MBT総合研究所

少年の純真。


少年の純真。

私は大人になって、随分になります。
社会に出て、組織の中で働くという事は色々と大変です。
人の世の矛盾を知り、受け入れがたきを受け入れて生きています。
少年の心を大切にと思うけど、大人として生きていく術が必要です。

って、のっけから真面目っぽいけど、今回のテーマは違います(笑)

大人って、少年に対して酷い嘘をつく事があるでしょ?
酷い嘘というと語弊があるかもれないけど。
ようは社会で使用する社交辞令だったり、また冗談のようなもの。
しかし少年はそれを真に受けてしまう。
大人に悪意がないだけに酷い嘘という事なのだ

例えば、大人は「今度、飯でも行こう!」って言う。
しかし、実際に行ったためしがない。
大人の世界では「今度、飯でも」ってのは「絶対に飯は行かない。」という意味だ。
それを少年は言葉通りに受け取ってしまう。
そして、いつまでも待ち続ける。
世を知り、傷つく事で少年は大人になるのだ。

今回は、そんな悲しい大人の嘘がテーマです。
私が少年時代、大人どもに騙された事を取り上げます。


1.フェニックスはパイナップルが成長した姿?

 私は少年期を堺で過ごした。
堺には「フェニックス通り」ってのがあり、フェニックスはとても身近な植物だった。
ちなみにフェニックスとは、ヤシ科の植物で、よく南国に生えていそうな植物だ。
少年が通っていた小学校の校門にもフェニックスが植えてあった。

少年にとって問題は、そのフェニックスが何なのか?って事だ。
フェニックスの形は、パイナップルによく似ている。
少年は、お互い何か関係があるのだろうと思っていた。
例えば、パイナップルを成長させればフェニックスになるんじゃないかと。
そして、フェニックスくらい大きく育てれば、お腹いっぱい食べられるのでは?って。
そんなふうに考えながら、毎朝校門に植えてあるフェニックスを眺めていた。

ある日、少年は父親にこの問題を聞いてみた。

少年「パイナップルが成長するとフェニックスになるの〜?」

父親「そうだよ、パイナップルが成長したらフェニックスになるんだよ。」

って言った。
おそらくジョークのつもりだったのだろう。

それを信じた少年。
少年の未来が心配だ。


2.甘口カレーはカレーでなくアマーである。

 私は少年期、夏休みを九州で過ごした。
母方の田舎が九州だった為、夏休みになると遊びに行っていたのだ。
そこには爺さん、婆さん、そして親戚の叔母さん、叔父さん、従妹たちがいた。
みんな優しくて、毎年少年を優しく迎えてくれた。
そこは山奥で何もなかったが、代わりに大自然があった。
裏山ではカブトムシやクワガタムシがわんさか採れた。
川では、ヤマメやイワナが釣れた。
少年は夏の暑さに負けず、遊び回っていた。
お昼時、もうお腹がペコペコ。
家に戻ると、そこにはカレーが待っているのであった。

待ちきれずにカレーを頬張る少年。
その時、親戚の叔母さんに必ず言われる事があった。

「カレーは辛いからカレーだよ。それは甘口だからアマーっていうの。
さあ、アマーをお腹いっぱい召し上がれー。」って

これを信じた少年。
少年の未来が心配だ。

後日談
大人になった少年は夏季休暇で九州に帰る。
甥や姪、親戚の子どもたちが元気に大自然を駆け回っている。
お昼時、お腹ペコペコで家に戻る子ども達。
そこにはカレーが待っている。
そして子どもたちに甘口カレーをアマーだと教える叔母さん。
歴史は繰り返すのであった。


4.空の上には何がある?

 私は少年期、すべり台で遊んだ。
少年は、すべり台で何をするのだろうか?
何もしない、すべり台の上で寝っ転がっり、ただ空を眺めるのだ。
そして、変わりゆく雲を眺めて空想するのだ。
そんな少年には分からない事があった。
それは、この青空の上に、いったい何があるのだろうか?
って事だ。

ある時、少年はその疑問を父親にぶつけてみた。

「ソラのうえに、なにがあるの〜?」
そうすると、父はこう答えた。
「ソラの上にはシドがある!」
って。

何??シドって??
いったいどういう事なのだろう??

実はシドとは、ドレミファソラシド。
ソラの上はシドなのだ。
いわゆる「なぞなぞ」ってヤツだ。
おそらく父親は、少年がなぞなぞを言ったと思ってシドだと答えたのだと思う。
しかし少年は大真面目に受け取った。
「そうか〜空の上にはシドがあるのか!」

この日から少年はシドなる世界に夢中になった。
そして今日も、すべり台の上で青空の向こうにある世界を空想するのであった。

少年の未来が心配だ。


5.サンタさんはいるの?

 少年は実をいうと以前よりサンタさんの存在に懐疑的だった。
存在を疑う根拠として母親の行動があった。
クリスマスが近づくと決まって欲しいものを聞いてくる。
そして当日、枕元に説明したものと同じものが置かれているのだ。
これでは、誰でも犯人は母親だと疑う。

そもそも煙突から侵入する設定も、現実には考えにくい。
だってクリスマスは冬でしょ?(日本では)
暖炉を使用している可能性が高く、煙突から侵入するのはリスキーだ。

それに一晩で世界中の子どもにプレゼントを配りきるなんて・・・。
そんな事が可能なのだろうか?
という事で、少年はサンタさんの存在を疑っていた。

ある年のクリスマス。
少年はちょっとイタズラ心を抱いていた。
毎年のように母親が欲しいものを聞いてくる。
そこで、少年は
「おかあさんには教えないも〜ん!」
って言った。
ちょっと困らせてやろうという軽い気持ちだった。

そしてクリスマス当日。
朝起きると枕元にプレゼントが・・・無い!
プレゼントが無い無い無〜い!!!
変わりに置き手紙がある。
手紙の内容は・・・。

少年へ。
サンタさんは、今年はアフリカの貧しい子ども達の為にプレゼントを渡して回ります。
なので、日本に来る事が出来ません。
ごめんね!

ってな感じだ。

一応、少年はサンタさんを信じている事になっている。
母親に何かを言う事は筋違いって事になる。
それに、もしサンタさんの存在を疑えば、来年のプレゼントもあやしくなる。
第一、アフリカの子どもの事を持ちだされると、もう何も言えない。

大人のやり方を知り、次のクリスマスからは素直になった少年であった。

少年よ、強く生きるのだ!


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