ポエム




ZERO
 (あなたの後ろで)


誰、この魂を揺さぶり震わすのは。

誰、命の悲しみと優しさと、そして愛と憎しみをも包みこみ、
たとえようもなく煌く色どりの衣をまとい、
この星とひとつになって舞いあがるのは。

生き物の思いに惹かれ捕らわれ、この星に降りた天使が、
あらゆることを知り尽くし、
そして、この星のすべてを伴い、高みに戻ってゆくような。

その声はすべてを震わし、すべてを表し、そして、すべてを赦している。

ああ、この魂の震えに私は涙を止めることができない。
その声は、私をその衣のひとつの光のしずくに変える。


人の声は、音楽は、このようにして、あなたとひとつになることが
出きるのですね。
生の喜びとは、このように、さまざまな情景で、あなたと出会えることを
いうのですね。


(ドラマ、美しき日々サウンドトラックのスキャットを聞いて,7月の日記より)




バランス


バランス、そばに立つひと。
遠くもなく、近すぎることもなく、礼なる線を引き、お互いを敬う。
おなじ質からなり、しかし異質で、心は清くひとつ、そしてふたつ。
目を開けると、思いの清さが曇るため、わたしは目を開けずにいましょうか。
美しき心のひと、幸多かれと祈ります。



(6月の日記より)



あなた


傷ついて塊(かたまり)になっている自分を、
もう一人の私が、そっと抱きしめる。
やさしく、いとおしく、抱きしめる。

塊の私が、その暖かさに少しづつ手足を伸ばし始める。
<あなたなのね。>
あなたは充分に抱きしめたあと、少しづつその腕の大きさを広げていく。
その暖かさのなかで私は子供のように笑い、遊びはじめる。
<ね、ね、あなた>

なつかしいあなた、私が生まれたときから、ずっと一緒のあなた、
もしかしたら、もっと前からかも知れない、私と並んで遠くを指差して
いた、あなた。

ああ、また少し歩けそう。

ずっと側にいてね、あなた。
いつか、あなたと本当のひとりになれる時まで。



(11月の日記より)



木は優しい

木は優しい。
ある日、ちょっとさみしくなった時、一本の木に
寄り添ってみたの。
そっと手をあてて、心のなかで話かけてみたら、
とっても優しく、見えない手で抱いてくれたの。

木にも、草にも、花にもこころがあって、
話しかけると、こたえてくれるよ。

そう、ふだんは気がつかないところで
みんな一生懸命生きているんだよ。





顔のない天使

わたしの天使には顔がない。
どうしてもお顔がわからないのは、なぜと
ずっと考えていたら、ある日はじめて出会った人の
目のなかから、微笑みかけてきたの。
びっくりしたけど、嬉しかった。

わたしの天使にお顔がない訳が、やっとわかったの。
それは、わたしの会う人のなかにいる。
わたしの会う人が、わたしの天使だと。







あなた へ (2)

あなたといつも向かい合いたい。
なのに、心はすぐによそ見をしてしまう。

この目に映るもの、手近な仕事、意味のない言葉、
表面の波立つ思いなんかに気をとられて。

あなたはここにいる。わたしの内にいつもいる。
なのに、遠く離れているような気がする時がこんなに多い。





あなた へ (1)



元気にしてますか。食事をちゃんとしてますか。
フルーツも食べるのよ。
ちゃんと睡眠時間をとってますか。

からだを大切にするのよ。
いろんなことは替えがきくけど
からだは替えがないからね。

こころは静かですか。
寝るまえに、お祈りしていますか。

『今日いちにちを過ごせたことを、感謝いたします。
 不注意で傷つけてしまった、あらゆることをお許しください。
 そして、わたしも、あらゆることを許し、忘れます。
 あらゆるものの、こころが安らかでありますように。
 またあした、あたらしい、明るい気持ちで過ごせます
 ように。』 と。

あなた。


まだ会えないあなた。
いつも会うあなた。
ときどきしか会えないあなた。
そして、もう会えないあなた。

でも、あなたはいつも私のこころのなかに。
こころのなかで、わたしはあなたになり、
あなたはわたしになる。

こころのなかでは、距離はないの。
生きている世界とそうでない世界の区別もないわ。

あなた、両手にいっぱいの愛をもって、あなたに。