声劇用台本======================================================================
■タイトル

  張り込み刑事・0

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■ジャンル

  コミカル

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■登場人物
 
 前原 剛次郎:ベテラン刑事。中高年。
 磯部 諭吉 :新米刑事。
 ホシ    :犯人(用語)

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■配役(2:0:0)
 
 前原(♂)(L48):
 磯部(♂)(L45):

  ※L**:セリフ数
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■台本

<車中>

   (車のドアを開け乗り込んでくる磯辺)

 前原 :「びえっくしょい! ・・・うー。(鼻すする:ずー)」

 磯部 :「大丈夫ですか? ノロイ刑事(デカ)。」

   (磯部、乗り込んだ車のドアを閉める)
   (SE:車のドア閉まる)


 前原 :「おいおい。ノロイ刑事って・・・突然なんだよ?」

 磯部 :「ほら・・・純情だったり、はぐれてたり、おばちゃんだったり。
      いろんな刑事がいるじゃないっスか?」

 前原 :「ドラマの見すぎだ。でも、だからって・・・なんでオレがノロマなんだ?」

 磯部 :「ノロイって、そっちじゃないっス。呪い殺すのノロイっスよ。」

 前原 :「もっと酷ぇじゃねーか?!」

 磯部 :「街を歩いている時に、”あ!呪い刑事!その節は、お世話になりやした!”とか。」

 前原 :「ねぇよ!
      そもそも、オレは誰も呪ったりしないぞ! なんなんだよ、それは。」

 磯部 :「だってほら、
      ”クシャミをした時は、誰かが自分のことを呪ってる”って。」

 前原 :「こえぇよ! そんな恐い話じゃなかったろ? 誰に聞いたんだよ・・・」

 磯部 :「とりあえず、”呪詛返し”やっといたほうがいいですよ?」

 前原 :「じゅそがえし? なんだそれ。
      って、いや、いや! 呪われてないから、オレは!」

 磯部 :「普通、呪いをかけられてるなんて、分かるわけ無いッスよ。
      だからこそ、呪いを使うんでしょうし。バレてたら意味ないッス。」

 前原 :「んん・・・ま、そうかもしれないけども、だ。」

 磯部 :「その内、コンビニで”呪い返しの札”とか売り始めるかもしれないっスよ。」

 前原 :「バカ言ってんじゃねーよ。呪いなんてまかり通ったら、俺たち刑事はどうすりゃいいんだよ。」

 磯部 :「ハハハ、そうっスね。呪いで犯罪なんか起こされたら、全部お宮入りっスね。」

 前原 :「まったくだよ。」

 磯部 :「ま、冗談はさておき。呪いなんてなかなか効かないっスから、大丈夫っス。」

 前原 :「呪いの話(ソレ)は冗談じゃないのかよ・・・。」

 磯部 :「ぜんぜん効果ないみたいっスから。」

    (ちらっと前原を見る磯部)

 前原 :「・・・え? お前・・・え?」

 磯部 :「あーそうそう。今日のメシはいつもとは趣向を変えてみたっす。」

 前原 :「あ、おう。・・・いや、今の話だけどよ。」

 磯部 :「どうぞ。」

 前原 :「お、おう。」

    (手渡されたパンを食べようと口を開ける前原)
    (それをじっと凝視している磯部)

 前原 :「・・・・・・。」

    (開けた口をゆっくり閉じる前原)

 磯部 :「・・・どうしたんスか?」

 前原 :「それは俺の台詞だろ・・・なにジッと見てんだよ?」

 磯部 :「え? いや、別になんでもないっスけど。」

 前原 :「だったらこっち見るなよ。なんか、食べずらいだろが。」

    (まだ見てる磯辺)

 磯部 :「(じー)」

 前原 :「だからなんだよ!? これ、食いたいのか?」

 磯部 :「いらないっスよ! そんなん食べたら死んじゃいますよ。オレ。」 

 前原 :「なんだよ、大げさに。ただのパンだろ。」

    (ふと固まる前原)

 磯部 :「あ、そうだ。飲み物も買ってきたんスよ。」

    (コンビニ袋をあさる)

 前原 :「・・・おい、磯部。」

 磯部 :「はい? なんスか?」
 
 前原 :「お前、さっきなんて言ったっけ。」

 磯部 :「さっき? なんですか?」

 前原 :「いや、ほら。”呪いが効かなかった”とかどうとか・・・。」

 磯部 :「あー・・・言いましたっけ?」

 前原 :「言ったろ。何、しら切ってんだよ?」

 磯部 :「さぁ?」

 前原 :「”さぁ”って、お前。自白した方が身のためだぞ?」

 磯部 :「あ、なんすか? いまの脅しっスか? 供述を強要するんスか?」

 前原 :「お前・・・誰を呪ったんだ?」

 磯部 :「刑事訴訟法第198条、および第311条に基づいて黙秘権を行使するッス。
      弁護士との接見を希望します。」

 前原 :「別に逮捕したわけでも、刑事事件なわけでもない。ちょっと聞いてるだけだろ。」

 磯部 :「であれば、憲法38条1項で。」

 前原 :「こんにゃろ・・・。」

 磯部 :「訳の分かんない事言ってないで。
      せっかく買ってきたんスからぁ、パン食べてくださいよー。」

 前原 :「気になるから食べれねーんだろーが!
      ぶっちゃけた話・・・お前、変なもん入れてないだろーな?」

 磯部 :「変なもんって何スか?」

 前原 :「変なもんは、変なもんだろーが。」

 磯部 :「ちゃんと言ってくれないと分かんないッスよ。価値観の違いってあるじゃないッスかぁー?」

 前原 :「カップルの痴話喧嘩やってんじゃねーんだよ。」

 磯部 :「あ。・・・オレは、あくまで仕事のパートナーとしてこれまで・・・。」

 前原 :「バーカ! 変な誤解してんじゃねーよ。物の例えだっつーの。」

 磯部 :「え、でもぉ。」

 前原 :「モジモジすんな! ったく・・・!」

   (勢いでパンをかじる前原)

 磯部 :「あ。」

 前原 :「あ。や、べほっ!げほっ、げほっ!」

 磯部 :「どうぞ、これ飲んでください!」

 前原 :「んぐ、んぐ、んぐ。ぷはぁ〜・・・。」

 磯部 :「いい飲みっぷりですね?」

 前原 :「それは、仕方なくだ。それより! お前本当に何も入れてないんだろうな?」

 磯部 :「だから、なんでですか?}

 前原 :「呪ったことがあるとか、食べたら死ぬとか物騒なことばかり言ってるからだろうが!」

 磯部 :「・・・びびり刑事、んがぁ!」

   (前原が磯辺の襟を掴んで、がっくん×2揺さぶる) 

 前原 :「それはもういい!! で、どうなんだ?!」

 磯部 :「呪ったのは・・昔惚れていた女の彼氏をちょっと。」

 前原 :「ちょっとぉ〜?!」

 磯部 :「出来心ッスよぉ。それと、食べたら死ぬってのは・・・。」

 前原 :「死ぬってのは!?」

 磯部 :「オレ、餡子が嫌いなんスよぉ。めっちゃマズくないスか?」

 前原 :「・・・っは? はは、なんだよコノヤロー。ビビら・・・ったく、人騒がせな。」

 磯部 :「ん? もしかして、オレに呪われるような心当たりでもあるんすか?」

 前原 :「バッ! 無いよ!
      ・・・まぁ、その昔に”相棒が犯人だった”って話を聞いたことが・・・」

 磯部 :「それ、ドラマ見すぎッスよ。それとも、なにか隠し事でも・・・」

 前原 :「おい、アレを見ろ! ホシだ! 行くぞ!」

 磯部 :「誤魔化すなんてズルイッスよ!」

 前原 :「んなこと言ってる場合か!」

   (SE:車のドア開閉する音)

 磯部 :「あ! 待って下さいよ、びびり刑事ぁ!」

   (SE:車のドア開閉する音)

 前原 :「バカヤロウ! デカとか大声で言ってんじゃねーよ! ホシが逃げたじゃねーか!」

 磯部 :「待ってくださいよぉ〜! 尾行ヘタクソ刑事ぁ!」

 前原 :「お前のせいだろうが! さっさと追えぇ〜!!」
 
 磯部 :「追いかけてまーッス!」

 前原 :「”オレを”じゃねーよ! 犯人を追いかけろ!」

 磯部 :「了解ッス〜!」

   (前原を追い抜いて、犯人を追いかける磯部)

 前原 :「はぁ、はぁ・・・・。くっそう、もう見えなくなっちまった。
      昔はオレも”ハヤブサ刑事”なんて呼ばれていたもんだが・・・
      タバコ、止めよっかな。」
      

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<おしまい>
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