銘柄分析
このコーナーでは、わたしのバリュー投資に基づいて具体的な証券分析を行いたいと思います。子育てとバリュー投資の関係でも書いたとおり、子育てパパとして時間的余裕があまりないため、ネットネット株に象徴されるようなリサーチの効率性(手抜き?!)を重視しており、あいまいな情報、不確実な情報をリサーチによって確実なものにしようとするのではなく、あいまいなまま、不確実なまま扱うようにしています。投資の参考にされる場合には、子育てパパ、ママお得意の自助・自立を活かしてご自分でよく考えてみてくださいね。
川岸工業 東証2部 金属製品
三相電機 ジャスダック 電機
中央紙器 名証2部 紙・パ
川西倉庫 大証2部 倉庫・運輸関連
名古屋電機 名証2部 電機
川岸工業 東証2部 金属製品
2004年9月期では、流動資産が157億円、負債が68億円で、純運転資本は89億円(1株当たり594円)です。株式時価総額は34億円(株価315円、2004年12月末)と純運転資本の3分の2を下回っており(ネットネット株)、割安と判断できると思います。
ここ数年営業赤字が続いており、これを豊富なキャッシュを活かした営業外利益や特別利益で補ってきましたが、2004年9月期には当期赤字に陥りました。もっとも、最近、業績回復への期待が高まっており注目されます。すなわち、バブル崩壊後、主力製品の鉄骨の需要が公共投資や民間建設投資の長期低落により縮小を続け、さらに競争激化から価格、採算面も厳しい状況が続いてきましたが、このところ製造業の国内生産回帰や都市再開発の活発化などを背景に工場・高層ビル向けが堅調のようです。加えて業者の整理淘汰や設備廃棄の進展により需給ギャップが縮小したため、製品価格にも下げ止まりから底入れの気配がみられているようです。会社予想では05年9月期に当期利益をほぼトントン(1株当たり3円と若干の赤字)の水準を見込んでいます。(2005年1月)
三相電機 ジャスダック 電機
2004年9月中間期では、流動資産が78億円、負債が44億円で、純運転資本は34億円(1株当たり728円)です。これに対し、時価総額は32億円(株価711円、2004年12月末)となっています。時価総額が純運転資本を下回っており、割安と判断できると思います。
近年の厳しい経営環境の下でも黒字を確保してきており、収益の安定性は評価できると思います。最近は、ポンプでは小型・省エネの高付加価値製品(直流ポンプ)を強化すること、モーターでは中国合弁への生産シフトを進め、コスト削減とメーカー各社の海外生産への対応を図ること、という経営戦略が、徐々に成果を上げつつあるようです。1株利益は、2004年3月期36円の後、今2005年3月期には61円と大幅に増える見込みです。(2005年1月)
中央紙器 名証2部 紙・パ
純運転資本が株式時価総額を下回っていることから、上記2社のような簡易的な分析では評価できません。個別資産の本源的価値を試算し、その合計額から負債を差し引くことによって、株主資本の本源的価値を算出し、割安さを判断します。
まず、流動資産では、現預金の本源的価値は簿価に等しいと認定します(6億円、2004年9月中間期)。現預金以外では、受取手形および売掛金の割合が圧倒的ですが、当社はトヨタを中心とする自動車メーカーや電機メーカー向けの受注生産が多いことから、これらの回収性に大きな問題が生じる可能性は低いと考えられます。このため、現預金以外の流動資産については、簿価に0.9を掛けたものを本源的価値として認定します(23億円)。合計すると、流動資産の本源的価値は29億円になります。
次に、固定資産については、建物、機械設備等は着実に減価償却を行ったうえで安定して利益を確保していることから、現時点での簿価(残存価値)を本源的価値と評価して問題ないと思います。土地については、本社、工場ともいずれも取得時期が古く、簿価の水準が低いため、全体としては含み益を有している状況だと考えられます。ただ、含み益を本源的価値に加えるためには、より踏み込んだ検証が必要ですので、簿価をそのまま本源的価値と評価することにします。投資その他の資産については、特に問題は見当たりませんので、簿価に対する掛目を0.8とし、本源的価値としようと思います。なお、無形資産には価値を認めません。合計すると、固定資産の本源価値は28億円になります。
以上を総合すると、資産の本源的価値は58億円(億円未満切捨てのため流動資産と固定資産の単純合計にはなりません)と試算され、ここから負債14億円を差し引いた44億円(1株あたり888円)が株主資本の本源的価値と試算されます。これに対して、株式時価総額23億円(株価468円、2005年1月末)と株主資本の本源的価値の3分の2を下回っていることから、割安と判断できると思います。(2005年2月)
川西倉庫 大証2部 倉庫・運輸関連
純運転資本はマイナス(当然、株式時価総額よりは小さい)であるため、個別資産の本源的価値を試算し、その合計額から負債を差し引くことによって、株主資本の本源的価値を算出し、割安さを判断します。
まず、流動資産については、現預金の本源的価値は簿価(62億円、2004年9月中間期)と等しいと考えられます。残りの部分については、そのほとんどを受取手形及び営業未集金が占めているので、掛け目を0.9と設定します。したがって流動資産の本源的価値は101億円(金額は億円未満切捨て表記のため、単純合計になりません)となります。
次は固定資産です。有形固定資産では、建物及び構築物等(すなわち土地以外)については、これまで利益を確保しつつ着実に減価償却を行ってきていることから、簿価(残存価額)分の本源的価値があると考えても問題はないと思います。また、土地については、取得時期が古く、簿価の水準が低いため、全体として含み益を抱えている可能性が高いと考えられます。このため簿価を本源的価値として評価しようと思います。無形固定資産については、連結調整勘定とその他については本源的価値を認めません。これに対し、港湾等施設利用権については、倉庫・運輸業は規制の強いセクターであることから、利用権には経済的な価値があると考えられます。ここでは、その本源的価値を保守的に見積もることにし、掛け目を0.5に設定します。投資その他の資産については、投資有価証券で減損処理を行なっているなど簿価の信頼性を示唆する会計処理がみられますが、融資先、保証金差仕入先の信用状態については評価が難しいところです。ここでは試しに一律0.6を掛け目とします。
以上を総合すると、資産の本源的価値は237億円と試算され、ここから負債の112億円を控除した125億円(1株当たり1,519円)が株主資本の本源的価値と計算されます。川西倉庫の株式時価総額は52億円(株価631円、2005年1月末)であり、本源的価値の3分の2を下回っていることから、割安と判断できると思います。(2005年2月)
名古屋電機 名証2部 電機
2004年9月中間期では、流動資産が124億円、負債が58億円で、純運転資本は66億円(1株当たり1,198円)です。これに対し、時価総額は54億円(株価911円、2005年3月末)となっています。時価総額が純運転資本を下回っており、割安と判断できると思います。
交通情報システムが主要製品であり、公共投資の削減や道路公団民営化など事業環境は厳しく、売上げの減少と採算の悪化に苦しんでいます。もっとも、必ずしも赤字体質にまでは陥ってはおらず、2002年度の当期赤字の後、2003年度と2004年度は当期黒字を確保しています。基板検査装置が第2の事業として成長してきていることや、交通情報システムでは路面凍結センサーなどの新製品の開発を進めていることも評価できると思います。(2005年4月)