−声劇用台本− ---------------------------------------------------------------------------- Delete−R(デリーター) 第3話 『能力』 ---------------------------------------------------------------------------- ■登場人物 レイス=正義(まさよし)=ランスフォート゛ 男27才位 触れることで相手の記憶を削除することができる能力を持つ。 ハーフで整った顔立ち。普段は軽いノリ。記憶削除能力の デメリットを抱えながらも、贖罪を繰り返す。 木村 由佳(きむら ゆか) 女25才 元ヒプノセラピスト(催眠療法士)。しかし、レイスと出会い その能力を知ってから、レイスと共に事務所経営を始める。 論理的な思考を基本とする。しかしレイスと行動を共にする ようになってから、少し感情的な部分が増幅した。 大宮 誠真(おおみや せいしん)男32才 ケーキ屋【アンレーヴ】の店主。一人の娘を持つ父親。 真面目で包容力がある。店主目当ての女性客は多い。 北路 麻衣(きたじ まい) 女19才 記憶削除の依頼をしてきた若い女性。 ---------------------------------------------------------------------------- ■配役(2:2:0) レイス♂(L17): 由佳 ♀(L19): 誠真 ♂(L16): 麻衣 ♀(L 8): ※全キャラ性別を原作では設定しますが、劇においてその限りではありません。 ---------------------------------------------------------------------------- 麻衣N :久しぶりの依頼に胸を躍らせていた由佳だったが、 その内容が依頼範囲外だったために、依頼者である 北路 麻衣の記憶を消すことにした。 その事に肩を落としている由佳と店主が話をしている。 誠真 :「Delete−R(デリーター) 第3話 『能力』 」 由佳 :「場所の提供と仲介については、必ずお支払しますので・・・。」 誠真 :「いえいえ、支払いなんて本当にいりませんよ。」 由佳 :「いつもそうおっしゃいますが、そういう訳にはいきません。」 レイス :「由佳さん。マスターが要らないって言ってんだからー。 払わなくても、いいんじゃない?」 由佳 :「そういう訳にはいきません!」 レイス :「うぁ・・・。」 由佳 :「それに・・・! 名前呼ばないで下さい!」 レイス :「・・・木村さーん。」 由佳 :「そっちはもっと嫌です!!」 誠真N :木村 由佳さん。彼女は、いつからか彼の助手として頑張っている。 もちろん彼のチカラを知ってから、今まで一緒にやってきたようだ。 彼女は、普段から冷静で、論理的で、しっかり者だが・・・ なかなか面白い子だ。 誠真 :「お客様。ご注文の方はお決まりになりましたか?」 麻衣 :「・・・あ。」 誠真N :由佳さんのどこが面白いのかと言うと・・・。 まずはさっきの会話を聞いての通り、自分の名前が嫌いなようです。 本人いわく、平凡でつまらない名前だと言っていました。 私は良い名前だと言ったのですが、絶対に譲れないらしいです。 いつか、自分の名前を好きになる時が来るといいんですけどね。 麻衣 :「あの・・・。」 誠真 :「はい?」 麻衣 :「私、まだ注文してませんでしたっけ?」 誠真 :「ええ、まだ伺っておりません。」 麻衣 :「そうですか。・・・ごめんなさい。なんか・・・。」 誠真N :そう。彼、レイスは人の記憶を消すことが出来る。 どうやってやるのかと、何度か聞いたことはあるのですが・・・。 なかなか教えてはくれませんでした。 麻衣 :「じゃあ、チーズケーキお願いします。」 誠真 :「かしこまりました。よろしければ、ケーキと一緒に何かお飲みになりますか?」 麻衣 :「あ。紅茶お願いします。」 誠真N :記憶の消し方を聞いたところで、私に出来るわけは無いですが・・・ やっぱり、気になりますよね? でも。ある時、一度だけお酒に酔って教えてくれたことがありました。 私も知るまでに時間が掛かりましたぁ・・・。 ということで、もうしばらくこのことは内緒にしておきましょう。 レイス :「わかったよー。マロンちゃん。」 由佳 :「最初からそう呼べば、痛い思いをしなくて済んだんです。」 レイス :「頼むから、オレの電源は消さないでくれよ?」 由佳 :「主様って電動だったんですか? それは知りませんでした。」 レイス :「華麗にスルーしてるな・・・。」 由佳 :「そんなことはありませんよ。是非、リモコンがあれば欲しいと思っていた所です。」 レイス :「お前、オレで何をしようと企んでいるんだ?」 由佳 :「仕事ですよ。それ以外に何が考えられるんですか?」 レイス :「・・・ま、そうだな。」 レイスN:由佳は面白いんだけど・・・スイッチの切り替えが早くて時々戸惑うんだよね。 マロンってのは、由佳のあだ名? まぁ本人は、コードネームとか言っていたけど・・・。 そう言った事を時々大真面目な顔をして言うから、これまた面白いんだけどさ。 由佳 :「財政難だというのに、こんな所でケーキを食べているのは気が引けます。」 レイス :「こんな所・・・って。それはヒドイんじゃないか?」 由佳 :「はっ!・・・言葉遣いを間違えました。」 レイス :「マスターには聞こえちゃったみたいだけどなぁー。」 由佳 :「え!? ご、ごめんなさい、誠真さん!」 誠真 :「ははは!いいですよ。」 由佳 :「いえ、そんな・・・そういうつもりじゃなくてですね・・・。」 レイス :「お世話になってるのに、ヒドイなー!マロンちゃーん!」 由佳N :誠真さんは、私が主様と出会う前からお知り合いだったようで、 いつも爽やかな笑顔で迎えてくれて、包容力のあるケーキ屋のご主人。 誠真さんの作るケーキは本当に美味しくて、僭越ながら甘党グルメと自負する 私を黙らせた偉大なるケーキ職人なのです。 誠真 :「こちらこそ、マロンちゃんにはお世話になってますからね。」 レイス :「えー? たまたまでしょー?」 由佳 :「・・・主様。それは聞き捨てなりませんですわ。」 誠真 :「マロンちゃんのお墨付きをもらった試作品は、必ず売れますからね。」 由佳 :「いぇー・・・偶然です。」 レイス :「ほーら。たまたまじゃねーか。」 誠真 :「レイス。マロンちゃんは謙遜して言ってるんだよ。」 由佳 :「まったく・・・記憶は読めるのに、人の心は読め・・・。」 レイス :「ふふん。」 由佳 :「・・・あ。申し訳ありません・・・。」 レイス :「ったく、気にしすぎだ。真面目なんだからよぉ。」 誠真N :由佳さんのあんな表情を見たのは初めてでした・・・。 それだけに、今の言葉が彼にとってどれだけ関わり深いことなのか 事情を知らない私にも察することができた。 そして・・・由佳さんが、私よりも彼の事を知っているという事に 気付かされるには十分でした。 麻衣 :「お会計お願いします。」 誠真 :「はい。ありがとうございます。」 レイスN:依頼者の女の子は、一瞬こっちを見たが気に止める風でもなく そのまま会計を済ませて店を出て行った。 こうやって、小さな・・・と言ってはなんだが。 彼氏がどうの、彼女がどうの。 妻に浮気がばれたから消してくれだとか。 知らない男と寝た事実を消し去りたいだとか・・・。 本当に困ったような依頼人ばかりがやってくる。 由佳N :自業自得という依頼もあれば、確かに被害者として苦しんでいる依頼人も来ます。 しかし、その全てを請け負うことは出来ないんです。 あくまで私どもの判断ですが、お受けできない仕事の話だった場合は、 主様が本件に関わる記憶を消し、そのまま帰らせることにしているのです。 もちろん私どもの存在が分かっていたら、またやってくるでしょう。 ですから、可能な限りその部分も主様が消して下さっているのです。 ---------------------------------------------------------------------------- <第4話へつづく>