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盲目の内相、スキャンダルで辞任(2004年12月27日)

英国でキツネ狩り禁止法が成立(2004年12月7日)

地域政府創設に8割が「ノー」  イングランドの地域政府誕生はおあずけに(2004年11月14日)



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2005年度の予算案発表   総選挙前に票取り狙う

【2005年3月20日】ブラウン財務相は3月16日、2005年度予算案を発表した。高齢者や住宅購入者に有利な施策を多く含むなど、5月にも予想される総選挙を強く意識した内容となった。「タイムズ」紙などが報じた。
 全体の減税額は、2005年度が15億ポンド(約3000億円)、2006年度が11億ポンド(約2200億円)。今年度は付加価値税(VAT)や印紙税、法人税の脱税防止策などにより7億ポンド(約140億円)の歳入増を見込むほか、北海油田で操業する企業の法人税支払い期日を変更することで、11億ポンド(約2200億円)の一時的歳入を見込む。
 2004年度の経済成長率は昨年の予想範囲内の3.1%で、2005年度予測は3〜3.5%。政府借り入れ額は2004年度が340億ポンド(約6兆8000億円)、2005年度が320億ポンド(約6兆4000億円)と予測した。
 高齢者向け施策としては、65歳以上が住む世帯に住民税(council tax)の還付金として200ポンド(約4万円)を支給(2005年度のみ)。2006年4月から60歳以上はピーク時に限りバス料金を無料にする。国民保険料の年金からの引き落としをやめ、高齢者の医療費を実質的に無料にする。今年度も昨年度と同様、冬の燃料費補助として65歳以上には年間200ポンド(約4万円)、80歳以上には同300ポンド(約6万円)を支給する。 
 また住宅購入者支援策として、印紙税支払い義務が生じる住宅の最低価格を現在の6万ポンド(約1200万円)から12万ポンド(約2400万円)に引き上げる。これにより、年間65万人の住宅購入者が印紙税の支払いを免除され、少なくともその半数を初めて住宅を購入する人が占めると推定される。

その他の概要は下記の通り。
  *基調インフレ率予測は2005年度が1.75%、2006年度が2%
  *相続税が課税される相続金の最低額を現在の26万ポンドから2005年度に27万5000ポンド(約5500万円)、2006年度に28万5000ポンド(約5700万円)に引き上げ
  *所得税、法人税、キャピタルゲイン税、航空税などの税率は凍結
  *燃料税増税は今年9月まで延期
  *酒税はビールが1パイント(約0.5リットル)あたり1ペンス、ワインが1本あたり4ペンス引き上げ。サイダー(りんご酒)、スパークリングワイン、蒸留酒は現行通り
  *たばこ税は1箱(20本入り)あたり7ペンス引き上げ
  *所得税控除枠をインフレ率に応じて拡大
  *子供がいる家庭を対象にした税控除枠の拡大
  *利子非課税預金であるISA (Individual Saving Account)の預金年額上限を、現在の7000ポンド(約140万円)で2010年まで据え置き
  *監査機関など33の政府機関を廃止・統合
  *2010年までに公立小学校を8900校創設
  *宗教関係施設の改築費に対する付加価値税(VAT)の全額還付措置を3年間延長
  *ロンドン中心部に故エリザベス皇太后の記念碑建設。建設費200万ポンドは記念硬貨発行で調達

 予算発表の演説でブラウン財務相は「英国は現在、統計が始められた1701年以降、最も長い持続的経済成長を続けており、低インフレと高雇用率、生活水準の向上という最善の状況を謳歌している」と述べ、ブレア政権による経済政策の功績を強調。選挙戦ではこうした好調な経済を前面に押し出して国民にアピールすることを伺わせた。


IRAが刺殺の男性遺族、米大統領と会見   「ブッシュ氏は100%味方」


IRAに刺殺されたとされるロバート・マッカートニーさん

【2005年3月18日】北アイルランドのカトリック系過激組織、アイルランド共和軍(IRA)のメンバーに刺殺されたとみられる男性の遺族らが3月17日、米ワシントンでブッシュ大統領と面会した。遺族らは面会後、「大統領は100%、私たちに味方している」と語り、IRAが事件のもみ消しを図っているとして真相解明を訴える遺族に対し、大統領が全面的な支持の姿勢を示したことを明らかにした。「ガーディアン」紙などが報じた。
 事件では、ベルファスト中心部のバー付近で1月末、カトリックのロバート・マッカートニーさん(当時33)が刺殺された。マッカートニーさんの5人の姉妹と婚約者の女性は、「IRAは犯行に関わったたけでなく、証拠隠滅や目撃者の脅迫で事件をもみ消そうとしている」と主張、真相解明を求めるキャンペーンを展開しており、IRAおよびIRAと強いつながりを持つシン・フェイン党は非難の集中砲火を浴びている。
 遺族らは同日、大統領官邸で開かれたアイルランドの伝統的祝日「聖パトリック・デー」の祝賀歓迎会に招待された。大統領が「犯人逮捕のためにできることは何でもする」と述べたと明かし、「大統領の発言にとても満足しており、元気づけられた」と語った。
 マッカートニーさんの遺族らは米国の有力政治家から絶大な支持を得ており、15日の渡米後以降、大物議員らとの会見が相次いでいる。16日にはアイルランド系米国人の政治家の指導者的存在であるエドワード・ケネディ上院議員と会見、国会議事堂で開かれる聖パトリック・デーの祝賀昼食会にも招かれるなど、「引っ張りだこ」の状態だ。
 対照的に、米国政界の聖パトリック・デーの祝賀行事では過去数年、「主賓客」扱いだったシン・フェイン党は、マッカートニーさん殺害事件や昨年12月にベルファストの銀行で起きた大金強奪事件の余波を受け、冷ややかな扱いを受けている。ケネディ上院議員は、既に米国入りしている同党のアダムズ党首との会見を事前にキャンセル。マッカートニーさんの遺族らとの会見後に行った記者会見では、事件の隠ぺい工作について同党とIRAを非難するとともに、IRAの解散を訴えた。またブッシュ大統領も、大統領官邸での聖パトリック・デー祝賀歓迎会に同党首を招待しなかった。
 IRAはこれまでに、マッカートニーさんの事件に関わったとして3人のメンバーを除名。シン・フェイン党も、7人の党員資格を一時剥奪している。事件にからみ、これまで11人が逮捕されたが、起訴された者はいない。IRAは声明で、有志メンバー(volunteer)2人が殺害に関わったことを認めている。



住友三井ロンドン支店に窃盗未遂  ハッカーが440億円狙う

【2005年3月18日】BBCは3月17日、コンピューターへの不正侵入によって住友三井銀行ロンドン支店から2億2000万ポンド(約440億円)を詐取しようとした窃盗未遂事件を警察が阻止したと報じた。英警察と合同で捜査を行っていたイスラエルの警察が既に同国で男1人を逮捕しているが、捜査は引き続き行われているという。
 成功していれば、銀行からの窃盗事件としては英国史上最大の被害額となっていた。犯人は、窃盗が成功した後、世界各国に散らばる10の銀行口座に電子送金しようとしていたとみられる。逮捕された男はイスラエルに口座を持っており、送金された金を資金洗浄(マネーロンダリング)する役目だったと考えられている。
 昨年10月、同支店のコンピューターが不正侵入されていることが分かり、警察が捜査を開始した。犯人は、コンピューターのキーボード上で押されたキーを判別できる「キーロギング」と呼ばれるソフトウェアを使用したとみられる。このソフトウェアを使えば、パスワードや口座番号などの秘密情報を得ることができるという。
 住友三井銀行の東京本店は、この事件で金銭的被害は蒙っていないとコメントしている。



「軍はいじめ放置」   陸軍兵舎での4兵士「自殺」で報告書

【2005年3月17日】ロンドン近郊サリー州の陸軍兵舎で4人の新兵が「自殺した」とされる件を調査していた下院の国防特別調査委員会は3月14日、「兵士へのいじめが放置されており、新兵の扱いに手落ちがある」として、軍を非難する報告書を発表した。 
 4人の新兵は1995年から2002年にかけ、陸軍の王立装備兵団が宿営する「ディープカット兵舎」で銃の発砲により死亡。4人は死亡当時、17〜20歳で、女性兵士が1人含まれていた。陸軍の調査はいずれのケースも自殺との判断を下したが、遺族は「軍隊内のいじめによる他殺か、いじめが原因で自殺に追い込まれた」と主張、公式捜査を求めていた。
 同委は、英軍の新兵に対する「配慮義務(duty of care)」の履行状況などを調査。「配慮義務」とは、兵士が心身ともに良好な状態であるようケアする軍の倫理的義務。4人の死因の調査は行わなかった。
 報告書は特に陸軍を強く非難。兵士に対するいじめが発生しているにも関わらず、軍隊内にいじめの被害者を「弱者」とみなす風潮があるため、被害者は軍にいじめを報告しないままになっていると指摘、「軍は配慮義務の履行という問題に取り組んでいない」と結論づけた。いじめや嫌がらせを受けた兵士が苦情を申し立てることができる独立機関の設置を提言するとともに、新兵のサポート体制の改善を勧告。しかし、入隊許可年齢を現在の16歳から18歳に引き上げるとの案については、国防省が検討すると述べるにとどまり、公開捜査の実施は求めなかった。
 被害者の遺族は、報告書を歓迎しながらも、死因究明に向け公式捜査を引き続き要求している。


サッカーファンの脅迫で審判が引退  チェルシーのサポーターが嫌がらせ

【2005年3月14日】サッカーのプレミアリーグの強豪、チェルシーのファンから嫌がらせを受けたことを理由として、スウェーデン人のベテラン審判員が3月12日、欧州サッカー連盟(UEFA)に引退の意思を明らかにし、即日承認された。CNNなどが報じた。
 この審判員(42)は、先月スペイン・バルセロナで開催されたUEFA杯のバルセロナ(スペイン)対チェルシー(イングランド)戦で審判を務めたが、チェルシーの選手にイエローカードを出して退場処分にするなどしたため、ファンの怒りを買った。チェルシーのモウリーニョ監督も試合後、バルセロナの監督がハーフタイムにこの審判員の更衣室に入り、試合の結果に影響を及ぼそうとしたと主張、物議を醸していた。試合は2対1でバルセロナが勝った。
 審判員がスウェーデン紙に語ったところによると、試合以降、チェルシーのファンから電話や電子メール、手紙などで「殺す」との脅迫を受け、家族にまで危険が及んだという。審判員はCNNに対し、「もううんざりだ。子供を郵便局へお使いに行かせられるかどうかも分からない。過去16日間は、私の審判員生活で最悪の日々だった」と語った。
 イングランドのサッカーファンが試合での采配を不満として審判員に嫌がらせをした例は過去にもあり、昨年の欧州選手権のイングランド対ポルトガル戦で別のスウェーデン人審判がイングランドのゴールを無効とした際には、審判に脅迫の電子メールが数千通も殺到。この審判は、警察の勧めで数日間、家を離れて雲隠れするはめになり、間もなく審判業を廃業した。
 


 

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