浅原 欣多

松崎文女(本名 浅原 文子)さんは平成17年1月15日午後0時3分ご逝去致しました。
戸畑あやめ川柳会の副会長として、多くの作品を発表し、後輩の指導をされてきました。 .
彼女独特の表現は人々を楽しませてくれました。                        .
文女さんが闘病中に詠まれた作品を、追悼の意味で発表いたします。           .
文女と共に有能な作家が戸畑あやめ川柳会から離れていきました。            .

                          

春を確かめに行きませんか仏さま

樅の木吊す女の業吊す






癌告知運命線が切れかかる




石女の乳房化石になりそうで



愛別離苦パッチワークの一針よ


雷神の一途わたしを貫くよ






冬ざれや妬心をひとつ煮凝りに


やがて朝執着駅の灯は情死






まうしろに誰かがゆらり秋彼岸


この年を生きる一歩一歩生きる


雲百態空の大事を聴きもらす



くださいな夢というなの春帽子


欲望は真っ逆さまに虫集く






百叩きほどの刑なら身代わりに



錆びついた詩 を磨く辞書繰る



わたくしを弔う詩と雲流る







ほろほろと酔うて心を解き放つ



心乱れて踏んでしまったのはエロス
灰になるまでホップステップ女とは
まして死を線香花火まだ知らず



炎の色噴きあげて咲くおんな刻



        


  仲間達