私と鍬形蟲
幼少の頃より生物を観察することに興味を示す。
はじめて甲虫に興味を持ったのは四歳の頃だった。
当時、私の家族はアパートの二階に住んでいた。
二歳だった弟とベランダに干してある蒲団に乗っかって遊んでいた。
勢いあまった弟は頭から滑るように落ちていった。
しかし、彼は死ななかった。
一階の住人の物干し竿に当たったことが幸いして、頭を損傷せず、足の骨折ですんだ。
弟の入院生活が始まった。
足を石膏で覆われ、更に吊るされた状態でベッドから動けない弟がいた。
その時、彼の病室で初めてカブトムシを観た。
プラスチック製の黄緑の籠にペアでスイカにしがみついていた。
無論、興味を示したのは言うまでもない。
その後、小学生になり、近所のペットショップによく通う。
そこにはノコギリとミヤマが売っていた。
クワガタは安いノコギリの♀(当時\150だったかな?)しか買えなかった。
カブト幼虫は安いが、蛹にすらできず失敗ばかりが続いた。
街中でも取れる種類に限るが昆虫採集に明け暮れた。
図鑑などをなめるように眺めた。
その図鑑にはオオクワガタが一番大きく描かれていた。
当然、一番の憧れの虫となった。
その頃、将来の夢は昆虫博士だった。
ファーブルに憧れつつも昆虫記は字が多いので読む気がしなかった。
行動範囲(国道2号線沿い)にクワガタがいない為、一度もクワガタは採集できなかった。
野生のクワガタと出会ったのは小学三年だったと思う。
母方の田舎が長野県にあり、そこへ夏休みの間だけ弟があずけられることになった。
すっかり向こうのイントネーションでしゃべる彼がお土産でもって帰ったのがクワガタだった。
コクワとノコギリとカブトだったと思う。
近くの木で従兄弟と共に採ったそうである。
その後、成長とともに情熱を失い大人になった。
ブームの時も高価なので興味が湧かなかった。
オオクワガタを初めて生で観たのはデパートの催し物だったと思う。
夏休みの子供向けイベントだった割には外国産とか販売していて驚いた。
幼虫が安く販売していて、一瞬、購入意欲が湧いたが、カブト幼虫で失敗のトラウマのせいで我慢した。
その時、初めて菌糸を見て、今はこんなもので飼育するのかと印象に残った。
しかし、そこでクワガタにハマることはなかった。
そして、2002年5月末、なにげなくクワカブ関係のホームページを見て眠っていた採集に対する情熱が再燃する。
その翌日、情熱のままに一人でふらふらと山に侵入し、初採集で加古川市産ヒラタ♂57mmを初採取する。
外国産には手を出さないようにと心がけたも束の間、パプキン幼虫を始め、手を広げる。
2002年7月22日早朝5時半頃、初めてのスズメバチの猛襲にあい、二ヶ所刺される。
そんなこんなで現在に至る。