コラム

 

(はじめに)

 2005年初からコンテンツ作りを始めましたが、子育てパパとしてなかなか時間が工面できず、4月になってようやく一応ホームページらしい形が整い、一部のバリュー投資家の方にはご挨拶をさせて頂いたところです。最後に登場となったのがこのコラムです。バイ・アンド・ホールドという投資スタンスをとっているため、短期間にはコラムとして書き込むほど多くの株式売買を行わないこともあり、ここでは売買やパフォーマンスの動向についてのコラムのはか、投資や経済に関する一般的なコラムの両方を掲載していきたいと考えています。

 

 

◇投資コラム 2005年5月5日

 年初からの上昇相場は3月後半以降、米国株安や中国デモなどを契機に反落しています。バリュー投資家にとっては久々に買いのチャンスが期待できるところです。もっとも、バイ・アンド・ホールドで注目しているバリュー銘柄をみると、それほど下げてはおらず、なかなか買いレンジにまでは至っていません。このところ下げ相場が少し強調されすぎているかもしれません。その一つの背景に、高安値の目処は、3月までが「昨年来」高安値であるのに対して、4月からは「年初来」高安に変わることがあるのではないでしょうか。4月が下げ基調である場合、年初来安値続出しすることになるため、年初来安値更新という投資家には嫌な表現が量産されて、弱気を誘っているような気がします。

 という状況で、買い意欲はたっぷりなのですが、4月のめぼしい購入は、銘柄分析でも取り上げた名古屋電機ぐらいです。名古屋電機は、4月25日に2005年3月期の業績を上方修正して、現在は、少し強含んでいますが、引続き割安と判断できると思います。なお、この機会に短期的な業績変動に関するバイ・アンド・ホールドの考え方を述べますと、バイ・アンド・ホールドでは、資産のバリューに注目して本源的価値を算出しているので、例えば、ある期の当期利益が上方修正されたといっても、通常はあまり気にしません。たとえ大幅上方修正であったとしても、ストックである本源的価値の水準はフローである利益の水準よりとても大きく、ある期の利益が変化しても、本源的価値はあまり変わらないことが多いためです(そしていちいち業績修正をフォローする時間的余裕がないためです)。注目するのは業績修正が資産の本源価値に重大な影響を与える場合などに限られます。

 

 

◇子育てと四季報:私の経験 2005年4月26日

 子育てとバリュー投資の関係にも書きましたが、この2つはとても親和性があります。子育てと四季報もその一つの例と言えますが、子育てのスキ間時間と四季報に基づくファンダメンタルズ分析の相乗効果について、私の経験をご紹介します。

 

さて、赤ちゃんの時は、ミルクを作って飲ませたり、オムツを替えたり、あやしたりと結構世話をすることが数多くあるものです。また、赤ちゃんは、暑いとか寒いとか、居心地が悪いとか、抱っこをして欲しいとか、いろんな理由でよく泣き、ママやパパを呼びます。それで、こまめに動き回ることになるのですが、ずーっと働きっぱなしというわけではありません。空き時間も結構あります。そんな時、皆さんは何をされているのでしょうか。

 

もちろん、家事をしたり、コーヒーを飲んだり、うたた寝をしたりも多いでしょう。そして読書が好きな人なら、本を読んだり、新聞を読んだりも。私もそうでした。ところが、・・・です。何かを読んでいる時に突然子供に泣かれたり、呼ばれたりして、すぐ飛んでいくと、戻ってきた時に、どこまで読んだのか、何を考えていたのか、きれいに忘れているんです(忘れやすい私)。気を取り直してまた読み始めて、先へ進めれば、それでいいのですが、またすぐ子供が泣く、あるいは電話が鳴る、宅配便が来る、と中断が繰り返されることがあります。そうなるとなんだか面倒臭くなって、ただボーっと休憩でもしていようか、という気分になります(怠け者の私)。

 

こうした経験を繰り返しているうちに、ある時「中断されて読む気がしなくなるのは、長文だったり、内容が複雑だったりして集中力を必要とするものだ」という当たり前のことに気づきました。そこで、短くてどこまで読んだか気にする必要のない読み物はないか、と考えた時に、思いついたのが「四季報」です。これは、どこを読んでも、読まなくてもかまわない。かまわないから気にならない。そして株式投資が好きな人なら企業経営に興味があるので、読んでいてそれなりにおもしろい。

 

というわけで空き時間に四季報をパラパラめくっていると、塵も積もれば山となり、四季報数号分読んだ後では、どんなセクターにどんな会社があり、どんな商品やサービスを提供しているかなどが、なんとなく頭に入ってきました。語学の勉強で言えばボキャブラリーが増えたよう感じです。良く言えば、体系的なボトムアップ・アプローチ、悪く言えば、雑学です。こうなると事例を数多く知っているため、投資尺度、投資戦略など概念的、理論的な話(語学の勉強で言えば文法のようなもの)を見聞きしても、理解しやすくなります。何より約3700社ある上場企業の全体を鳥瞰しているので、自分のまったく知らない事例は(直近のIPOを除けば)出てこない、という安心感が持てるようになります。喩えて言えば、悉皆調査とサンプル調査の違いのようなもので、サンプル調査では母集団とはかけ離れた結果が出てくるリスクがありますが、悉皆調査であれば、そうしたことはまず起こらない、と自信が持てるのと同様でしょう。

 

こうして3700社をみているうちに、この中でバリュー投資の観点から潜在的な投資先と考えることのできる企業はせいぜい1,000社くらいで、その中で特に有望なものは200〜300社、さらにその時々の状況で実際に買うに値する企業は数十社、という自分なりの分類がなんとなく出てくるようになりました(もちろん、ある企業がどのカテゴリーに属するかは、企業はファンダメンタルズおよび株価の変動につれて変化しますので、これらの数は常に一定ではありません)。これらのカテゴリーに属する企業は、セクターによるバラツキはありますが、いずれも各セクターにおいて最も割安なグループに属する企業になっています。銘柄分析で取り上げた企業などがそうした例に当たると思います。

 

(補論) 「賢明なる投資家へ道」管理人のKENさんの「投資コラム」で、時々赤ちゃんとたわむれつつ、セミナーの資料作成をされた話(4月24日)を拝見しました。できる人はできるものなのですね。私などは、よくシングルタスク人間と呼ばれています。

 

 

バイ・アンド・ホールド トップ・ページへ戻る