ASTRO CALENDAR 2008 May●空のカレンダー2008年 5月の空 |
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春から初夏にかけての東方最大離角は、年間を通して夕暮れの水星を見る最大のチャンスだ。6〜7日にかけては月が水星のそばを通り過ぎ、いいアクセントになる。ただ、月と水星が最も接近するときは皮肉にも7日の早朝である。5月14日、東方最大離角時における水星の光度は+0.4等。近くのアルデバランとほぼ同じ。この写真を撮った6日は-0.4等と2倍ほど明るかった。水星は形も光度もめまぐるしく変化する。
ところが、先日の5月6は日強風と雨上がりの透明度のよい夕暮れになった。この画像は月齢0.9で、朔(新月)から24時間以内の月だ。水星がさらに上空に見えているくらいで、ふつうでは考えられない構図だ。
普通なら地平線近くに月やってくると、モヤや雲で消えてしまうが、このときは別。古いf200mmF4のニッコールレンズを使ってみたところ、プレアデスの星々まで写っていた。
三ツ矢の中心に位置するγ星は39光年に位置する有名な二重星で、互いに回りあう実視連星でもある。西側に位置するβ星も36光年と比較的似通った距離にある。面白いことにこの両者は互いにη星の方向に向って接近中で、3万年後には10分角まで近づく。このときはη星も加わり、興味深い眺めとなるだろう。
γ、βの両星はみかけだけではなく、実際ニアミスをする。多少の誤差はあるものの、最新のデータから導くと、西暦35400年での両者の距離はなんと0.2光年。もし、β星人が夜空を見上げると、-8等級のまばゆい輝星が2つ並んで見えるはずだ。双方あわせると金星の100倍、半月にも匹敵しようかという明るさである。これはおとめ座β星人ならずとも、一度見てみたいな。
アークトゥルスは昔からの天文少年、あるいは星ヲタクには馴染みが深い。巨星の代表格として古くから研究されていたようで、「恒星の大きさ比べ」の図では、カペラと並び必ず登場する常連さんだった。私が目にした頃の天文書では「直径は太陽の36倍」とのふれこみだったが、近年では24倍に修正されている。40年の間に2/3にシェイプアップされてしまった。
アルクトゥルスは固有運動が大きいことでも有名だ。恒星は天球に貼り付いたまま、ほとんど動かないことになっているが、アークトゥルスは1年間で2.3"南南西に移動している。この値は満月の1/800で微々たるような気もするが、言い換えれば800年経つと天球上で満月分位置がずれることのなる。
この調子で旅を続けると、60000年後にはスピカに5°前後まで接近する。私たちの子孫にとって、間違いなく全天最大の見ものだろう。
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