−声劇用台本− ---------------------------------------------------------------------------- Delete−R(デリーター) 第4話 『コードブレイク』 ---------------------------------------------------------------------------- ■登場人物 レイス=正義(まさよし)=ランスフォート゛ 男27才位 触れることで相手の記憶を削除することができる能力を持つ。 ハーフで整った顔立ち。普段は軽いノリ。記憶削除能力の デメリットを抱えながらも、贖罪を繰り返す。 木村 由佳(きむら ゆか) 女25才 元ヒプノセラピスト(催眠療法士)。しかし、レイスと出会い その能力を知ってから、レイスと共に事務所経営を始める。 論理的な思考を基本とする。しかしレイスと行動を共にする ようになってから、少し感情的な部分が増幅した。 大宮 誠真(おおみや せいしん)男32才 ケーキ屋【アンレーヴ】の店主。一人の娘を持つ父親。 真面目で包容力がある。店主目当ての女性客は多い。 姉崎 奈緒(あねさき なお) 女21才 記憶削除の依頼人。 心を患った母と生活しており、過去に妹を亡くしている。 一部記憶の欠落が見られ、それはレイスが関与している。 ---------------------------------------------------------------------------- ■配役(2:2:1) レイス♂(L25): 由佳 ♀(L21): 誠真 ♂(L13): 姉崎 ♀(L12): N 両(L 6): ※全キャラ性別を原作では設定しますが、劇においてその限りではありません。 ---------------------------------------------------------------------------- N :いつからか仕事の仲介と面談所として利用されている店。 そこは、かつてレイスに心を救われた男性。 大宮 誠真(おおみや せいしん)が経営するケーキ屋だった。 その店内で由佳とレイスが痴話喧嘩を繰り広げていた・・・。 レイス :「いくら世話になってるからって・・・4個も食べるかぁ?」 由佳 :「3個です!」 レイス :「かわんねーだろ。」 由佳 :「大違いです!いいですか!? ケーキ1個における生理的熱量は、およそ300〜400kcal。 その種類によっても違いますから、350kcalと仮定します。 この350kcalは一日の摂取すべきカロリーから考えますと・・・・・・」 姉崎N :「Delete−R(デリーター) 第4話 『コードブレイク』」 レイス :「はい、はい・・・。だとしても、既に1000kcalは ケーキ食べちゃってるわけだよね。」 由佳 :「っ!」 レイス :「あれ?固まっちゃった?なんか・・・余計なこと言っちゃったかな。」 由佳 :「・・・え、えと。いいじゃないですか! 自分のお小遣いで食べているんですから!」 レイス :「わ! わかったよ。わかったから・・・俺が悪かったって! ・・・なんでか分からないけど・・・。」 誠真N :「この二人の仕事は、人の記憶を消してあげること。 以前は、何でも屋のように大々的に宣伝していたようです。 どうやら仕事の請け負い方を修正したようで、 それからは、無闇に依頼人がこの店にやってくることは無くなりました。」 レイスN:「大々的に宣伝した名残が、ネットやら口コミで生き残っているようだ。 それらは、オレ達が意図して残しているものじゃない。 都市伝説的に、あちこちで語られているみたいなんだよね。」 由佳N :「記憶を消すという信じがたい・・・眉唾物と言われても仕方ない。 そのような物にさえすがり、助けて欲しいという追い詰められた 人だけが依頼人としてやってくる。」 レイスN:「・・・はず、なんだが。 その割には、さっきみたいな依頼人も居たりするわけで。」 --------------------------------------------------------------------------- レイス :「さーて。帰ってゲームのやり直しでもしますかねー。」 由佳 :「またゲームですか・・・他にすること無いんですか?」 レイス :「だって、仕事が無いじゃん?」 由佳 :「んー・・・。それはそうですけど。 どうすればお客様が増えるか考えたりですね・・・。」 レイス :「今日みたいなのがまた増えるぜ? オレは勘弁だよ・・・。」 (扉が開く:カランカラン・・・) 誠真 :「いらっしゃいませ。」 姉崎 :「あの・・・。【アンレヴェ】・・・だと思うんですけど。 そのケーキ屋さんって、ここでしょうか?」 誠真 :「おそらく、お探しの店はここだと思いますよ? ちょっと待ってくださいね・・・。」 姉崎 :「そうですか・・・よかった。」 誠真 :「失礼ですが、店の名前はこちらで合っていますか?」 N :どうやら店の場所をはっきりと知らないような女性が入店してきたようだ。 店の名前まで曖昧で、どうやってここまでやってきたのだろうか。 少し緊張している女性に、誠真は優しく微笑んで店のロゴを手に 取って見せた。 誠真 :「フランス語で【Un reve(アンレーヴ)】と読みます。 姉崎 :「フランス語だったんですか。変な読み方しちゃった・・・。」 誠真 :「馴染み無い店名で、ご迷惑をお掛けて申し訳ありません。」 姉崎 :「あ!いえ、読めない私が悪いんです!」 誠真 :「では。今日、貴女は一つのフランス語と出会い、 そして、その【Un reve(アンレーヴ)】は、 貴女と出会えたということになりますね。」 レイス :「マスター、上手いこと言うなぁ。」 由佳 :「主様とは大違いですね。」 レイス :「ふん。だからこんなに女性客が多いんだろうな。」 由佳 :「女性客にこだわっている点で、主様から不純な臭いが漂ってきていますよ。」 レイス :「くんくん。」 姉崎 :「・・・もしかして、【運命】っていう意味だったり・・・。」 誠真 :「期待に沿えず・・・この言葉は、【夢】という意味を表してまして。」 姉崎 :「・・・ですよね。えへ。」 レイス :「あーあ。女の子照れちゃって可愛いねぇ。」 由佳 :「そろそろ、事務所に帰りますよ。」 レイス :「なんだよー。オレを急かすような言い方してぇ。」 由佳 :「な、なんですか?」 レイス :「いままでケーキ食ってたのは、誰だ。」 由佳 :「そ、そんなこと言われても・・・。 誠真さんがいろいろして下さってるのに、 なにもお返し出来ないのも悪いと思いまして・・・。」 レイス :「だから、ニヤニヤしながらケーキを食べていました。と。」 由佳 :「そんな言い方しなくても良いじゃないですか!」 誠真M :「ふふふ。また始まりましたか。」 姉崎 :「それで・・・【Emma(エマ)】をお願いしたいんですけど?」 由佳 :「!」 N :その言葉に一番反応が良かったのは由佳だった。 甘党グルメと自負し、スゥィーツ界における 安打製造機という異名を思いつく程の女。 もちろんその異名は未だ存在してはいない。 彼女のコードネームの一つとして登録されたようではある。 誠真 :「その様なケーキは扱っていませんが?」 レイス :「・・・・・・。」 N :誠真はもちろんのこと、レイスも【Emma(エマ)】という言葉に反応していた。 さっきまで痴話喧嘩をしていた二人はすっかり静かになっている。 姉崎 :「・・・・・・で、では【マロン】をお願いします。」 由佳M :「来ました。」 レイスM:「勇者達よ・・・もうしばらく眠っていてくれぇ。」 誠真 :「確認致しますので、お席の方でお待ち下さい。」 姉崎 :「・・・ぁ。」 姉崎M :「もしかして、合ってたの?本当に・・・有ったんだ。」 誠真 :「さぁ、こちらです。」 姉崎 :「は、はい!」 N :この女性は、依頼人だったのだ。 由佳が一番に反応した言葉。【Emma(エマ)】。 これはある言葉を文字って作ったコードキーだ。 依頼人としての選別を行うために作ったもので、発案は3人でやったが 具体的なキーワードは、すべて由佳が決めた。 レイス :「さ・て・と。いつもの席の方へ案内されてましたが・・・。」 由佳 :「本日、二人目の依頼人です。こんな日は最近ありませんでしたからね。」 N :第一のコードキー、【Emma(エマ)】。 【effacez ma memoire.(エファセ・マ・メモワール)】 『私の記憶を消してください』を文字ったものである。 次に第二のコードキーは、【マロン】だ。 この店にマロンケーキは無い。従って、第一コードを通過した時点で マロンが出てくれば、間違い無いということだ。 レイス :「目がゴールドマークになってるぞ。」 由佳 :「それを言うなら¥マークじゃないですか?」 レイス :「ぁ。そっか。ゴールドはゲームの通貨だったな。」 由佳 :「・・・んもう。そんなにゲームがしたいんですか?」 誠真 :「レイス。マロンちゃん。」 レイス :「ういっす。」 由佳 :「ありがとうございます。」 レイス :「さて、行きますか!」 由佳 :「どうか契約までいきますように。」 レイス :「・・・必死だな。」 由佳 :「・・・・・・どうして人事(ひとごと)なんですか!」 --------------------------------------------------------------------------- <第5話へつづく>