声劇用台本
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■タイトル

  張り込み刑事

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■ジャンル

  コミカル・ショート

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■登場人物
 
 前原 剛次郎:ベテラン刑事。中高年。禁煙中。
 磯部 諭吉 :新米刑事。
 マルタイ  :捜査・監視対象(用語)

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■配役(2:0:0)
 
 前原(♂)(L36):
 磯部(♂)(L36):

  ※L**:セリフ数
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■台本

<アパートの一室:窓際>

 前原 :「うぅ〜。寒いなぁ。」

 磯部 :「パイポ刑事(デカ)!コーヒー買って来ました!」

 前原 :「誰がパイポ刑事だ。」

 磯部 :「コーヒーどっちがいいですか?
      ・・・どっちも同じですけど。」

 前原 :「じゃあ、選ばせるな!
      ったく、ちょっと見張り交代しろ。」

 磯部 :「了解です!」

 前原 :「って、お前! 冷たい缶コーヒー買って来るか、普通?」

 磯部 :「冬にアイスクリーム食べたくなるじゃないですか。
      アレと同じですよ。寒い時に、冷たいもの。
      いいじゃないですか!」

 前原 :「あっそ。・・・で、飯はどうした?」

 磯部 :「あ、そっちに置いてありますよ。」

    (コンビニ袋:ガサガサ)

 前原 :「缶コーヒーに、コーヒーパン。
      ・・・どんだけコーヒー漬けにするつもりだよ。」

 磯部 :「おっさん刑事も流石に眠そうだったんで、
      カフェインをより多く摂取した方がいいかと。」

 前原 :「おっさん刑事って・・・それ、もう悪口だろ?」

 磯部 :「見張りは俺がやってますから少し休んだ方がいいっすよ。」

 前原 :「ああ、食ったら少し眠らせてもらうわ。」

 磯部 :「それにしてもマルタイ動きませんね。」

 前原 :「お前、飯食ったのか? ほら、食えよ。」

 磯部 :「あ、俺は大丈夫ッス。」

 前原 :「まだこんなにコーヒーパン余ってんだからよ。」

 磯部 :「俺、腹いっぱいっすから。全部食べちゃってイイっすよ。」

 前原 :「流石に、4個も5個もいらねーしな。
      若いんだから、ちゃんと食っとけ。」

 磯部 :「さっき、ほうれん草とモッツァレラのサラダ 
      と和風ハンバーグ食って、コーンポタージュ飲んできたんで!」

 前原 :「・・・あっそ。で、俺はコーヒーパンか。優しくて涙が出てくるわ。」

 磯部 :「あ、そうそう。寒いと寝れないっすよね。カイロどうぞ!」

 前原 :「んお。サンキュ。気はきくんだよなぁ・・・。」

 磯部 :「窓際で張ってると寒いっすねー。」

 前原 :「・・・ん?このカイロ、あんまり温かくねーな。
      揉んだ方がいいのか、これ。」

 磯部 :「それ以上揉んでも変わん無いッスよ。」

 前原 :「そうなのか?ほんのり温かい感じだけどよ。」

 磯部 :「俺って結構、体温高いらしんですけど、ダメですか?」

 前原 :「・・・お前の温もりかよ。」

    (カイロを投げ捨てる)

 磯部 :「もう、4日ですよ? いい加減動いてくれませんかね?」

 前原 :「黙って見張れ。見張りは辛抱だよ。んじゃ、俺は寝る。」

    (毛布をかぶる)

 磯部 :「お!」

 前原 :「ん!? なんだ?」

 磯部 :「いえ、なんでもないです。」

 前原 :「ん〜・・・。」

    (毛布をかぶる)

 磯部 :「うほ!」

 前原 :「どうした!?」

 磯部 :「いえいえ、なんでもないですよぉ〜。」

 前原 :「はぁ・・・お前な。仕事だということを忘れるなよ。」

 磯部 :「わかってますよ。」

    (毛布をかぶる)

 前原 :「本当にわかってんのか? ったく。」

 磯部 :「それにしても、いい女ですねぇ。
      あんな顔して、猟奇殺人なんて・・・信じられないですよ。」

    (毛布にもぐりながら)

 前原 :「顔と犯罪は関係ない。中には、美貌で犯罪を犯すやつもいるがな。」

 前原M:「・・・って、こいつはああいうのが好みなのか。
      俺だったら、もっと髪は・・・」

 磯部 :「長くて綺麗な髪してるし。」

 前原M:「そうそう、長くて。色はやっぱり・・・」

 磯部 :「軽くブラウンがかってるのがいい感じ。」

 前原M:「そうだよなぁ。ブラ・・・ウン?」

 磯部 :「スタイルもいいし!」

    (のっそりと起き上がる)

 前原 :「おい。磯部?」

 磯部 :「なんすか?」

 前原 :「マルタイってよー、パーマかけた2段腹で化粧の濃いおばちゃんだよな?」

 磯部 :「何言ってんすか!? 超スタイルがよくて、美人でいい香りのする人ですよ。」

 前原 :「匂い、かいだのか?」

 磯部 :「(鋭い眼つき)刑事の勘です。」

    (その時、携帯が鳴る:ピリリリリ、ピリリリリ)

 磯部 :「コーヒー刑事、携帯鳴ってますよ?」

 前原 :「コーヒーはお前の仕業だろうが。
      (ピッ)はい、もしもし。前原です。」

 磯部 :「あ!コーヒー刑事!女が!」

    (前原は電話中)

 前原 :「え!? あの・・・いえ、分かりました。」

 磯部 :「女が出掛けるようです!!」

 前原 :「ばかやろう!」

 磯部 :「痛っ! な、なんですか!?」

 前原 :「マルタイが逮捕されたってよ・・・。
      お前、一体誰を見張ってたんだよ!?」

 磯部 :「え!じゃあ、あの綺麗な女の人は犯人じゃない!?」

 前原 :「そういうこった・・・。
      捕まったからいいようなものの
      こりゃ帰ったら絞られるぞ・・・。」

 磯部 :「じゃあ、後を追いかけます!」

 前原 :「はぁ!?」

 磯部 :「お付き合い申し込んできまーす!!」

    (部屋の扉閉まる:バタン)

    (タバコに火をつける:シュボ)

 前原 :「すぅ〜ふぅ〜・・・。
      ありゃあ大物だ。・・・刑事にゃ向いてないがな。」

    (アパートの外)

 磯部 :「おねーさーん、待ってくださ〜い!」

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<おしまい>
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