声劇用台本 
======================================================================
■タイトル

  キャラクター

======================================================================
■ジャンル

  コミカル

======================================================================
■設定

 なんとはない日常会話
 キャラ属性を発掘しようと意気込む普通男子トリオ

======================================================================
■登場人物
 
 佐藤 伸 [さとう しん ](♂):ランキング2位。普通。言回しがウザい。
 鈴木 尚士[すずき なおし](♂):ランキング1位。普通。
 田中 良夫[たなか よしお](♂):ランキング3位。普通。
 後藤 里沙[ごとう りさ ](♀):ランキング30位オーバー。クールで低調。
 加賀 千代[かが  ちよ ](♀):ランキング1千オーバー。甘い明るい系。 

 ※ランキングとは、全国苗字ランキングのこと。
 ※ランキングについては、事実に基づいた物語用の順位であり、
  年度によって変化することがあります。御了承ください。
======================================================================
■配役(3:2:0)
 
 佐藤(♂)[L33]:
 鈴木(♂)[L32]:
 田中(♂)[L31]:
 後藤(♀)[L20]:
 加賀(♀)[L25]:

  ※L**:セリフ数
======================================================================
■台本

<ファストフード店内>

 佐藤:「ほら、俺って”攻めるタイプ”じゃん?」

 鈴木:「知らないけど。」

 佐藤:「知らないのかよ? 授業中に・・・ほら、見ろ! 
     これだけの漫画をノート1ページ分描き上げたんだぜ? どーよ?」

 鈴木:「・・・漫画描くのが、攻めてるってことなのか?」

 佐藤:「ちげーよ! いいかぁ? 授業中に先生に怪しまれずに漫画を書き上げるという・・・
     この攻撃的な姿勢! まさに、”攻めるタイプ”!」
     

 鈴木:「それが攻撃タイプであることが俺には理解できないんだが。」

 佐藤:「くぁー・・・理解力の無い奴だなぁ。」
 
 鈴木:「先生の目を盗んでコソコソとやってんだから・・・
     ”コソコソキャラ”じゃないか?」

 佐藤:「なんだとー!? しかも何だ、そのヒネリも何も無いネーミングは!
     じゃあ、お前にとってどんなのが”攻めるタイプ”なんだよ!?」

 鈴木:「んー。」
 
 田中:「よう。鈴木、佐藤。」

 佐藤:「む。ランキング3位め。生意気に遅刻とは、生意気だ。」

 田中:「何で2回言った。」

 鈴木:「生意気だ。」

 田中:「3回目!」

 鈴木:「まぁいい。不毛な争いは止めようじゃないか、ランキング2位。」

 佐藤:「うるさいなー! この、ランキング1位が!!」

 田中:「だからー。止めなって!」

 加賀:「あっれぇ〜? こんなとこで何やってんの〜?」

 田中:「か、加賀。」

 佐藤:「お前こそ何でこんなとこに居るんだよ?」

 鈴木:「このランキング1,000オーバーめ!」

 加賀:「出た。また訳の分かんないこと言ってぇ。」

  (彼等の隣のテーブルに座る加賀)

 田中:「ランキングだよ。苗字の全国ランキング!」

 加賀:「あー、ありふれた苗字とか分かるやつ?」

 鈴木:「お前、今ので全世界の鈴木を敵に回したぞ!」

 佐藤:「佐藤も!」

 田中:「田中も!」
  
 加賀:「別によくある苗字だからって、別に何も問題ないじゃん。」

 田中:「お前は分かってない!」

 佐藤:「いいか? 俺等の一族は、その仲間内で起きる差別化が無駄に残酷なことになるんだ!」

 加賀:「はい? もっと分かりやすく言ってくんない〜?」

 鈴木:「加賀には経験ないだろうけど。俺たちのように、数多く存在する苗字の場合
     同じ苗字の人間と近しい世界において同時に存在する確立が高い!」

 加賀:「だから、分かりにくいってば。」

 後藤:「分かりやすく言えば、同じクラスに同じ苗字の人が二人以上居るというケースでしょ?」

 佐藤:「うおっ! 気配を消して現れるなよ後藤・・・。加賀と一緒に来てたのか。」

 田中:「後藤・・・。ランキング30位オーバーか。どちらかと言えば、俺達に近いな。」

 後藤:「汚らわしい・・・貴方達と何が近いと? 気分が悪いわ。」

 加賀:「それで〜? 同じ苗字が二人以上居たらなんだってゆーの?」

 田中:「そうだった、話を戻すと・・・だ。つまり、二人の鈴木が存在している場合があるとする。」

 鈴木:「ちょ! なんで俺なんだよ!」

 田中:「んもう、大人しくしてろよ。」

 佐藤:「例え話なんだから、そんな興奮するなって。」

 鈴木:「・・・ちっ。佐藤か田中でやればいいじゃねーかよ・・・。」

 田中:「・・・でだ。二人の鈴木が存在している時、その二人を区別するために情報が付加される。」

 加賀:「情報?」

 田中:「そう。」

 佐藤:「勉強の出来る頭の良い鈴木が存在していると、もう一人の鈴木は何故か
     勉強の出来ない方の鈴木。という肩書きが一方的に加えられる!」

 田中:「カッコいい鈴木がいると、カッコ悪い方の鈴木と呼ばれ。
     運動神経の良い鈴木がいると、運動できない方の鈴木と呼ばれる。」

 後藤:「確かに有るわね。」

 佐藤:「加賀はランキング1,000オーバーの人間だから、そんな事態に見舞われることは稀だろう。」

 田中:「だが、俺達は! いつ、同じ苗字の人間と差別化されてしまうかビクビクしながら過ごしている!」

 佐藤:「どうだ、分かったか!? 俺たちの苦しみが!」

 加賀:「なるほどね〜。確かに、千代ちゃんも言われたら嫌かも。」

 田中:「だろぉ〜?」

 鈴木:「だがしかし、加賀の場合は”キュンキュン系”で安定だろ。」

 加賀:「”キュンキュン系”って何よぉ〜!?」

 鈴木:「へ? もしかして、加賀・・・自覚ねーの? 素なの?」

 加賀:「私は、いつだって素だけど?」

 後藤:「千代ちゃん、いつも好みの男性が見つかると”キュンキュン”言ってるわ。」

 加賀:「えぇー? 全然わかんなーい。こわぁ〜い。」

 後藤:「そんな貴女が怖いわ。」

 鈴木:「これか。」

 田中:「これなのか。」

 佐藤:「これが天然属性という奴なんだな。その上、”キュンキュン系”。」

 田中:「天然キュンキュン系。」

 鈴木:「・・・うらやましい。」(鈴木代表:できれば鈴木・佐藤・田中同時)

 後藤:「私は至って普通だけど、そんなことで悩む必要性がまったく分からないわ。」

 加賀:「いやいや、里沙ちゃんの方が良いキャラしてると思うよ?」

 後藤:「え・・・? 予想外の見解だわ。」

 鈴木:「やっぱり一味違うな・・・後藤は。」

 佐藤:「まぁ〜そんなこんなで、俺たちは”キャラ”の発掘をしてるんだ。今は、その会議中!」

 加賀:「また、訳の分かんない事やってんのね。」

 佐藤:「お! そうだ! 加賀と後藤に見極めてもらおうぜ?」

 鈴木:「は? なにを?」

 佐藤:「俺たちに内在している”キャラクター性”だよ。」

 田中:「ふむ。確かにそれは良いかもしれないな。客観的に見てもらうのは手だな。」

 佐藤:「だろ? ってことで、加賀と後藤。俺たちの”隠されたキャラ”をあらわにしてくれ!」

 後藤:「私達にとっての利益は?」

 加賀:「そーそー。私達に、どんなメリットがあるってゆーの?」

 鈴木:「むむむ・・・。」

 田中:「それを言われると・・・。」

 佐藤:「よしっ! ハンバーガー1個分をおごってやろう! ・・・鈴木が(小声)」

 鈴木:「え? 今なんて?」

 後藤:「まぁいいわ、譲歩してあげる。交渉成立ね。」

 加賀:「ま、いっか。でもこのあとバイトがあるから〜さっさと決めちゃおう。」

 後藤:「バイトって、新しく出来たコンビニエンスストアの?」

 加賀:「そうそう! そこの店長がちょー格好良くて! キュンキューン♪」

 鈴木:「これか! これが・・・”キュンキュン系”」

 田中:「このインパクトは凄まじいな。」

 佐藤:「良し。じゃあ、話も纏まったところだし。早速頼むぜ!」

  (後藤が、一人一人を指差して言う)

 後藤:「メガネ、喉仏、爪。以上。」

 田中:「ちょ、ちょ、ちょーっと待て! そーじゃなくて。
     今のが俺達の属性だと言う訳じゃないだろうな?」

 鈴木:「だたの部分的な名前じゃないか?」

 佐藤:「しかも・・・俺は、爪?」  

 後藤:「佐藤君、綺麗な爪してるから。正直、少し嫉妬するくらいよ。」

 佐藤:「あ、そう・・・なんだ? いやぁーありがとう。」

 田中:「ありがとうじゃねーよ!」

 鈴木:「俺達が求めているのは、そういうのじゃないの!
     メガネとか喉仏とか・・・ただのあだ名になっちゃってるよ!」

 後藤:「面倒くさい人。」

 加賀:「だってさ〜。特徴ないんだもん。」

 田中:「ぐはっ!」

 鈴木:「た、田中! 大丈夫か!?」

 佐藤:「それが分かってるから、こんなに頭を悩ませてるんじゃないか、俺達は!」

 田中:「・・・・・。」

 鈴木:「・・・・・・。」

 佐藤:「・・・・・・。」

 加賀:「ちょ、ちょっと? 何? 突然、黙り込んで〜?」

 鈴木:「あ、あぁ・・・。つい、再認識したら気が滅入っちゃってさ・・・。」

 後藤:「三人とも特徴が無いのは事実ね。分かりやすく式で表すとすれば・・・
     鈴木君=田中君=佐藤君が成立するもの。」

 田中:「・・・・・。」

 鈴木:「・・・・・・。」

 佐藤:「・・・・・・。」

 加賀:「里沙ちゃん! ちょっと言いすぎじゃない? 首折れそうなくらい凹んでるよ?」

 後藤:「(ため息)ふぅ・・・。
     そういえば、前に通っていた塾に変な言葉遣いの人が居たわ。
     その人いわく、個性だとか言っていたけど。」

 田中:「え? それってどんなの?」

 後藤:「”合点のがの字です”とか、”余裕のよの字ですよ”とか言っていたわ。」

 鈴木:「それだ!」

 佐藤:「俺たちも個性的な言葉遣いでキャラを確立すればいいんだ!!」

 加賀:「じゃ、そういうことで、頑張ってね? 千代ちゃんはバイトに行く時間だから。」

 後藤:「私も帰るわ。」

 鈴木:「おう!ありがとな!」

 佐藤:「じゃあ、早速考えようぜ! 自分たちだけの言葉。俺が俺であることの言葉を!」

 田中:「名付けて、”俺言葉”! 明日からキャラ立ちまくりだな!」

 加賀:「バッカみたい。じゃ〜ね〜、ばいばい。」
   
 後藤:「さよなら。」


<翌朝:学校>


 後藤N:「翌朝の学校。」

 加賀:「おはよ〜。」

 田中:「あぁ、おはよう。」 

 佐藤:「おはよ。」

 鈴木:「おはよー。」

 加賀:「あれ? 三人とも・・・話し方、普通じゃな〜い? 昨日、変えるとか言ってたのに。」

 鈴木:「あ・・・うん。昨日の晩、家で晩飯食ってる時、”俺言葉”使ったら食卓が凍ってさ。
     その後、誰も一言も喋らなくなっちゃって・・・。」

 田中:「俺は、妹に嫌悪感むき出しの顔で睨まれてから・・・口をきいてくれなくなってね。」

 佐藤:「家も鈴木と似たようなもんなんだけど・・・。
     俺を抜きにして家族会議が夜中に開かれててさ・・・。」

 後藤:「良かったわね。”難しい年頃キャラ”という立派なキャラクターを確立できて。
     でも・・・そうだとしても。
     鈴木君=田中君=佐藤君という方程式は・・・今も成り立ったままね。」 
  
 佐藤:「いやいや、一緒にするなよ! それに田中の場合は”残念な兄キャラ”になるだろう?」

 田中:「おい! どこが”残念な兄キャラ”なんだよ!? 俺はそんなことない、普通だよ!」

 鈴木:「言っとくけど、俺も普通だからな? 家族会議されるほどじゃないって。」

 佐藤:「な・・・お前等! 俺だって普通だ!!」

 加賀:「じゃあ。結局、普通のままでいいんじゃない。」

======================================================================

<おしまい>

Copyright©2010,2011 chaya_mode.All Rights Reserved.

(2010- 8-19 up)