● 2004/5/28 金星の日面通過へカウントダウン
金星の太陽面通過まで、10日たらず。金星はぐんぐん太陽に近づき5月25日には日没後、薄明の残るまま山の稜線に姿を消します。2日前撮った金星のイメージは御覧の通り。三日月のようにやせ細っています。左写真は 銀塩カメラによる作例。f200mm F4 の望遠レンズにFuji PROVIA400を用い、1/8露出。これをデジカメで複写。右の写真は口径65mmの望遠鏡にデジカメで撮った5枚の画像を合成。金星は明るいので、比較的撮りやすい対象です。
● 2004/6/8 「もしもし、気象庁お天気相談所ですか?」
「はい、どういったご用件ですか?」
「昨日梅雨入りになった、とニュースで聞きましたが、何とかなりませんか」
「はあ?」
「今から1時間後、金星が130年ぶりで太陽面を通過するという稀有な天文現象がおこるのですが」
「それが何か?」
「ですから、こんな雨じゃ見られません。そこでモノは相談ですが、全国1億天文ファンのために、梅雨入り宣言を撤回するか、梅雨明け宣言をするか。どちらもダメなら少しの間だけ、空を晴れにしてください」
「ああ、そういうことでしたら、いい考えがあります。お住まいの近くに○○病院がございますね。そこの精神科で診てもらって下さい。一刻も早い方がいいです。分りましたね。ガチャ」
「もしもし、もしもし、もーしもーしっ!」
ツーッ ツーッ ツーッ ・・・
という訳です。ダメでした。最悪です。山中で2時間近く待機しましたが、お話になりません。午後4時には微かな望みをかけ、海岸へ移動しましたが、雨脚はひどくなる一方。いえ、雨でもいいのです。こうなったら、雲間から薄日が差し、おてんと様さえ拝めりゃ、雨でも雪でもアラシでも竜巻でも、OK。「キツネの嫁入り」っていう手もありますから。キツネこのコンちゃん。今から「できちゃったコン」でもおっぱじめてくれええ・・ああ、アタマが壊れていく。ぜーんぜんダメ。すごすご帰宅の途へ。腹立たしいことに、山中では日没後に雲が切れ、一瞬夕焼けが。(3) なんでこんな時になって! 怒、怒、怒、怒、・・ 通りすがりの方。夕焼けに向かって「バカヤロウ」と叫んでいる変なおじさんを目撃したら、それは私です。でも、決して青春していた訳ではありません。●月食 ●ニート彗星 ●リニア彗星 ●今回の金星食 これで連敗記録は4に。
● 2004/6/9 あれ、見えないはずの金星が太陽面に・・・
翌9日はうって変わっての好天。雲間からまぶしい太陽が顔を覗かせます。すごすごと機材を片付ける前に、ちょいと望遠鏡で太陽を覗いて見ることに。「な、なんと! これはどうしたことだ!!」 太陽の表面に黒いシミが! 一体どういうことだ。私は呆然となりました。軌道計算をした天文学者が日付を間違ったのか。いや、気の毒に思った金星が引き返してきたのか・・ そんなはずはありませんね。もう一度接眼レンズを覗くと、黒点もないのっぺらぼうの白い円盤が見えるだけでした。(画像はCGです。太陽だけは6月9日の本物画像。オンライン・アルバムに当日のくわしいレポートがあります。画像をクリックしてください。)
● 意外だった太陽面潜入時の光景
その後、各地から画像が集まってきました。ところで、多くの画像を見て、「あらっ?」と感じたことがあります。水星の日面通過とは異なり、太陽面に金星がすべりこんでいく際、黒いディスクの外周がリング状に輝いたり(1)、影がつながったり(2)興味深い模様が観察される、と言われてきました。これは金星の大気によるものとされ、130年前の観測でも報告されています。しかしながら、今回、そのような映像はありませんでした。実際は(3)のように、金星の輪郭はシャープです。眼視の結果はどうだったのでしょうか? ちょっと意外な結果です。(画像はCG)
といっても残念ながら、東京本土の話ではありません。皆既日食が起こるのは小笠原諸島、硫黄島でのこと。このあたりは1988年も皆既食が起こったばかり。なかなかいいとこだなあ。このとき皆既帯は北は屋久島、南は奄美大島の区域を通っていきます。1963年の北海道以来、もっとも期待される皆既日食です。先が長すぎるという人には、前景気に来る10月14日の部分日食をお忘れなく。写真は前回、2003年6月11日早朝に見られた日食。途中まで雨模様だったが、まもなく雲が切れて欠けた太陽が観察できました。
● 日食観察の際、望遠鏡、双眼鏡等で太陽を直視してはいけません。失明の危険性があります。
● 10月14日の日食
2002年6月11日より2年ぶりの日食です。この部分日食はおおざっぱに言って、北(東)にいくほど大きく欠けます。5月5日の月食とは逆のような感じになります。石川県における欠け具合は約20%あまりですが、北海道では40%。逆に長崎ではわずか0.7%。よく気をつけていないと見逃してしまうでしょう。鹿児島県の一部や沖縄県では、太陽は欠けません。石川県において欠け始めるのは10時44分。11時36分には最大で図のような状況に。食が終わるのが12時25分のことです。
次回の日食は2007年3月19日。しかし、欠け具合はほんのわずかで10%以内がほとんど。石川県では欠けるというより、月が太陽のヘリをかすめるていどだ。
● 山中と各地での日食の見え方
上右図は日本各地での日食の見え方を示しています。いずれも一番大きく欠ける時の太陽の様子。時刻は日本全国ほぼ11時30分〜40分の間です。北から南(東から西)へ下がるほど、欠け具合は軽微になり、斜線部分を境界に日食は見られなくなります。(白く抜かれている区域)。右は道明からあやとりはしを眺めたとき(といっても地元以外の人にはよく分からないでしょうが)の日食シミュレーション図です。
● 辛うじて7連敗は免れる 10月14日の日食
天文現象観察では、このところ破竹の6連敗中。今年に入ってから絶不調でした。日食当日も雨がぱらついています。食の始まる頃、山中上空は雲に覆われていますが、加賀市方面を眺めると晴れ間が。しかし、こんなことで動じ、晴間をめがけて移動すると、空の神様の思うツボです。雲がちゃんと追いかけてくるのです。
じっと待つこと1時間。わずかに雲が切れ始めます。ピークを少し過ぎたばかりの11時43分。欠けた太陽が姿を見せました。写真はそのときのもの。5cm10倍の双眼鏡にND400のフィルタを装着。私のケータイカメラによる、日食のファーストライトです。画像クリックでアルバムにジャンプします。
● 2004年大晦日から元旦にかけての空
空のカレンダー旧版では、「大晦日から元旦にかけての空」というコーナーがありました。気ぜわしい一年。このときぐらいは初日の出に目を向ける人も多かろう。せっかくの機会だから、夜空にも目を向けて・・という願いからです。多くの天文トピックスに湧いた2004年を締めくくるにふさわしく、年末年始にかけては天界もおおにぎわいです。
年末年始の夜空では、珍客のマクホルツ彗星がおうし座の一角で挨拶回りをしている格好です。大晦日から元旦にかけてはアルデバラン率いるアデス星団の南10°あまり、おうしの足もとν(ニュー)星のすぐそばにいます。このころには光度も3等級近くに達しているかもしれなません。肉眼でも充分見ることができる明るさですが、太い月があって興醒めですね。彗星を見るには正月気分のぬけた、5日以降がお勧め。除夜の鐘が鳴り始めるころ、月は空高く上り、初詣客の足元を照らしてくれるでしょう。華やかな冬の星座の中で、クリーム色の土星はカッシーニ探査機の訪問でこの冬の主役格。先週の12月24日、ホイヘンスが切り離されました。タイタンへの到着予定はあくる2005年1月14日です。
年頭の祝詞が交わされるころ、東の地平線からはおとめ座とともに木星が上ってきます。かたわらにいるスピカにくらべ木星の明るさは20倍近く。それでも純白の一等星、スピカは春の訪れを感じさせる、優しい輝きに見えるでしょう。
初日の出に先立ち、金星が明けの明星として新春の光を投げます。このときよく注意すると、金星のすぐ上にポツリと星が見えます。これがほどよく太陽から離れている水星です。両者の間隔は1°あまり。月のおよそ2倍程度です。このシーズンに水星と金星がこれほど近づいて見えるのはめったにありません。水星を見たことのない人には、絶好のお年玉となるでしょう。太陽に近い両天体はすぐに薄明の光に姿を消し、まもなく2005年最初の日の出が訪れます。