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臨死体験療法
年金生活にも少しなれてきた今日この頃である。目がさめると、手持ち
無沙汰の一日が始まった。いつものように朝刊に目を通す。
(20xx年2月13日 毎日新聞 和歌山版)
一番大きな記事は先日の南海大地震について書かれている。
復旧が遅れていること。
特に、紀伊半島南部の道路と鉄道の被害が大きく、復旧の見通しが立た
ないことを伝えている。
しかし、震災時を想定した対策に怠りがなかったため、人的被害が最少
限に食い止められたということである。
その次の記事から
この4月から和歌山医科大学付属病院でも臨死体験療法が実施されるこ
とが決まり、東京の医科大学から教授を招き、治療メンバーの学習と実習
が始まったことを伝えている。(療法の詳しい説明は最終です)
私は「少し遅かったな」と思った。だいたい和歌山というところは少し
のんびりし過ぎている。全国で23番目の治療実施だということである。
この数字はほかのことに比べるとかなりいい方だ。
大学の努力によるところが大きいとも思っている。
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しかし、県民の声に押されて、やっと決断したといえる面も大きい。
和歌山県では希望者が多く大阪や神戸、京都などへ行って、治療を受け
なければならない不便さのために、県民から不満の声が相次ぎやっと重い
腰をあげて実施に踏み切ったというところである。
最初に東京で実施され始めてから、すでに7年も過ぎている。
世界各国に広がっている現状からして、県民の不満も無理からぬところ
があった。
この4月から、自分たちの県で治療を受けられて便利になるという声と
ともに、最近全国的な動きとなっている、保険扱いを要求する声と行動が
強くなってきたようだ。
治療を受けた人たちの意見として、これほど効果的で、社会に役立つ治
療が保険扱いにならないのは、おかしいという事が盛んに言われるように
なり、国民の厚生労働省への陳情が、盛んになっていることに影響を受け
たものだ。
私も同じように考えていたので、この声を活かすべく、みなさんと協調
することにしました。
私なりに臨死体験療法を庶民の手の届くところに持ってきたい、という
強い思いがあります
これからは、庶民の夢と希望を叶えられるように、協調して行きたいと
考えています。
とりあえず。3月3日に予定されている、「臨死体験療法を推進する
会」主催の、けやき通りのデモに参加することにしました。
そして今、私は考えています。和歌山もすぐ元気になると。一気に元気
な人たちが増えるから。
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ちなみに少し外国の様子を紹介しておこう
アメリカでの臨死体験療法の現状について
東京で世界に先駆けて臨死体験療法が実施され始めたとき、アメリ
カはすぐに実施に向けて動き出した。
アメリカでは臨死体験についての優れた研究者も多く、今世紀初頭
から、これらの人たちから臨死体験を人工的に行えないかという声が
あった。
秘密裏に療法として研究している機関があったとも言われている。
といのは20世紀末から普及し始めた大型の低酸素ルームでトレー
ニングする、アスリートたちの不思議な体験や、不思議な心理的な効
果が盛んに言われるようになっていた。
アスリートたちに低酸素テントの利用者が多くなり、同様の意見が
各競技団体に、多く寄せられ、その不思議な精神的、心理的な効果が
研究機関に取り上げられてきたと言う経緯もある。
この中にテレパシー能力の開発向上を研究する機関も含まれていた。
この機関は巨額の予算をつぎ込み基礎研究は終わっていたと言われて
いる。
日本に先を越されたものの、アメリカの諸機関や病院が実施のための
研究グループを東京に送りこんで、まるで競争のように、一気に治療
を実施し始めたのである。
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はじめの頃は順番待ちの出る盛況ぶりであった。
しかし次々とあまりにも多くの病院が治療を始めたために治療希望者を
奪い合うかたちとなり、サービスの充実ぶりは大変なものとなっている。
その充実ぶりは日本のお金持ちが治療を受けるために行くことでも分
かる。帰ってきた人は一様に「まるで竜宮城だ」と言って楽しさと喜
びを表現する。
昔話では竜宮城で楽しいときを過ごして帰ってきた浦島太郎は玉手箱
を開けて一気に老人になってしまうが。
現在の竜宮城から帰ってきた彼らは、一様に10才は若返って見える。
ともかく全員ハッピーな人になっているようだ。
まわりの人にいわせれば、行く前に比べて、生き生きとしていて、まる
で別人になってしまったという変わりようの人も多いそうだ。
私もお金があればすぐにも行きたいな。
気候のよいフロリダがいいし、海のきれいな西海岸がいいし、ラスべ
ガスもいいな、にぎやかなニューヨークもいいな。
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中国での臨死体験療法
世界各国がにたような動きを見せたのに対して、中国の動きはたいへ
ん変わっていた。
民間資本が外国の医師団をまるかかえで迎え、実施を始めたこと、治
療熱が一気に燃え上がり、広がり、多くの療法専門の病院が誕生したこ
とである。
治療費が高いにもかかわらず、多くの人が競うように療法を受けた
ことも特筆すべきことだった。
良さそうだと言われると、一気に広がりブームを起こすのも中国の特
徴である。
そして世界をさらに驚かせたのは、療法が一気に姿を消してしまった
ことである。
これも中国を感じさせる出来事であった。
治療を受けた人が民主的な考え方になり、平等を強く言い始めること
に危険を感じた、政府による禁止と弾圧がなされたとのことである。
私はこのやり方は遅きに失したのではないかとおもっている。
多くの治療を受けた人を生んだ後では弾圧も意味がないと思われるので
ある。
彼らが知恵を絞り、地下に潜って、この体験をもとに必ず新しい方法
を見つけるであろうことは想像にかたくないからである。
彼らは多くの仲間とともに、中国を変えて行くことであろう。
より住みやすく、より豊かで、より自由で、より民主的な国に生まれ
変わらせることは、火を見るより明らかである。
巨大大国、中国に幸いあれと願わずにはいられないこのごろである。
では少し「臨死体験療法の内容」を説明します。
クライアントの酸素濃度を下げることで意識不明を伴なう状態まで意識を
低下させます。
このことで臨死体験者が体験した状況と同じ状況を作り出すものです。
ベテランの限度を見極められるスタッフが新鮮な空気の供給を再開して
蘇生させます。
この療法には緊急時の救急救命技術のベテランも欠かせません。
さらに酸素濃度チェック、脳波検査、MRIによる監視など多くのスタッフの
協力が必要です。
その後のクライアントの意識の変化や超能力に関するチェックも欠かせません。
よき市民の誕生を見極めるためです。