ASTRO CALENDAR 2008 April●空のカレンダー2008年 4月の空 |
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水星の外合は年に3〜4回起こるが、ありふれた現象で別段注目する人もない。というより、注目しようが無い。ところが、最近ではSOHOのコロナグラフ(LASCO_C2/ LASCO_C3)が常時太陽を監視しており、外合時などは水星の姿が飛び込んでくる。今回の外合において水星の光度は-2.2等。木星が合になった時よりも明るい。そのため、イメージとしてはけっこう目立っている。この画像は4月15日から4月16日にかけて、水星が太陽に近づく様子を6時間おきにとらえたもの。
※ タイムスタンプは世界時。日本時間はこの値に9時間を加える。 Image Credit (c)= NASA
晴天の春宵では、夜桜越しに空高く上った北斗七星(左)をしばしば目にする。柄杓の形をした7つの星たちは小学校でも必ず習うため、知名度もナンバーワンである。とりわけ、柄の先から2番目にあたるζ星(おおぐま座ゼータ)はミザールと呼ばれ、肉眼二重星として有名だ(右)。その昔、アラビアでは視力検査に使われた、という逸話は誰しも聞いたことがあるだろう。二つの星を見分けるのはそう難しいことではない。
ただ、不思議なのはお伴の星、アルコアが昔の天文書ではみな「5等星」と記されていることである。5等級だと、空が明るい所では見えなくなる。でも、アルコアはそんな場所でも比較的たやすく見える。どうも5等星よりは明るい気がする。子どものころから「なんか、ヘンだなあ・・」と思い続けてきたものだ。
その後、アルコアの光度が3.4等と書いてある本を目にした。一気に5倍近く明るくなった勘定だ。最新のデータでは3.8〜4.0等を採用していることが多い。光度が改訂された理由は未だに分らない。
この両者はともに78光年の彼方にあり、複雑な連星系をなしているという。アルコアの光度が変わったことといい、結構ナゾめいている天体だ。
※おおぐま座ζ星はこのミザールを指し、アルコアはおおぐま座80番星と呼ばれることが通例。ミザールを望遠鏡で見ると、さらにミザールA、ミザールBという2つの星に分れて見える。そればかりではなく、ミザールA、ミザールBの両者はそれぞれ2つの星が回りあう、複雑なシステムを形作っている。また、ミザールとアルコアの距離は0.3光年以内にあるという。アルコア星人がミザールを眺めると、一番明るい星は-10等級にも及び、半月〜満月の明るさにも匹敵する。
4月半ばの北陸山間地は桜が咲き乱れている。今年に限って言えば菜の花やコブシまでが同時に開花しており、椿もまだ花をつけている。冬から一転華やかな春の訪れだが、地上の風景とは異なり夜空の方はとたんにショボくなる。天の川も地平線低く姿を消し、きらめく一等星の数もガクンと減ってしまう。
ところが、マニアにとって春はディープ・スカイに息をひそめる銀河を狙うチャンスだという。冬眠から目覚めるがごとく、活動を始める天文ファンも多いとか。前回の北斗七星の周辺もこの通り多くの銀河が散らばっている。子持ち銀河として有名なM51などは、つい一度はカメラを向けてしまう。昔、銀塩ではかなり苦労した被写体だが、デジカメとなると空の状態が悪くても割とカンタンに写っていた。
※右画像は山中児童センターの13cm反射望遠鏡+Nikon D40 120秒x4枚の画像を合成。フレーム外になるが、上チャートの近くには有名なM81,M82もある。
現在、この問題に積極的に取り組んでいるのが、ブライアン・メイという天文学者だ。え? 聞いたことがあるって。そう、もとQueenのギタリストである。彼はもともとロンドンのインペリアル・カレッジで宇宙工学を学んだが、学業の方は多忙なアーティスト活動のため一時中止。昨年から、「本職」の天文学に戻り、博士論文を提出したとのことだ。そのテーマが「黄道光の塵雲」だ。ちなみに、彼はビッグバンに関する著書も発表している。
※画像は APODより
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