【住民からの報告】
東京都足立区 学校選択制度の導入で、一部の住民が困っています。
(例えば、兄姉が、在籍していても優先されない)
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注意事項は、必ず、お読みください。注意事項は、こちらです。
●兄姉優先しないことは、本当に、平等なのか?
足立区では、兄姉優先をとっていません。理由は、優先すると、公平性に欠けるというのが理由ということです。それでは、兄姉優先すると、本当に、公平性に欠けるかどうかを、統計学的に(数学の理論を用いて)、検証してみたいと思います。数学は苦手という方は、以下の計算式を飛ばして、【結論】を見ても構いせん。
【数学的に、検証してみる】
わかりやすくするために、まず、仮定をたてたいと思います。ある家族に、2人子どもがいて、1人目の子どもをA君、2人目の子どもをB君とします。希望する小学校(S小学校とします)は学区域外にあり、毎年、抽選になり、当選確率を、仮に、50%とします。この時、A君がS小学校に入学できる確率と、B君がS小学校に入学できる確率を求めてみたいと思います。この両方の確率が50%であれば、公平であると言えます。
また、ここで、兄弟姉妹は別々の小学校でもよいと思っている家庭の場合と、兄弟姉妹は同じ小学校にしたいと思っている家庭の場合のこの両方の場合について、確率を求めてみたいと思います。この2つの場合について求める理由としては、この両方の場合で、求める確率が異なる可能性があるからです。
●兄弟姉妹は、別々の小学校でもよい家庭の場合。
兄弟姉妹は、別々の小学校でもよい家庭の場合には、A君とB君は、全く、独立しているとします。つまり、B君が、S小学校を希望するかどうかは、A君が、S小学校に当選するか落選するかによらず、どちらの場合であっても、B君は、S小学校を希望するとします。
この場合において、兄姉が在籍していたら優先される場合と、優先されない場合との両方の場合において、A君とB君のそれぞれが、S小学校に入学できる確率を求めてみます。
★優先されない場合(例えば、足立区の場合)
A君がS小学校に入学できる確率 : もちろん50%です。
B君がS小学校に入学できる確率 : もちろん50%です。
兄姉が在籍していても優先されませんので、A君もB君も、S小学校に入学できる確率は、S小学校に当選する確率である50%となります。
★優先される場合
A君がS小学校に入学できる確率 : もちろん50%です。
B君がS小学校に入学できる確率 : 75%です(計算式は、以下の通り)。
B君が、S小学校に入学できる確率は、50%とは限りません。なぜなら、兄姉が在籍していたら優先されますので、A君が当選すれば、B君は、当然、抽選になったとしても、必ずS小学校に入学できます。また、A君が落選した場合であっても、B君には、まだ、チャンスがあり、B君が当選すれば、B君は、S小学校に入学できます。つまり、B君が、S小学校に入学できるケースとは、A君が当選するか、A君が落選してもB君が当選する場合の2通りがあります。よって、以下のようになります。
A君が当選する確率(この場合、B君は、必ず入学できる) : もちろん50%です。
A君が落選し、B君が当選する確率 : 25%(=0.5×0.5)です。
よって、B君がS小学校に通える確率は、75%(=50%+25%)です。
●兄弟姉妹は、同じ小学校にしたい家庭の場合。
兄弟姉妹を、同じ小学校にしたい家庭の場合には、先に入学したA君と同じ小学校を、B君は、希望するとします。つまり、A君が、S小学校に当選したら、B君も、S小学校を希望するとします。また、A君が、S小学校に落選して、例えば、指定校にしたとしたら、B君は、S小学校を希望するのをあきらめて、A君と同じ指定校を希望するとします。
この場合において、兄姉が在籍していたら優先される場合と、優先されない場合との両方の場合において、A君とB君のそれぞれが、S小学校に入学できる確率を求めてみます。
★優先されない場合(例えば、足立区の場合)
A君がS小学校に入学できる確率 : もちろん50% (0%の場合もあります *1)です。
B君がS小学校に入学できる確率 : 25% (0%の場合もあります *1)です(計算式は、以下の通り)。
B君が、S小学校に入学できる確率は、50%とは限りません。なぜなら、A君が、S小学校に落選したら、B君は、S小学校を希望しないからです(A君が落選、B君が当選というケースはありません。なぜなら、A君とB君が、別々の小学校になってしまうからです)。つまり、B君が、S小学校に入学できるケースとは、A君が当選して、B君も当選するケースしかありません。よって、以下のようになります。
B君が、S小学校に入学できる確率は、25%(=0.5(A君当選)×0.5(B君当選))です。
*1 : 「0%の場合もあります」とは、兄弟姉妹を同じ小学校にしたい場合には、A君もB君も、S小学校に入学できないということを意味しています。上記のA君,B君がS小学校に入学できる確率50%,25%は、A君が、S小学校に当選した場合に、B君も、S小学校を希望するとした場合です。しかし、実際には、A君がS小学校に当選しても、B君が、S小学校に当選しなければ、A君とB君は、同じ小学校に通うことはできません。つまり、この確率には、A君がS小学校に入学し、B君はS小学校に入学できなかったケースも含まれてしまっています。
そのため、どうしても、A君とB君を同じ小学校にしたい場合には、兄姉が在籍していても、優先されないのであれば、A君もB君も、S小学校をあきらめて、指定校にするしかありません。そのため、S小学校に入学できる確率は、「0%の場合もあります」となっています。わかりやすく言えば、足立区では、兄姉優先はしていませんので、兄弟姉妹を、同じ小学校にするために、学校選択制度を利用しないという家庭があると思いますが、それが、これに当たります。
★優先される場合
A君がS小学校に入学できる確率 : もちろん50%です。
B君がS小学校に入学できる確率 : 50%です(理由は、以下の通り)。
B君が、S小学校に入学できるケースは、A君が、S小学校に当選した場合しかありません。なぜなら、兄姉が在籍していたら、優先されますので、A君が、S小学校に当選すると、自動的に、B君は、S小学校に入学できるからです。また、A君が、S小学校に落選した場合には、B君は、S小学校を希望しませんので、A君が落選、B君が当選というケースはありません。よって、B君が、S小学校に入学できる確率は、A君が、S小学校に当選する確率である50%となります。
注:上記では、抽選になった場合、S小学校に入学できる確率は、50%としました。この50%は、希望したいと思っている児童が、全員希望した場合の当選確率です。しかし、兄弟姉妹を同じ小学校に通わせたいために、A君がS小学校に落選して指定校になったので、B君はS小学校の希望をあきらめる場合や、はじめから、A君もB君も、S小学校の希望をあきらめて、希望しないという場合もあります。このように、母集団(=S小学校を希望する児童)の人数が変わったり、兄姉優先するのとしないのとでは、当選する人数が変わってきますので、ケースにより、S小学校の当選確率は、50%ではなく、前後いたします。しかし、ここでは、正確に求めることが目的ではありませんので(どちらの場合が、公平かを知りたいだけ)、ここでは、一律、50%であると仮定いたしました。
★まとめ
よって、上記のように仮定した場合、S小学校に入学できる確率をまとめると、以下の表のようになります。もちろん、市区町村では、兄弟姉妹は別々の小学校でもよいと思っている家庭と、同じ小学校にしたいと思っている家庭の両方があると思いますので、多い家庭の方で、優先しない方が公平であるか、優先した方が公平であるかを決めることになります。そのため、以下の表では、「兄弟姉妹は、別々の小学校でもよい家庭の方が多い場合」と、「兄弟姉妹は、同じ小学校にしたい家庭の方が多い場合」という表記にしています。
この表より、市区町村内で、「兄弟姉妹は、別々の小学校でもよい家庭の方が多い場合」には、兄姉優先をしない方が、公平であると言えます。また、「兄弟姉妹は、同じ小学校のしたい家庭の方が多い場合」には、兄姉優先をした方が、公平であると言えます。
また、兄弟姉妹は、別々の小学校でもよい家庭の方が多い場合(左の表)に、兄姉優先をすると、兄弟姉妹がいた方が、有利になります(B君の当選確率が、75%と高いため)。
反対に、兄弟姉妹は、同じ小学校にしたい家庭の方が多い場合(右の表)に、兄姉優先をしない場合には、兄弟姉妹がいると、不利になります(B君の当選確率が、25%と低いため)。また、この場合(=兄姉優先をしない場合)、兄弟姉妹で、必ず、同じ小学校に通えるという保証はありませんので(必ず、同じ小学校に通うためには、指定校しかない)、同じ小学校に通うために、A君,B君とも、S小学校を希望しない場合(=A君,B君とも指定校にする)というのもありますので、0%という場合もあります。
また、この表にはありませんが、一人っ子の場合には、兄弟姉妹の問題はありませんので、どのようなケースであっても、常に、S小学校に入学できる確率は、50%になります。
★意味を考えてみる
上記では、数学的(論理的)に、兄姉優先した方が公平であるのか、優先しない方が公平であるのかを、考えてきました。ここで、上記で求めた数学的な意味が、何を意味するのか、もう少し、具体的に、考えてみたいと思います。
【別々の小学校でもよいと思っている場合】
まず、上記の左側の表で、兄弟姉妹のいる家庭のほとんどの家庭が、別々の小学校でもよいと思っている場合を考えてみます。この場合、1人目の子どもと2人目の子どもは、独立していて(全く、無関係)、1人目の子どもが落選しても、2人目の子どもはS小学校を希望するとします。
●兄姉優先しない場合(別々の小学校でもよい) ⇒ 公平となる。
別々の小学校でもよい場合に、兄姉優先しない場合を考えます。この場合、当然、公平となり、上記のように仮定した場合には、A君,B君とも、S小学校に通える確率は、ともに、50%になります。
●兄姉優先する場合(別々の小学校でもよい) ⇒ 2人目以降の子どもは、有利。
しかし、兄姉優先する場合においては、2人目の子どもは、1人目の子どもが当選すれば、無条件で通うことができて、更に、1人目の子どもが落選した場合であっても、2人目の子どもには、まだ、チャンスがあり、当選すれば、通うことができます。このように、兄姉優先する場合においては、兄弟姉妹がいれば、2人目以降の子どもは、有利になります。
【同じ小学校にしたいと思っている場合】
次に、右側の表で、兄弟姉妹がいる家庭のほとんどの家庭が、兄弟姉妹は同じ小学校にしたいと思っている場合を考えてみます。この場合、1人目の子どもが落選した場合、2人目の子どもは、1人目の子どもと同じ小学校に通わせるために、S小学校は希望しないとします。
●兄姉優先しない場合(同じ小学校にしたい) ⇒ 兄弟姉妹がいると、不利。
まず、兄弟姉妹を同じ小学校にしたい場合に、兄姉優先しないと、どうなるかを、考えてみたいと思います。この場合、2人目の子どもは、S小学校に入学するためには、1人目の子どもが当選して、更に、自分(=2人目の子ども)も当選するしかありません。つまり、2人目の子どもが、S小学校を希望するためには、1人目の子どもが当選しなければなりません。その上で、当選する必要があります。つまり、2人目の子どもは、かなり不利になります。更に、どうしても、兄弟姉妹で同じ小学校に通わせたい場合には、指定校にするしかありませんので、1人目の子どもも2人目の子どもも、S小学校を希望したくても、希望しないという場合がありますので、この場合には、不利になるというよりも、S小学校に、希望すらできません。
【兄姉優先しない場合(同じ小学校にしたい) には 、当選確率は、上がる】
また、この場合においての当選確率は、上記では、50%としましたが、実際には、当選確率は、もっとあがります。この50%というのは、S小学校を希望したい児童が、全員、S小学校を希望して、公平に抽選した場合の当選確率で、上記の表では、「兄弟姉妹は別々の小学校でもよいと思っている家庭が多い場合」の「兄姉優先しない」場合の当選確率になります。ここで、兄弟姉妹を、同じ小学校に通わせたいと思っている家庭では、2人目の子どもは、1人目の子どもが落選したら、S小学校を希望しませんので、この児童数分(=兄姉が落選した児童の数)だけ、希望者数が減ります。更に、どうしても、兄弟姉妹を同じ小学校に通わすために、1人目の子どもも2人目の子どもも、2人とも、S小学校を希望しないということが実際にありますので、このような児童も含めると、更に、希望者数が減ります。そのため、兄姉優先をしない場合には、定員は同じであっても、希望者数が減りますので、当選確率は、実際の当選確率(=「兄弟姉妹は別々の小学校でもよいと思っている家庭が多い場合」の「兄姉優先しない」時の当選確率)よりも、上がって、その小学校を希望した児童にとっては、当選しやくなると言えます。つまり、一人っ子には、有利ということになります。また、兄弟姉妹がいる場合であっても、1人目の子どもには、やはり、有利にはなりますが、1人目の子どもが当選しても、2人目の子どもが落選すると、兄弟姉妹で別々の小学校になってしまうというリスクを背負うことになりますので、これを考えると、やはり、一人っ子に有利であって、兄弟姉妹がいると不利であると言わざるとを得ません。
●兄姉優先する場合(同じ小学校にしたい) ⇒ 兄弟姉妹がいても、有利になることはない。
また、兄姉優先する場合も、考えてみたいと思います。この場合には、2人目の子どもは、兄姉が在籍していたら、無抽選で、通うことができますので、2人目の子どもは、有利であると思われがちです。しかし、1人目の子どもが落選した場合には、2人目の子どもは、S小学校を希望することはありません。つまり、2人目の子どもは、1人目の子どもの抽選で、小学校が決まってしまうことになります(1人目の子どもの抽選が、2人目の子どもの抽選も兼ねていることになります)。そのため、有利ということにはなりません。ただし、別々の小学校でもよいと思っている家庭の場合には、1人目の子どもが落選しても、2人目の子どもにはまだチャンスがあり、S小学校を希望することができますので、この場合には、有利ということになります。
【兄姉優先する場合(同じ小学校にしたい) 、抽選対象者が不利になるとは言えない】
それに、兄姉優先する場合に、一人っ子など、抽選対象者が、不利になるのかも考えてみたいと思います。この場合、希望者数(=応募者数)は、兄弟姉妹がいる家庭では、1人目の子どもが落選したら、2人目の子どもは希望しませんので、希望者数は、この児童数分だけ、減ることになります。また、実際の当選者数に関しても、兄姉が在籍している児童数分だけ減ることになります(兄姉が在籍している児童は、無抽選で入れるため)。つまり、当選者数も減りますが、実際に希望する児童数も減りますので、抽選対象者にとっては、一概に、不利になるとは言えません。
上記では、数学的に、求めてみました。仮定として、毎年、抽選になり、当選確率は、毎年、固定であるとしました。その結果、以下のように、市町村内で、兄弟姉妹は、別々の小学校でもよいという家庭の方が多い場合には、「兄姉優先をしない」という方が公平になります。また、兄弟姉妹は、同じ小学校にしたい家庭の方が多い場合には、「兄姉優先をする」という方が公平になります。
●兄弟姉妹は、別々の小学校でもよい家庭の方が多い場合 ⇒ 「兄姉優先をしない」という方が公平。
●兄弟姉妹は、同じ小学校にしたい家庭の方が多い場合 ⇒ 「兄姉優先をする」という方が公平。
また、ここで、一般的に考えれば、小学校の場合、兄弟姉妹は、同じ小学校にしたいと思っている家庭の方が多いと思われますので、以下のように、小学校では、「兄姉優先をする」という方が、公平であると思われます。中学の場合には、兄弟姉妹では、別々の中学でもよいと思っている家庭が多いのでないかと思われますので(*1)、以下のように、「兄姉優先をしない」という方が、公平であると思われます。しかし、この前提が反対になると、結果も逆になります。
●小学校の場合 ⇒ 「兄姉優先をする」という方が公平。
●中学校の場合 ⇒ 「兄姉優先をしない」という方が公平。
(ただし、前提が反対になると、結果も、逆になります)
*1:一般的に考えて、中学の場合、兄弟姉妹では、別々の中学でもよいと思っている家庭が多いとしましたが、ネットで公開されている他の市町村などのアンケートでは、中学の場合でも、兄弟姉妹は、同じ中学校にしたいと思っている家庭もかなりありそうです。例えば、以下のソースで示した区では、小学校・中学校とも、学区域外を選んだ理由として、1位が、「兄姉が通学しているため」となっています。そのため、中学でも、同じ中学校にしたいとする家庭の方が多い場合には、中学でも、「兄姉優先をする」とした方が、公平となります。
ソース ttp://kaigi.edublog.jp/E9B00517/ (先頭に、hを付けてください)
また、結論として、小学校では兄姉優先をして、中学校では兄姉優先をしない方が公平であるとしましたが、実際に、そのような市区町村はあるのか、調べてみました。その結果、ありました。東京都では、江戸川区が、そのようになっています(*2)。ただし、中学で、兄姉優先をしないために、兄弟姉妹で別々の中学になってしまったとしても、指定校変更願いで、兄弟姉妹は、同じ中学にしてもらえるということのようです(*2)。また、おそらく、そうしているのは、数学的に求めたのではなく、中学では、優先しないで、小学校では、優先した方がよいという判断で、そうしているのだと思います。
*2:平成20年1月時点での調査結果です。その後、規則が変更されている可能性もありますので、ご了承ください。
ここでは、毎年、抽選になり、当選確率は、毎年、固定であるとしましたが、学校によっては、年度により、定員が変化して、定員が多い年度のときは、抽選にならず、定員が少ない年度のときに、抽選になるような学校もあります。このような学校では、結果が変わってくる可能性もありますので、ご了承ください。
2009年1月20日