最近のニュース その他の過去のニュース (トップに戻る) 盲目の内相、スキャンダルで辞任(2004年12月27日) 英国でキツネ狩り禁止法が成立(2004年12月7日) 地域政府創設に8割が「ノー」 イングランドの地域政府誕生はおあずけに(2004年11月14日) ブレア首相 ブラウン財務相 その他(工事中) |
キツネ狩り、禁止後も続く 合法の狩猟に数千人が集結 【2005年2月20日】イングランドとウェールズでは2月18日に「狩猟法」が施行され、キツネ狩りが禁止されたが、禁止後初めての週末となった19日には全国各地で「合法の」キツネ狩りが行われ、多くの愛好者が集まった。「ガーディアン」紙などが報じた。 同法は「猟犬を使った狩猟」を禁止しているが、抜け穴はあり、例えば2匹以下の猟犬を使ってキツネを巣の穴から追いたて、猟銃で撃ち殺すことは合法。また猟犬が巣穴から追い立てたキツネをタカやワシなどに追わせることや、擬臭を使った遊猟(drag hunt)も従来通り合法である。 同日はキツネ狩り禁止措置への反発を見せる意図などから、全国で270もの狩猟団体がキツネ狩りを開催、数千人の愛好者が合法の狩猟を行った。キツネ狩り支持派団体「カントリーサイド・アライアンス」によると、この日だけで91匹のキツネが殺されたという。 イングランド南部ウィルトシャー州で同日早朝、猟犬を連れて野ウサギの死体を持った男4人が同法違反の疑いで逮捕されたが、これ以外の逮捕者は今のところ報告されていない。同法ではキツネのほか、野ウサギや鹿の狩猟も禁じられている。 各地のキツネ狩り開催場所にはまた、警察や動物愛護団体メンバーを遥かにしのぐ数のキツネ狩り支持者たちが見物に訪れ、「地方の人々の自由と生活の糧を奪う」新法への反発を改めて見せつけた。オックスフォードシャー州で行われた狩猟には、キツネ狩り支持派である英国人俳優、ジェレミー・アイアンズも駈けつけた。 キツネ狩りは禁止にはなったが、違反の立証の難しさや、警察が捜査のため私有地に入ることを許可していないなどの法的不備の点から、取り締まりは困難と指摘する向きが多い。キツネ狩り存続派は今後も合法的に狩猟を続け、最終的には従来通りの狩猟を合法に戻したいと強気の構えだ。 発がんリスクで360食品を撤去 チリ・パウダーに禁止物質 【2005年2月20日】2月19日の各紙報道によると、英食品会社が生産するウスターソースに発がん性物質が見つかったことを受け、このウスターソースを原料に使用している加工食品など約360の商品が、全国のスーパーマーケットや小売店の店頭から撤去されている。食品基準局(FSA)は2月18日、「危険食品リスト」をウェブサイトに掲載し、食べないよう警告。しかし同時に、実際にこれらの食品を食べてがんを発症する危険性は極めて低く、商品撤去はあくまで予防措置であるとしている。 今月上旬、食品製造大手プレミア・フーズ社がイタリアに輸出しようとしていたウスターソースの原料のチリ・パウダーに、欧州連合(EU)圏内では食品での使用が禁止されている発がん性染料「スダンI」が含まれていることが分かった。 「スダンI」は溶剤や油、ワックスなどの染色に使われる赤色の染料で、これまでにネズミを使った実験で発がん性が認められている。人間がスダンIが原因でがんを発症した例はまだ報告されていない。 同社はこのウスターソースを冷凍食品やインスタント食品、ソースなどほかの多くの食品に原料として使用しており、FSAは18日の一般への公表に先立ち、小売業者に対して、商品撤去の呼びかけを始めていた。テスコやマークス・アンド・スペンサーなど大手スーパーの大半が当該商品を店頭から一掃したほか、小規模店も多くが小売業者組合の通達などに従って既に撤去を行ったとみられる。 プレミア・フーズ社によると、同社は問題のチリ・パウダーをエセックス州の香辛料・薬草会社から購入。この会社もさらに別の会社から購入していたという。 郵便事業、来年から完全自由化 【2005年2月20日】郵便事業の規制機関「ポストコム」は2月18日、郵便事業の完全自由化を予定より15カ月早め、2006年1月から実施すると発表した。過去350年間続いた郵政公社「ロイヤル・メール」による郵便事業の独占がついに終焉を迎えることになった。 英国の郵便事業は、2003年1月に部分開放が始まったが、4000通以上の大口郵便に限るなど競争が制限されている。これまでにドイツポストや仏TPGなど11社が事業免許を取得しているが、ロイヤル・メールは現在、年間45億円規模に上る郵便市場の99%を握っており、相変わらずの独占状態が続いている。 来年からは認可を受けた業者はすべて、独自に価格を設定し、郵便物の量に関係なく集配ができるようになる。また、郵便ポストの設置のほか、郵便物の追跡や時間指定の配達などのサービスも自由に行うことができる。 ロイヤル・メールの経営側はBBCのインタビューで、「ロイヤル・メールに不公平な制限がかけられない限り、より早く競争が導入されることを歓迎する」と述べたうえで、同社に価格設定の自由が与えられることも必要であると語り、完全自由化を条件付きで受け入れる意向を明らかにした。一方、通信労組(CWU)は、「完全自由化で競争が激化し、これまでロイヤル・メールが提供していた全国一律料金のサービスが維持できなくなる」と反発している。 シン・フェイン党党員など7人逮捕、230万ポンドを押収 大金強奪事件に関係か 【2005年2月18日】BBCなどの報道によると、アイルランドの警察は2月16日から17日にかけ、カトリック系過激組織アイルランド共和軍(IRA)のマネーロンダリング(資金洗浄)の捜査で、7人を逮捕、230万ポンドを押収した。BBCが報じた。 昨年12月にベルファストの銀行で起きた大金強奪事件との関連はまだ不明。報道によると、押収された金のうち6万ポンドは、強奪事件のあったノーザン銀行発行の紙幣だった。北アイルランドでは、複数の商業銀行がそれぞれ異なる紙幣を発行している。7人はアイルランドのダブリンなどで逮捕され、うち2人はシン・フェイン党の党員とされている。 大金強奪事件は昨年12月19日〜20日に発生。銀行幹部の家族を人質に取るなどの計画的な犯行だった。英警察は1月上旬、カトリック系武装組織アイルランド共和軍(IRA)の犯行との見解を発表、IRAはその後、犯行を否定する声明を出した。IRAは2月初旬、和平協議で提示していた武装解除案の撤回を表明したが、大金強奪事件にからむ英・アイルランド政府などからの非難に抗議したとみられている。 IRAの政治組織で北アイルランドのカトリック系第1党であるシン・フェイン党は一貫して、IRAの犯行否認の主張を支持するとの立場をとっている。 キツネ狩り、いよいよ禁止に 700年の伝統に終止符 【2005年2月18日】昨年11月に成立した、キツネ狩りなどを禁止する「狩猟法」が2月18日、発効し、700年続いた英国のキツネ狩りの歴史に終止符が打たれた。 キツネ狩りは、馬に乗って猟犬にキツネを追いかけさせ、噛み殺させる、上流階級の「スポーツ」。スコットランドでは既に2002年に禁止されており、同法はイングランドとウェールズで適用される。 発効前日の2月17日には、全国で最後の合法のキツネ狩りが開催され、キツネ狩り存続を支持する地元の人々が見守る中、大勢の愛好家が参加、英国の伝統に別れを告げた。 違法になったものの、キツネ狩り存続派の中には禁止後も狩りを続けると公言する者がいるほか、取り締まりは事実上不可能だとして法の実効性を疑問視する声も多く、前途は多難と言える。 キツネ狩り存続派団体「カントリーサイド・アライアンス」などは、同法が無効だとして、司法審査を求めて提訴していたが、高等法院は1月末、訴えを却下。続いて控訴院もこの決定を支持する判決を下した。存続派は来週にも、上訴委に上訴する見通し。 五輪評価委がロンドン視察 ストラットフォードなど訪問 ![]() 【2005年2月18日】2012年夏季五輪開催地選定のためロンドンを視察中の国際オリンピック委員会(IOC)評価委員会は2月17日、会場予定地や既存のスポーツ施設を視察した。 ロンドン視察2日目の同日は16名の委員が、ロンドンが五輪開催地に決まった場合、メインスタジアムが建設されるロンドン東部ストラットフォードのほか、テニスのウィンブルドン選手権の開催地であるロンドン南部のテニスコート、同北部のクリケット場、改築中のウェンブリー・スタジアムなどを視察した。 また、ユーロスターの延長トンネルを市中心部のキングス・クロスからストラットフォードまで車で走り、交通の便も審査した。トンネルは、ユーロスターのキングス・クロスまでの乗り入れが決定し、建設されたものだが、五輪がロンドンで開催されれば会期中は特別に、キングス・クロスからストラトフォードまで高速列車が走ることになる。 委員は今後、バッキンガム宮殿でのレセプションなどに出席し、19日に視察を終える。 保守党が医療政策発表 MRSA対策など 【2005年2月18日】保守党のハワード党首は2月16日、国民医療保険(NHS)の病院でのMRSA (抗生物質が利かない細菌、通称スーパーバグ)の院内感染防止のため、MRSAが繁殖した病棟を閉鎖する権利を看護管理人(matron)に与えることなどを含む医療政策案を発表した。同案は、今年5月にも予想される総選挙で、同党の医療政策として保守党のマニフェストに含まれることになる。 ハワード党首は、NHS病院で患者がMRSAに感染して死亡する例が多いのは、病院が、政府に課せられた治療目標を達成するため、MRSAの繁殖を認識していても、病棟や手術室を閉鎖せずに放置しているためと指摘。閉鎖の最終決定権を病院の上層部ではなく看護管理人に与え、NHS病院でのMRSA根絶を目指すとした。BBCによると、MRSAの院内感染を原因とするNHSの負担額は、年間100億ポンドにも上る。 看護管理人とは、病院が清潔かつ安全に保たれるよう管理する役割を担い、現在3000人いる。1966年に廃止された役職だが、2000年に復活した。 同案のその他の内容は、私費医療の治療費の一部を国が補助し、私費医療の利用を促してNHSの治療待ち時間削減を図る。保守党が政権を握った場合、最初の国会会期終了までにNHSへの政府支出を現在より年間340億ポンド増額する。NHSか私費治療かに関わらず、患者は治療する病院を選べるようにする。 英国では基本的に全国民がNHSに加入する権利を持ち、歯科など一部を除くすべての治療を無料で受けられる。しかし治療や手術までの待ち時間が長いことなどが問題となっており、ブレア政権は改革に取り組んでいる。 ロンドン市長がユダヤ人「差別」発言 謝罪求める声高まる ![]() リビングストン・ロンドン市長 【2005年2月15日】同性愛を擁護するなどリベラル派として知られるロンドンのリビングストン市長が、ユダヤ人の新聞記者に対し差別的発言をしたことで非難にさらされている。ユダヤ人団体のほか閣僚からも謝罪を要求する声があがっているが、市長は今のところ応じない構えだ。BBCなどが報じた。 問題の発言は、同市長が先週ロンドンで開催されたパーティーで、ロンドンの夕刊紙「イブニング・スタンダード」の記者に対して行ったもの。同紙の記者だと分かると市長は記者に対し、「それはひどいな。(中略)以前は何をしていたんだ? ドイツ軍の戦犯だったのか?」と語りかけた。記者が自分はユダヤ人であると明かし、市長の発言に抗議すると、今度は「ユダヤ人かもしれないが、君は強制収容所の看守のようだ」と続けた。同紙はこれまで、同市長に批判的な記事をしばしば掲載しており、市長と市長の家族を執拗に追い回していたとされる。 ロンドン議会は2月14日の議会で、謝罪と発言の撤回を求める2つの動議を可決。しかし市長は「信じていないことを言うことはできない」として謝罪を拒否。発言は、同紙の人種差別的傾向に対する嫌悪を示したものだと主張し、同紙および同紙と同じ発行元から出ている保守系紙「デーリー・メール」が、市長に対し始終、嫌がらせをしていると訴えた。 しかし、在英ユダヤ人の団体「英国ユダヤ人代表委員会」がイングランドの地方政府の監督機関「イングランド基準委員会」に苦情を提出したほか、ジョウェル文化相も謝罪を求める声をあげており、市長は窮地に立たされている。 リビングストン氏は労働党所属で、2000年からロンドン市長。サッチャー政権下では大ロンドン議会(現在は廃止)の議長を務めた。同党の伝統的価値観を象徴する左派で、2000年の市長選前には、党の社会主義的体質への回帰を嫌うブレア首相と対立、離党して無所属で立候補し、当選した。市民には人気があり、2004年6月には再選。同年1月には復党している。 「勝利確実でも油断するな」 首相、党大会で投票呼び掛ける 【2005年2月15日】ブレア首相は2月13日、イングランド北部ゲイツヘッドで開かれていた労働党大会の最終日に演説し、今年5月にも予想される総選挙を視野に、労働党の勝利が確実視されている現状に安心せず、投票をするよう呼びかけた。BBCなどが報じた。 首相は、「私は(今でも)初めて首相官邸に入った時と同じ情熱と渇望を感じている」と述べ、英労働党史上初の単独での3期連続政権奪取にかける意気込みを語った。米同時テロ事件以降、首相が外交問題に専念して内政を省みていないとの不満が英国民の間にあったことを認め、「勤勉な英国民により良い暮らしを届けることに揺るぎない決意をもって、私は戻ってきた」と述べ、内政重視への回帰を強調した。 さらに、保守党が勝てば「英国は退行し、前進しなくなってしまう」とし、「幻滅や皮肉を撒き散らし、裏口から権力を握ろうとする」保守党の戦略を軽視してはいけないと警告。「我々が当然と受け止めていることは何もない。一票も、ただ一つの議席さえ、(得られて)当然とは思っていない。油断してはいけない」と訴え、労働党の勝利が確実視されていても気を緩めず、同党に投票するよう呼び掛けた。 5月5日実施とみられている総選挙は、今回もほぼ間違いなく労働党が勝利するとみられており、世論調査でも労働党が他の党を大きくリードしている。しかしそれだけに労働党支持者の間で危機感が薄れているため、多くの棄権者が出て保守党の得票率が多くなることを政府は恐れている。また英兵にも多数の死者が出ているイラク戦への反発も残る中、参戦反対を唱えた自由民主党のさらなる伸長も予想される。首相自ら草稿したというブレア氏の同日の演説は、英メディアでは感情のこもった情熱的なスピーチと評されているが、こうした状況の中、支持者の危機感をあおり、3期目への道筋をより確実にする狙いがあったとみられる。 強硬右派の保守党党首、祖父は不法移民? インタビューで本人が語る ![]() ハワード保守党党首 【2005年2月15日】移民・難民に対する強硬な姿勢で知られる野党保守党のハワード党首は、「デーリー・メール」紙のインタビューに対し、自分の祖父が不法移民だった可能性があると明かした。 ハワード氏はユダヤ人。両親は1930年代、ナチスの迫害を逃れてルーマニアから経済移民として英国に渡り、ウェールズに移り住んだ。ハワード氏によると、父が1947年に英国籍の申請をした際、申請書類に祖父と祖母はともに既に死亡していると記入していたが、実は当時、祖父はロンドンで暮らしていた。事実を偽ったのは、祖父が不法移民だったためと考えられるという。ハワード氏の祖母は第2次大戦中、アウシュビッツ収容所で死亡している。 ハワード氏はサッチャー政権時代に内相を務め、移民や犯罪などで厳格な政策を採り、強硬な右派として知られた。先月には、移民の年間受け入れ数に制限を設けることなどを含む厳しい移民規制案を発表している。 ハワード氏の「告白」を受け、労働党議員からは、「不法移民の孫が我々に移民政策を説こうなんて、自分のことを棚にあげてよく言うものだ」と揶揄(やゆ)する声が出ているほか、「ハワード氏は、自分の祖父が英国から受けた恩恵を他人には与えたくないようだ」「ハワード氏の移民規制案が当時、施行されていたら、祖父は英国に住むことはできなかっただろう」など、同氏の厳しい移民政策に改めて批判が向けられている。 ハワード氏は同紙のインタビューで、祖父が不法移民だった可能性があることを知ったのは驚きだったと述べるとともに、「私の父がしたこと(虚偽の記録を提出したこと)は間違っていたが、私自身は何も悪いことはしていないので、このことで気まずい思いをしていることはない」と語っている。 皇太子、カミラさんに王妃の称号望む? 【2005年2月14日】2月13日付「デーリー・テレグラフ」紙(オンライン版)は、王室スタッフの話として、長年の恋人であるカミラ・パーカー・ボウルズさん(57)との再婚を発表したチャールズ皇太子(56)が、王位継承時にはカミラさんに「王妃」の称号を与えたい意向だと伝えた。 10日に皇太子の公邸であるクラレンス・ハウスが発表した声明は、カミラさんは結婚後「コーンウォール公爵夫人」の称号を与えられ、皇太子の王位継承後は「プリンセス・コンソート(国王夫人)」を名乗るとしている。声明は「プリンセス・コンソートの称号を使うことが意図されている」と述べているが、王室スタッフによると「意図されている(intended)」という単語は、王室が、そこに書かれている内容に拘束性を持たせたくない場合に使う言葉。書かれた内容はあくまで「その時点での」意図を反映していただけであるとして、変更も可能と解釈できるためという。声明は、皇太子の私設秘書らが細心の注意を払って作成したとされる。 王室スタッフは同紙に対し、カミラさんの称号は、皇太子の王位継承時の政府と首相が決める問題であると述べている。英国の現行法では、皇太子が王位を継ぐとカミラさんは自動的に「王妃」となり、王妃の称号を与えないためには新法が必要とされる。 一方、同日付「インディペンデント・オン・サンデー」紙は、飲酒や夜遊びなど問題児ぶりが取り沙汰されている皇太子の二男、ヘンリー王子を立ち直らせたい気持ちが、再婚を後押ししたと報じた。皇太子とカミラさんの友人の話として掲載されたコメントによると、恋人との関係が問題視されているうちは息子に正しい道を歩ませることはできないと皇太子が考えたことが、再婚に踏み切った理由の一つだったという。 2人は4月8日、ロンドン郊外のウィンザー城で結婚式を挙げる。 労働党が「6つの誓い」発表 いよいよ選挙戦スタート ![]() 6つのスローガンを掲げた労働党の「公約カード」 【2005年2月14日】ブレア首相は2月11日、今年5月にも予想される総選挙に向け、6つの政策分野におけるスローガンと基本的な選挙公約を発表した。今後選挙までに、これらを記載した150万枚の「公約カード」が、宣伝のため有権者に配布される。総選挙実施日はまだ確定していないが、実質的に与党労働党による選挙戦がスタートしたことになる。BBCなどが報じた。 首相は、早朝から夕方まででロンドンなどイングランドの6都市を訪問、各都市で1分野ずつの公約とスローガンを発表した。主な内容は以下の通り。 ●経済 「より豊かな家族」 ― 低インフレの維持。住宅ローンを可能な限り低率に抑える。福祉制度に頼って生活する人を減らし、より多くの人に就業機会を与える。初めて家を購入する人により多くの補助を与える。 ●教育 「子供たちがより多くを達成するために」 ― すべての子供が近代的な校舎で学べるようにする。規律ある学校づくり。義務教育を終了したすべての子供に、職業訓練学校あるいはシックス・フォーム(*)への入学か、職業見習いの口を保障する。シックス・フォームの入学枠を10万人増加。 (*)義務教育終了後、大学入学に必要なAレベル試験などの準備をするための学校。16歳以上が通う。 ●育児支援 「子供たちに最良のスタートを与える」 ― 父親も有給育児休暇を取ることを可能にする。5歳未満を対象とした児童保育の拡大。5歳以上を対象とした学童保育の導入。 ●医療 「より良く、より速い治療」 ― 国民医療制度(NHS)の治療待ち時間を2008年までに最高18週間に削減。患者が治療する病院や治療時期を選べるようにする。 ●犯罪対策 「より安全なコミュニティ」 ― 各地区に、コミュニティの治安維持に専門であたる警官を配置し、公共の場での落書き、非行集団、麻薬売買人の取り締まりなどを行う。 ●移民・難民 「英国の国境を守る」 ― 国民全員のIDカード(身分証明書)所持義務化。難民システムの悪用と不法移民の取り締まりを目指した規制の強化。 有給の育児休暇を母親だけでなく父親も取れるようにするなど育児支援策を強化し、家庭を持つ有権者にアピールする。またブレア政権発足以来、削減に成功しているNHSの治療待ち時間をさらに減らすとし、NHSサービスの改善を推し進める。保守党が厳しい政策を打ち出している移民・難民に関する公約も加え、対抗策を示した。税や年金、環境などに関する公約は含まれなかった。 過去の選挙戦で労働党が配布した「公約カード」はより具体的な内容だったのに対し、曖昧な公約しか示していないとの批判も出ている。また、公約の大半が既に各管轄省庁により発表されている政策を繰り返しているだけとの指摘もあるほか、野党保守党のフォックス党委員長は、ブレア政権誕生以来の過去8年間に達成できなかった公約の焼き直しばかりと非難している。 選挙は5月5日実施というのが大方の予想だが、ブレア首相は同日、BBCの取材に対し「(総選挙実施日は)知らないので言うことはできない」と答えている。 IRAの爆弾事件、えん罪被害者に首相が謝罪 映画「父の祈りを」のコンロンさんら ![]() 映画「父の祈りを」でダニエル・デイ・ルイスが演じたコンロンさん 【2005年2月14日】ブレア首相は2月9日、1970年代に発生した北アイルランドのカトリック系過激組織アイルランド共和軍(IRA)による爆弾テロ事件で罪を着せられ、最高15年間にわたり投獄された英国人の元服役者11人に対し、テレビを通じて公式に謝罪した。BBCなどが報じた。 イングランド南部サリー州のギルドフォードとロンドン南部ウールウィッチで1974年、パブの爆破事件が発生し、計7人が死亡、100人以上が負傷した。ベルファスト出身のジェラード・コンロンさんら4人が実行犯として投獄されたほか、コンロンさんの父ら7人が、使われた爆弾の原料を所有していたとして懲役刑となった。 しかし、警察による自白書類の偽造などが明らかになり1989年、実行犯とされた4人について控訴院が証拠不十分として有罪判決を破棄、無罪が確定した。ほかの7人も出所後の1991年、控訴審で無罪となった。コンロンさんの父親は刑務所内で死亡し、無罪判決を聞くことはなかった。英国史上最大のえん罪事件の一つで、コンロンさんのケースは「父の祈りを」の邦題で映画化され、米アカデミー賞候補にもなった。 ブレア首相による謝罪は、アイルランドのカトリック系穏健派、社会民主労働党(SDLP)による長年のキャンペーンで実現。首相の下院の執務室で撮影された声明は「彼ら(元服役囚)が、苦難と不当な処置にさらされたことを非常に申し訳なく思う」「彼らは完全にそして公に、非難から解放される権利がある」など述べた。また、「事件のために彼らが精神的外傷を負い、汚名を着せられていることを認識している」と述べ、無罪が証明された現在でも元服役囚たちがえん罪による後遺症に苦しんでいることを認めた。 コンロンさんら元服役囚は謝罪声明放送直後にブレア首相と面会。コンロンさんは報道陣に対し、「ブレア氏は我々が考えていた以上のことをしてくれた。私や私の家族につきまとっている汚名や傷の一部を取り除いてくれた」と述べ、謝罪に満足している旨を述べた。 |
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