした」、などとする説を報道。首相、財務相ともに、スピーチの時間が重なったのは偶然だとして対立は否定しているものの、財務相の側近らは首相による「明らかな侮辱」と憤慨していると言われる。
 昨年10月、元保健相のアラン・ミルバーン氏(現ランカスター公領尚書)が閣僚に復帰したことで、英メディアでは、ブレア首相がブラウン財務相の追い落としをかけているとの見方が強まっている。今回の件を受け、「財務相は国の財政に関わる重要な決定や、次期総選挙のマニフェスト(政策綱領)の起草から外されている」とする報道も出ているほか、「2人の関係は修復不可能」とも言われており、マスコミの報道は加熱している。


ブレア首相、津波後の休暇継続で弁明  支援金は大幅増額へ

【2005年1月5日】ブレア首相は1月5日、BBCラジオの番組に出演し、インドネシア・スマトラ沖地震による大津波の後、海外でのクリスマス休暇を切り上げず、迅速に対応しなかったとして非難されている問題で、「(休暇中も)支援に関する政府のすべての決定に密接に関わっていた」などと述べ、批判をかわした。
 ブレア首相は、大津波が発生した昨年12月26日、家族とともにエジプト滞在中だった。しかし、災害発生後も同国にとどまり、1月3日に帰国。首相のこの間の主な責務は、政府が支援に素早く対応するため適切な処置が取られているよう監督することだった。被害者の家族や野党保守党、自由民主党は、首相は直ちに帰国すべきだったと非難していた。
 ブレア首相は番組中、災害発生直後、2001年の米同時テロ発生時のように、首相として英国民にメッセージを送るべきだったとする批判に対しては、「今は、英国民が、自分たちがどう感じているかを私に言い表してほしいと感じている状況ではない」と述べ、「国民が私に望んでいるのは言葉ではなく行動だ」と反論した。
 これまでのところ5000万ポンド(約100億円)の拠出を表明している政府の救済義捐金の増額については、具体的な金額を明言するのは避けたものの、最終的には「何億ポンドもの金額」を拠出することになると述べた。
 この大津波により、1月4日までに英国人41人の死亡が確認されているほか、さらに158人が行方不明となっている。


保守党、マニフェストの序文発表  「忘れられた多数派」のために

【2005年1月4日】BBCなどの報道によると、野党第1党保守党のハワード党首は1月3日、今年5月にも実施が予想される総選挙に向け、マニフェスト(政策綱領)の序文を発表した。今後、徐々に残りの内容を発表し、4月に始まると予測される選挙戦に先立って、マニフェストの全貌が明かされることになるとみられる。
 「忘れられた多数派」と題されたマニフェスト序文は、自由経済への信頼や個人責任の奨励、国家への愛着などの、「正しい」「保守党の」価値観を持つ人々は、ブレア首相から忘れられ、軽視された上に、失望させられたと指摘。保守党は、国を支えるこれらの「忘れられた多数派」のために戦うとした。
 また移民問題に対する強硬姿勢、減税、犯罪対策の強化、医療や教育における自由選択権など、従来の保守党の路線に沿った方針を強調。しかし減税では明確な方針は掲げず、「可能な場合は、税金を下げる」と述べるに留めた。移民問題では、オーストラリアのように国会で毎年、英国での滞在を許可する外国人の限度枠を定めるとした。犯罪対策では、路上パトロールの警官を現在より4万人増やすとともに、警官の日常的な書類事務を減らすとしたほか、教育や医療では、現場の教師や医師により大きな権限を与える方針を示した。


情報自由法が施行   公共機関の情報へアクセス可能に


【2005年1月3日】BBCなどの報道によると、官庁や警察、病院など公共機関に、一般の人への情報公開を義務付ける「情報自由法(the Freedom of Information Act)」が1月1日、施行された。
 同法は2000年11月に制定されていたが、各機関の対応準備のため施行が遅れた。イングランド、ウエールズおよび北アイルランドで適用される。スコットランドでも同様の法律が同日、施行された。
 情報公開が義務付けられるのは、中央政府の官庁、議会、地方自治体、特殊法人、諮問機関、公営企業、国家医療保険サービス(NHS)の機関(一般開業医(GP)や薬局、歯科医なども含む)、学校、警察、軍隊、美術・博物館など約10万の公共機関や組織。諜報機関と裁判所は対象外となっている。
 一般の人は、対象機関・組織が所有する、記録された情報なら基本的にどんなものでも、手紙やファックス、電子メールなどを使って公開を申請することができる。ただし、個人データなど他の法律で明かすことが禁止されている情報は公開されない。また、治安や国防、国際関係、法の施行、商業上の秘密などに関するものなどさまざまな情報が、公開適用対象から除外されている。
 各機関は、公開申請を受けた情報が存在し、同法の適用範囲内である場合、20営業日以内に、その情報を申請者に公開しなければならない。申請者が払う費用は、コピー代や郵送料以外、ほとんどの場合、無料である。
 公共機関での意思決定の過程や公費の使われ方など、これまで非公開だったさまざまな情報を一般の人が手にすることができるようになり、行政や公共サービスがよりオープンで透明性のあるものになるとして、多方面から歓迎されている。一方野党保守党は、同法の施行直前、多くの官庁が、公開したくない大量の書類をシュレッダーにかけたと非難している。これに対し政府は、書類を整理するためであり、不正な意図はなかったと主張している。


津波被害へ一般人の寄付120億円  政府支援額を越す

【2005年1月2日】1月2日のITVの報道によると、インドネシア・スマトラ沖大地震に伴う津波被害の復興支援金として英国の代表的慈善団体で構成される災害救援組織「災害緊急委員会(DEC)」に寄せられた支援金が、6000万ポンド(約120億円)に達したことが分かった。
  DECは、英国赤十字、オックスファム、セーブ・ザ・チルドレン、クリスチャン・エイドなど12組織が参加する、海外での災害救援を目的とした慈善団体の包括的組織。国際開発省は12月30日、大津波被害への支援金を1500万ポンドから5000万ポンド(約100億円)に増額すると発表したが、民間からの寄付が政府の支援金を上回ることになった。
 チャリティ活動の盛んな英国では、今回の大津波被害を受け、一般の人々や民間企業からの寄付や支援が相次いでいる。DECには電話による寄付だけで1分あたり1万5000ポンド(約30万円)が集まっているほか、個々の慈善団体への義捐金も多く、オックスファムには津波発生からわずか3日ほどで60万ポンド(約1200万円)の寄付が寄せられた。国内各地で、モスクや教会だけでなくパブやクラブなどでも義捐金が集められており、また、救援支援イベントも開催されている。1月1日付「ガーディアン」紙によると、ロンドン近郊サリー州では、参加費が津波被害救援に寄付される新年祝賀のディナーパーティーが開かれ、200人が出席したという。
 慈善団体の関係者は、民間からの寄付が予想外に巨額になったため、政府は支援金を増額せざるを得なかったとみており、今後も一般からさらなる寄付が寄せられ、政府からの供与が増えることを期待している。
 なお外務省の発表によると、今回の津波被害による英国人犠牲者は1月2日までに40人に達した。

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