イギリス ニュース 解説                      


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盲目の内相、スキャンダルで辞任(2004年12月27日)

英国でキツネ狩り禁止法が成立(2004年12月7日)

地域政府創設に8割が「ノー」  イングランドの地域政府誕生はおあずけに(2004年11月14日)



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キャラハン元首相が死去  「英国病」時代の労働党政権率いる


故キャラハン元首相

【2005年3月27日】1970年代の労働党政権で首相を務めたジェームズ・キャラハン氏が3月26日、イースト・サセックス州の自宅で死亡した。92歳だった。死因は公表されていない。
 1912年、イングランド南西部ポーツマスで、貧しいアイルランド系移民の家庭に生まれる。16歳で学業を離れた後、税務署に勤務。第2次大戦中は海軍で兵役を務めた。
 終戦後の1945年の総選挙で労働党から立候補し、下院議員に初当選。1964年に財務相に任命されたが、ポンド切り下げの責任を取って1967年に辞任。その後、内相と外相を務めた。この3つの要職をすべて務めた英国史上唯一の政治家だった。
 1976年、首相就任。在任中は、所得政策の失敗などで労働組合のストライキが続発。「英国病」と呼ばれた経済不振に悩まされた。1979年の総選挙でサッチャー氏率いる保守党に敗れ、翌1980年に労働党党首の座を退く。1987年まで下院議員を務め、以後は上院議員となり、一代限りの貴族に叙せられた。
 陽気な性格から「サニー・ジム(明るいジム)」との愛称で呼ばれ、国民に人気があった。看病していた痴呆症の妻が今月中旬に亡くなり、その11日後に後を追うようにして死亡した。



議員の失言で保守党混乱   「政権取ったらさらなる公共支出ある」と発言


辞職に追い込まれたフライト元保守党議員


【2005年3月27日】保守党が、公共支出案をめぐる古参議員の失言と辞職の余波を受け、揺れている。総選挙が5月にも予想される中、騒動が投票結果に影響を及ぼさないよう、保守党は体勢立て直しを図っている。 
 ことの起こりは、保守党の副委員長であるハワード・フライト議員が、同党関連の会合で行ったスピーチの内容が新聞に暴露されたこと。保守党は1月に「政権を取ったら、公共支出を350億ポンド(約7兆円)削減する」との政府支出案を発表しているが、フライト氏はスピーチで、「保守党は総選挙に勝った場合、これより更に多くの公共支出削減を実施するつもりである」と発言。同党が、選挙に勝つために実際の公共支出削減案を隠していると示唆した。
 発言は波紋を呼び、フライト氏は3月25日、事実上の解雇に近い形で党副委員長職を辞職。同党のハワード党首に謝罪した。
 しかしハワード党首はさらに、フライト氏を次期総選挙の保守党公認候補から外し、政治生命を事実上絶つという厳しい措置を断行。フライト氏はこれに反発し、公認候補にするかどうかは、党本部ではなく各選挙区にある保守党の地域組織(Local Association)が決めるべきだとして、サセックス州にある自身の選挙区の地域組織に対し、公認候補になれるかどうかの可否を問う意向を明らかにしている。
 一方ハワード党首は、3月27日付「サンデー・テレグラフ」紙上で、党と国にとって正しいことをする義務を遂行したまでと弁護したうえ、党の見解を正しく伝えなかったとしてフライト氏を批判した。
 保守党は労働党に比べて伝統的に福祉を軽視してきたが、今回の騒動は、同党が政権を握った暁にはやはり公共サービスの質低下は免れないとの認識を国民に与え、総選挙を前に同党に不利な材料ができたことになる。また、「インディペンデント・オン・サンデー」紙に「多くの保守党員が、フライト氏が国会から追い出されるべきかについて疑問を持つだろう」と書いたテビット元保守党委員長を始め、ハワード党首の決断に納得しない保守党議員も少なくないと伝えられており、党内の結束の乱れも懸念される。
 ハワード党首は週明けに育児休暇などに関する新たな政策案を発表する予定で、騒動に幕を引き、横道に逸れた選挙キャンペーンを軌道修正したい考えとみられる。



イラク戦「合法」の助言、政府が圧力か  司法長官の見解変更が判明

【2005年3月26日】政府の法律顧問であるゴールドスミス司法長官がイラク戦開戦前、戦争の合法性について政府に助言した際、「対イラク攻撃は違法である」とする意見を開戦直前になって「合法である」と変え、英国参戦への道筋をつけたことを示す文書が、3月24日付「ガーディアン」紙に掲載された。開戦前のわずか2週間の間に、2度も見解が修正され、「違法」から「合法」へと変わったことが判明し、「政府の圧力があったのではないか」との疑惑が持ち上がっている。
 この文書は、外務省のエリザベス・ウィルムハースト元法律顧問が、イラク戦開戦に反対して同職を辞職した際に提出した辞職届。ウィルムハースト氏はその中で、司法長官が開戦前、「国連安全保障理事会の新決議がないままの武力行使は国際法上、違反である」とする見解を持っていたと記した。しかし、司法長官が2003年3月7日付で首相宛に出した戦争の合法性に関する助言書ではこの見解が変わっていたことを示唆。さらに、同助言書に示された見解も変わり、「現在の公的見解」になったと記した。
 3月7日付の司法長官の助言書は公開されていないが、報道によると、司法長官はこの中で、「開戦に国連安保理事会の新決議は必要ではないが、英国による参戦の合法性が国際法廷で問われる可能性がある」と述べ、それまでの「違法」との見解を軟化していたとされる。さらに司法長官は開戦直前の2003年3月17日、「過去の国連安保理決議だけでイラク攻撃は正当化され、合法である」との声明を発表。翌3月18日には下院がイラク戦参戦を承認した。
 ウィルムハースト氏の辞職届は外務省が3月23日、情報公開法に基づいて公開したが、問題の司法長官の見解修正を示す部分は伏せられていた。しかし、「ガーディアン」紙および民放テレビ局チャンネル4は「検閲部分を入手した」として報道。外務省は、伏せられていた理由を、情報公開法で公開の義務が免れる機密情報だったためと説明している。
 ストロー外相は3月24日の下院で、司法長官によるイラク戦の合法性に関する政府への法的助言書をすべて公開するよう求める保守党の訴えを却下。司法長官に政府の圧力があったことも否定した。



ウィリアム王子が立会人に  皇太子とカミラさんの結婚式

【2005年3月24日】チャールズ皇太子(56)の公邸、クラレンス・ハウスは3月23日、来月行われる皇太子とカミラ・パーカー・ボウルズさん(57)の結婚式で、皇太子の長男ウィリアム王子が立会人を務めることなどを明らかにした。
 カミラさんの息子、トムさん(30)と共に立会人を務める。そのほかの出席者は、皇太子の二男ヘンリー王子(20)と、皇太子の弟であるエドワード王子にアンドリュー王子、妹のアン王女など。カミラさんの父親や娘、エドワード王子の妻のソフィーさんも出席する。エリザベス女王と女王の夫のエジンバラ公は欠席。式はウィンザー城に近い市公会堂で挙行され、20分ほどで終了する。
 式の後はウィンザー城のチャペルで、750人の招待客を招いての祝福の祈祷が行われ、テレビ中継される。
 王室は先月、女王が式に欠席する理由を、「皇太子とカミラさんが質素な式を望んでいるから」と説明したが、当初言われていたようにウィリアム王子とヘンリー王子だけでなく、皇太子の弟妹も出席することが分かり、女王の「言い訳」に疑問が投げかけられている。



「EU分担金の英国割引は不当」  シラク仏大統領が発言

【2005年3月24日】ブリュッセルで欧州連合(EU)の首脳会議に出席していたフランスのシラク大統領は3月23日、英国が特権的に受けているEU分担金の割引措置(リベート)は「もはや正当化できない」と述べ、措置の廃止を求めた。
 英国は他の加盟国に比べ、共通農業政策(CAP)に基づくEUからの農業補助金の受取額が少ないことから、1984年以降、拠出金と受取額の差額の一部を割戻金という形で受け取っている。2004年度の割戻金は43億ポンド相当(約8600億円)、2005年度は38億ポンド相当(約7600億円)に達する見込み。
 シラク大統領は、「英国への小切手(割戻金)が戻ってきて初めて、理にかなった、均衡のとれた予算を立てることができる」と発言、割引措置によって不公平が生じているとの認識を示唆した。
 英国のストロー外相は同日、シラク大統領のコメントに先立ち、BBCのラジオ番組で、英国の分担金割引措置の撤廃がEUで議論された場合、英国は拒否権を行使して廃止を阻止する意向であると述べた。
 EU予算の半分近くはCAP予算が占めている。2003年度のEUからの農業補助金は、対フランスが100億ユーロ、対英国が17億ユーロだった。シラク大統領の発言を受け英国政府は、割戻措置があっても英国の拠出金はフランスの2.5倍に達し、割戻金が廃止されれば、フランスの14倍にも上るとして、割引措置の正当性を訴えた。
 EUは、6月にルクセンブルクで開催する首脳会議で、2007〜2013年の予算を協議する。



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