ASTRO CALENDAR GLOSSARY

●ことばの解説


● 惑星と恒星

 太陽の周囲をまわっている地球とその兄弟にあたる天体の総称。いちばん内側から水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星、冥王星の9つの惑星とその他の小惑星がある。これらの天体は星座の星々を背景に行ったり来たりするように見える。そこで、惑う星という意味で惑星と名づけられた。惑星自身は自ら光り輝くことができず、私たちの目に届くのは太陽光線の反射によるものだ。

 これに対し、太陽のように自分で燃えて輝く星は恒星とよばれる。北極星や北斗7星、こと座やオリオン座など星座を形作る星たち、天の川・・など夜空を飾る星の大部分は恒星である。最新の観測結果から、太陽以外にも、惑星を持つ恒星が次々と見つかっている。

 また、2006年の国際天文学連合では惑星に新たな定義を設けることになり、その結果冥王星は惑星の座から転落することになった。

● 内合 ・ 外合 ・ 東方最大離角 ・ 西方最大離角

 水星と金星は地球の内側をまわる惑星なので、内惑星とよばれる。内合,外合,東方最大離角,西方最大離角は内惑星と地球、太陽の位置関係を表わすことばで、よく使われる表現としてぜひ覚えていただきたい。内合、外合はいずれも内惑星、太陽、地球が一直線になった状態で、内合の場合は太陽ー内惑星ー地球の順、外合は内惑星ー太陽ー地球の順に並ぶ。どちらも太陽の方向に惑星があることになり、地球から観察するのは適さない。  東方最大離角、西方最大離角は地球ー内惑星を結ぶ直線と、地球ー太陽を結ぶ直線の間の角度が最大になるときで、東方最大離角のさいは夕方の西空で内惑星がもっとも見やすくなり、西方最大離角のときは逆に、明方の東空で内惑星が観察しやすくなる。

● 衝 ・ 合

 火星、木星、土星などは地球の外側をまわる惑星なので外惑星とよばれる。その外惑星と地球、太陽の位置関係を衝、合を使って表わす。外惑星が地球をはさんで太陽と一直線になる位置を衝とよび、その外惑星は地球から観察しやすくなる。逆に、太陽をはさんで地球と外惑星が一直線になる現象を合という。この場合、地球からは太陽の背後に惑星があることになり、事実上観測はできなくなる。衝、合とも天体の暦ではひんぱんに用いられることばだ。(図を参照)

● ○° ○’ ○” (度 分 秒)

 天体観測のさい、星と星との間隔や月の見かけの大きさなどを表わすのに角度の単位、° ’ ” を用いる。° ’ ” はおのおの度、分、秒とよび、分秒とも時間の単位と直接関係はない。1°(度)は60'(分) 1’(分)は60”(秒) である。たとえばオリオン座の三ツ星の間隔はおよそ6゚ 太陽と満月の直径はほぼ同じで約30’ 金星のもっとも大きく見えるときの直径は約1’ 同じく木星の直径は約50” といったぐあいである。よく「三ツ星の10センチぐらい下に小三ツ星がある」と言う人がいるが、これも「5°くらい南に」と表現する習慣をつけた方がよろしい。

● 天体望遠鏡

 文字どおり天体を見るための望遠鏡。いろいろなタイプが作られているが、おおざっぱにいって、屈折式と反射式の二つに分けられる。いずれのタイプもたいていはさかさまに見えるのが特徴。これに対して地上のもの、たとえばバードウォッチングに使うような望遠鏡は地上望遠鏡とよび、見たものはそのまま正立像として見える。

 しばしば誤解されていることだが、望遠鏡の倍率は性能の面でそれほど大した意味はなく、この点注意が必要だ。倍率を上げたからといって、天体がよく見えるわけではない。星雲のように淡い天体は倍率を上げるとそれに応じて暗くなるので、ふつうはかえって見にくくなる。望遠鏡は物を大きくするのと、明るくすることの2つの働きがあるが、後者の方は意外と知られていない。星雲や銀河のように暗い天体を観察するときは、倍率を低めにおさえ、明るくする性質を利用すると見やすくなる。

● 流星と流星群

宇宙空間には無数のチリのような物があり、しばしば地球をめがけて飛びこんでくる。そのときチリは地球の大気によって高熱を発しながら燃えつきる。この現象を地上から見ると星が落ちていくように見えるので、流れ星(流星)とよんでいる。だから、流星がいくら落ちても星がなくなってしまうわけではない。まれに石ころより大きい物体が衝突すると、燃えつきないで地上に落ちてくることがある。これが隕石である。

 宇宙空間にはこのチリがたくさん集まっている場所がいくつかあり、地球がこの部分に入るとふだんより多くの流星が見える。これを流星群とよんでいる。流星群がもっとも多く見えるときを流星群の極大とよんでいる。流星群は彗星と深いつながりがあることが、最近の研究で分かってきた。2001年11月19日深夜から未明にかけ、テンペル・タットル彗星と縁の深いしし座流星群が大出現を見せ、大きな話題になった。

● 食 ・ 日食 ・ 月食 ・ 星食

 食は太陽、月、星などある特定の天体が別の天体にかくされる現象のことをいう。太陽が月にかくされることを日食、月が地球の影にかくされる現象は月食、星がかくされる場合は広く星食または掩蔽(えんぺい)とよんでいる。

 日食は金環日食、皆既日食、部分日食に分類される。太陽、月とも地球から見る見かけの大きさは約30'とほぼ同じであるため、地球との距離がほんの少しちがっただけで見え方が異なる。月が遠く太陽が近いと、その分太陽の見かけの大きさが大きくなり、月のまわりに太陽の円盤がはみだしてリングのように見える。これが金環日食である。これに対し、月が近く太陽が遠いケースは月が太陽をすっぽりおおって皆既日食となる。月が太陽の一部をかくす場合は部分日食である。

 月食の場合、地球の影は月よりずっと大きく、皆既月食になるか、一部がかくれる部分月食のどちらかになる。

 日食や星食はただ珍しい現象というだけでなく、天体の精密な位置を測ったり、太陽の大気をくわしく調べたり、と天文学の発展に果たした役割ははかりしれない。


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