イギリス ニュース 解説                      





その他のスポット・ニュース

過去のニュース(トップに戻る)


メールマガジン バックナンバー 

盲目の内相、スキャンダルで辞任(2004年12月27日)

英国でキツネ狩り禁止法が成立(2004年12月7日)

地域政府創設に8割が「ノー」  イングランドの地域政府誕生はおあずけに(2004年11月14日)



閣僚紹介

ブレア首相

ブラウン財務相

その他(工事中)
過去のスポットニュース   (2005年3月7日〜3月13日)


改正反テロ法、ようやく成立  関与の疑いで自宅軟禁にも

【2005年3月13日】上院は3月11日、テロ関与の疑いのある者に対し、自宅軟禁措置などで行動の自由を制限することを可能にする改正反テロ法を可決した。下院では既に可決されており、上院の可決で成立、女王の裁可を経てただちに発効した。
 上下院で意見が対立し議論が紛糾、10日昼から30時間以上にわたり夜を徹した審議が行われたが、1年以内に法の見直しをするという妥協案を政府が提示し、ようやく合意にこぎつけた。BBCなどが報じた。
 英国では2001年制定の反テロ法に基づき、外国籍のテロ容疑者10人が裁判を受けることなく国内の刑務所に拘留されているが、最高裁判所にあたる上院上訴委員会は昨年12月、拘留は人権侵害であり、人種差別的であるとの判決を下した。
改正法は、同法の「容疑者を逮捕・拘束できる」との条項に代わるもの。テロ関与の容疑がある者に対し「管理指令(Control Order)」を発令することにより、裁判なしで自宅軟禁や電子タグ装着の義務付け、コンピューター・電話利用の禁止などの措置を講じることができる。対象者は外国籍、英国籍を問わない。
 政府の妥協案に沿って、議会は来年3月、改正法の見直しを行う。政府は今年秋にも、修正法案を議会に提出する。改正法または新法が2006年7月に成立の見込み。
 反テロ法のもと国内の刑務所などに収容されていたテロ容疑者のうち9人は、10日から11日にかけ、厳しい保釈条件のもと保釈されていた。しかしクラーク内相は改正法発効の翌日の12日、緊急特例措置を適用し、この9人と既に保釈されていた1人に対し管理指令を発令。自宅軟禁や電子タグの装着義務、夜間外出禁止などを課した。10人の中には、国際テロ組織アルカイダの欧州地域の指導者とされるアブ・カタダ容疑者も含まれている。
 上院は、「法案をいったん成立の後、1年後に失効させ、新法を制定する」「管理指令発令に必要とされる容疑の証拠の基準をより厳格にする」という保守党の修正案に固執。10日の昼近くに始まった審議は、上下院のどちらも一歩たりとも譲る構えを見せないまま11日夜まで続けられ、法案は数回にわたり両院を行き来した。
 「1年後に失効させる」という保守党の修正案と「1年以内に見直し」という政府の妥協案が似ているため、保守党は「政府を打ち負かした」と勝利を主張しているが、政府は「敗北」を否定している。証拠の基準厳格化の修正案は、政府が妥協案を示した後、保守党が取り下げた。
 「夜なべ」となった審議では、合間に国会議事堂の喫茶室や図書館で仮眠を取る議員の姿が多くみられ、執務室に簡易ベッドを持ち込んだ議員もいたと。クラーク内相は2時間しか寝なかったとされる。

改正反テロ法の主な内容は下記の通り。

● テロ関与の疑いのある者に対し「管理指令(Control Order)」を発令、行動の自由を制限する。
● 管理指令は、起訴することができない容疑者に対して発令される。現行法では裁判で証拠として使うことが認められていない電話の盗聴記録に容疑を示す記録が認められた場合や、裁判をした場合、機密情報が明らかになる恐れがある場合など。
● 管理指令発令に必要とされる容疑の証拠の基準は「妥当な容疑(reasonable suspicion)」。
● 管理指令発令の対象者は外国籍か英国籍かを問わない。
● 管理指令発令に明確な罪状は必要とされない。
● 管理指令は内相が発令するが、裁判所の承認が必要。
● 管理指令により課される行動の制限は、それぞれの容疑者により異なる。最も危険とみなされる者は事実上の自宅軟禁となる。
● 管理指令によりテロ容疑者に課される行動の制限は以下の通り(一部)。
  * 居住場所の制限
  * 電子タグ装着の義務付け
  * 夜間外出禁止
  * インターネットや携帯電話の使用禁止
  * 特定の日時に特定の場所へ出頭することを義務付け
  * 当局の要請により情報を提出することを義務付け
  * 特定の物品や物質の所有または使用の禁止
  * 労働の制限
  * 特定の人物またはその他の人々との交流や連絡の制限
  * 特定の日時に特定の地域または場所にいることを義務付け
  * 国内または海外での移動の制限
  * パスポートの提出



シン・フェイン党議員に議員手当の支払い停止  大金強奪事件で制裁

【2005年3月13日】下院は3月10日、北アイルランドのカトリック系過激組織、アイルランド共和軍(IRA)の政治組織、シン・フェイン党所属の4人の下院議員への議員手当支給を1年間にわたり停止することを可決した。IRAの犯行とされているベルファストの銀行からの大金強奪事件に対する制裁措置。BBCなどが報じた。
 4議員は同党党首のアダムス議員、同党広報担当のマクギネス議員など。北アイルランドの過激組織の動向を監視する「独立監視委員会」(IMC)が先月、昨年12月にノーザン銀行で起きた2650万ポンド(約51億円)強奪事件に関する報告書を政府に提出、IRAの犯行とする警察見解を支持するとともに、シン・フェイン党への経済制裁を勧告したことを受けたもの。
 4議員は2001年12月から下院執務室を与えられ、議員手当を受け取っており、昨年は旅費や選挙区内での活動費用などとして、それぞれ約11万ポンド(約2200万円)の手当を受け取った。下院は、4議員から下院執務室を剥奪することなどを求める動議は否決した。
 4議員は、議会で女王への忠誠の誓いをすることを拒否しているため、下院審議や投票には参加できず、議員給与も受け取っていない。


皇太子再婚の記念切手発行へ


4月8日に発売される皇太子とカミラさんの結婚記念切手

【2005年3月13日】チャールズ皇太子(56)とカミラ・パーカー・ボウルズさんの結婚を記念する記念切手が発行されることが3月9日、分かった。
 切手は30ペンスと68ペンスで、皇太子とカミラさんがリラックスした様子で笑っている姿を撮影したものと、2人が正面を向いて微笑んでいるフォーマルな写真を使ったものの2種類。写真はスコットランドにある皇太子の私邸などで撮影された。写真選びには皇太子とカミラさんも協力したという。結婚式が執り行われる4月8日から1ヶ月の限定販売となる。
 王室関連の記念切手で最も最近発行されたものは、2003年7月に発売されたウィリアム王子の21歳の誕生日を記念したもの。


IRA「犯人を撃ってもよい」  男性の刺殺事件で遺族に申し出

【2005年3月11日】北アイルランドのカトリック系過激組織、アイルランド共和軍(IRA)は3月8日、声明を発表し、ベルファストで1月末、男性がIRAのメンバーに刺殺された件で、IRAが男性の遺族に対し、「事件に関わった者を銃で撃つ用意がある」と申し出ていたことが分かった。BBCなどが報じた。
 事件では、カトリックのロバート・マッカートニーさん(33)が1月30日、ベルファスト中心部にあるバーの外で小競り合いの末、刺殺された。遺族は「犯行にはIRAが関わっており、目撃者もIRAに脅されて口封じされている」と主張、犯人と目撃者に対し名乗り出るよう求めるとともに、関係メンバーを引き渡すようIRAに求めるキャンペーンを行っている。
 声明によると、IRAはこれまでに2度、男性の遺族と対面。「撃ってもよい」との申し出には、男性の遺族を支持する世論が高まり、IRAとその政治組織であるシン・フェイン党が非難の集中砲火を浴びる中、当事者たちに制裁を加えることで批判を鎮めようとする狙いがあったとみられる。しかし声明によると遺族は、犯行に関わった者には裁判で一部始終を明かすことを望むとして、申し出を断ったという。声明は、申し出の内容が「銃で撃つ」だったとしか明記していなかったが、IRAは「銃殺する」つもりだったと見る向きが多い。
 声明はまた、事件に直接関わったのは4人で、うち2人がIRAの有志メンバー(volunteer)であると言明。4人がマッカートニーさんと友人を刺したうえ、凶器のナイフを破壊、バーのスタッフを脅して店のCCTVカメラのテープを奪うなど証拠隠滅を図ったことを認めた。
 IRAは2月末、事件に関わったメンバー3人を除名。シン・フェイン党も党員7名の党員資格を一時剥奪している。この事件では、これまでに数人の逮捕者が出ているが、いずれも起訴はされていない。
 

音楽ファイルの交換で賠償金  23人で1000万円

【2005年3月8日】英国レコード協会(BPI)は3月4日、インターネットのファイル共有サイトで音楽ファイルを交換していた学生など23人が、同協会に計約5万ポンド(約1000万円)の賠償金を支払うことで合意したと明らかにした。
 英国で、インターネット上での音楽ファイル交換で利用者が罰せられるケースはこれが初めてとみられる。
 BPIは昨年10月、「Kazaa」や「Grokster」、「Imesh」などのファイル共有サイトに大量の楽曲をアップロードしていた悪質な利用者26人の名前をインターネットのプロバイダー業者から入手。示談に応じない場合は提訴する意向を明らかにしていた。
 23人の賠償金は平均2200ポンド(約44万円)で、最も高いケースは4500ポンド(約90万円)。中には1人で9000もの楽曲をアップロードした利用者もいた。職業は学生や企業の幹部などさまざまだが、サイトを利用したのが子供で、親が賠償金を支払うケースもある。
 BPIは、今回示談が成立しなかった3人について、提訴の可能性があると明らかにしているほか、さらに31人のサイト利用者を追及する意向という。



上院が反テロ法改正案の修正可決  「適用の決定権は裁判所に」

【2005年3月8日】上院は3月7日、裁判なしでテロ容疑者の自宅軟禁などを可能にする反テロ法改正案を審議し、自宅軟禁や電子タグ装着を容疑者に課すかどうかの決定権は、いかなる場合も内相ではなく裁判所が有するとの修正を可決した。
 同改正案は、テロ容疑者に対して内相が「管理指令(Control Order)」を発令し、電子タグ装着義務や夜間外出禁止などの行動の制限を加えるもの。テロ容疑者を裁判なしで拘束できる現行の反テロ法を、最高裁判所にあたる上院上訴委が昨年12月、「人権侵害」と判断。改正法は、同法の「容疑者を逮捕・拘禁できる」との条項に代わるものとして構想されている。
 管理指令発令の権限が内相にあることに野党や労働党議員から強い反対の声が挙がっているため、政府は先月末、最も危険度が高い容疑者に発令される自宅軟禁措置に限っては、裁判所に発令の最終決定を委ねるとする修正を加えていた。しかし上院は、自宅軟禁を命じるものに限らず管理指令発令の決定権はすべて裁判所が持つとする自由民主党の修正案を249対119票で可決。賛成票を投じた上院議員には、前大法官のアービン卿やロンドン警視庁の元警視総監も含まれていた。
 上院は8日、改正案をいったん成立の後、11月末で失効させ、さらに新法を制定するとの保守党案を審議する。



「英国にアルカイダ200人」  ロンドン警視庁の前警視総監が警告

【2005年3月7日】ロンドン警視庁のスティーブンス前警視総監は3月6日付「ニューズ・オブ・ザ・ワールド」紙に寄稿記事を寄せ、国際テロ組織アルカイダで訓練したテロリストが英国内に最大で200人も存在し、国内でのテロの危険性が現実のものとなっていると訴えた。
 1月に退職したばかりの前警視総監は記事の中で、「あなたがこの記事を読んでいる今も、(アルカイダの)ビンラディン(容疑者)に訓練されたテロリストが少なくとも100人は英国の街を歩いている。その数は200人近くに上る可能性もある」と指摘。「彼らは、機会があれば我々に対して壊滅的なテロ攻撃を仕掛けるだろう」と警告した。これらテロリストの数は、2001〜02年の米軍などによるアフガニスタン攻撃以前に、アルカイダの訓練キャンプで訓練を受け、英国に戻ってきた者の数に基づいているとみられる。
 前警視総監はまた、テロ容疑者の自宅軟禁などを可能にする、現在国会で審議中の反テロ法改正案について、できるだけ早い法制化の必要性を訴えた。同改正案は、テロ容疑者に対して「管理指令」を発令し、電子タグ装着義務付けや夜間外出禁止など、行動に制限を加えることを可能にするもの。しかし、発令の要件に、容疑を証明する十分な証拠があることや、容疑者が裁判を受けることなどが含まれていないため、人権団体や一部の労働党議員から「人権侵害」との非難を浴びている。しかし前警視総監は、「同法案の反対者は、現在我々が直面しているテロの本当の恐ろしさを認識していない」と指摘、「大多数の安全のためには、時には危険人物の人権侵害を容認しなければならない」と主張した。
 3月14日に失効する現行の反テロ法のもと、裁判なしで国内の刑務所に拘束されている11人のイスラム系外国人のテロ容疑者は、改正案が同日までに成立しなかった場合、釈放されて自由の身となる。しかし前警視総監は、これら11人の釈放は社会にとって危険であるとして、拘束を続けるべきと主張した。
 英国では最近、イングランド南西部グロスター在住のイスラム教徒の青年が、米同時テロ直後の2001年12月に米航空機の自爆テロを計画していたとして起訴された件で有罪を認め、大きなニュースになった。



「真の代替政党」に  自由民主党、総選挙に向け準備整う


自由民主党のケネディ党首

【2005年3月7日】野党第2党、自由民主党のケネディ党首は3月5日、イングランド北部のハロゲートで開かれていた党大会で演説を行い、5月に実施とみられる総選挙のスローガンを「真の代替政党(the real alternative)」と発表、野党第1党の保守党に代わり、政府の主要対抗勢力として戦う決意を明らかにした。
 ケネディ党首は、イラク戦で国民を欺き、税制や大学授業料などの政策で公約を破るなど、ブレア政権が誕生以来、国民の信頼を裏切ってきたと非難。一方、保守党に対しては、身分証明書(IDカード)の導入やイラク戦などさまざまな問題で日和見主義的な態度を取り続けていると批判を展開した。そのうえで、自由民主党こそが、信頼に足る、信念を持った政党であると強調。同党の総選挙での躍進に「ガラスの天井はない」と述べ、票獲得への意気込みを力説した。
 同党首はまた、年収10万ポンド(約2000万円)以上の高所得者には50%の所得税を課すなど、党の主要政策方針を説明。これによる歳入は、大学授業料撤廃、住民税(council tax)の廃止、高齢者への無料ケア制度導入などに充てるとした。
 自由民主党は、労働党と保守党の影に隠れて長らく日陰の存在だったが、近年、イラク戦参戦などで労働党に幻滅した層や、リベラルな政策に共感する移民などの支持を集めている。保守党が政権の座を失ってからの過去8年間、強力なリーダーに欠け、民意を反映した政策も打ち出せずに瀕死の状態にある中、労働党の真の対抗勢力になり得るとみなす向きも少なくない。最近の調査では支持率が20%にまで伸びており、前回総選挙の2001年より約30%増と波に乗っている。



警察の人種差別暴く番組で12警官を処分
BBCで昨秋放映、既に10人が辞職


BBCドキュメンタリー「秘密の警官」で放映された、クー・クラックス・クランをまねる警官

【2005年3月7日】警察に対する苦情処理の監督などを行う独立機関「独立警察苦情委員会(IPPC)」は3月4日、昨秋放映されたBBCのドキュメンタリー番組で警察の人種差別が暴かれた件にからみ、警官12人が警告などの処分を受けることを明らかにした。「ガーディアン」紙が報じた。
 昨年10月に放送された「秘密の警官(The Secret Policeman)」は、リポーターが新人警官になりすましてチェシャー州の警官養成センターに潜入し、警官の人種差別的言動などを捕らえた。番組は英国民に大きな衝撃を与え、放映後、マンチェスターやウェールズの警察に所属する10人の警官が辞職した。
 処分を受けることになった12人のうち、教官として新人の養成にあたっていた警官4人が書面で警告を受け、巡査および巡査部長8人が幹部から公式の勧告を受けた。IPPCによると、12人の大半は番組には出ていなかった。
 番組では、警官が米国の白人至上主義団体「クー・クラックス・クラン」をまねて頭にフードを被り、「アジア人を電車の下に埋めたい」と言っている場面や、90年代にロンドンで黒人青年が白人の人種差別主義者に殺害されたとされる事件について、「被害者は殺されて当然」などと発言している場面が映された。この警官は番組中、「ナチスのヒトラー総統の考えは正しかった」とも話していた。





当サイトの内容の無断転載・利用を禁じます。