声劇用台本 

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 It’s ShowTime!!

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■登場人物

 ・妖魔 [ようま]
      年性:20代前半/男。(愛称:妖[よう])
      能力:幻視使い。操術使い。
      特徴:クール。自分の名前を敢えて忌まわしい【妖(あやかし)】と
         過去、人に言われた心に傷を付けた言葉【悪魔】から取った。
         幻視能力効果は1対1。左手の甲に呪詛の印。
         操術は、第2段階まで能力を解放した時に使える。
         自分の血が皮膚に付着した人間が対象。

 ・ロイド[ろいど]
      年性:20代前半/男。ハーフ。
      能力:風使い(突風系)。
      特徴:水のペットボトル、カロリー補給食品をいつも持参。
         テンション高め。呪詛は、著しい栄養の欠乏。

 ・優美 [ゆうみ]
      年性:20代前半/女。
      能力:冷気使い。
      特徴:キツイ性格。妖魔が好き。
         呪詛は自らの凍結、人と触れ合えない。

 ・火之迦[ほのか]
      年性:20代後半/男。
      能力:炎使い。
      特徴:現【PJ】。当時、【PJ】として活躍していた妖に憧れていたが、
         謀反を起こしたのを知って絶望し、裏切りへの恨みを抱く。
         呪詛は、焼身時の痛みを時折。また異能の反動による火傷。

 ・風伯 [ふうはく]
      年性:20代前半/男。
      能力:風使い(旋風系)。
      特徴:先代の風使いロイドへライバル心あり。突っかかり系。
         呪詛は血液の欠乏と身体に生まれる傷。

 ・佐久夜[さくや]
      年性:20代前半/女。
      能力:幻惑。獣化。
      特徴:高飛車。妖狐。能力発現当時、花の幻想を研究者に見せたことから
         木花之佐久夜毘売命より名を付けられる。


 ・舞姫 [まいひめ]
      年性:14才位/女。
      能力:髪使い。
      特徴:髪から吸血する。呪詛は体の変色・腐食。口数少ない物静か。
         年齢の割りに幼さが残っている。
 
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■関係用語

 執行者:[読]しっこうしゃ(executor)
 PJ :[読]ピージェイ(a presiding judge:裁判長)

 木花之佐久夜毘売命:[読]このはなのさくやびめのみこと。花の化身で華やかさの象徴
 スサノオ:日本神話に登場する神。建速須佐之男命(たけはやすさのおのみこと)
 カグツチ:日本神話に登場する炎の神。火之迦具土神(ほのかぐつちのかみ)
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■配役(4:3:0)

 妖魔  [ようま] ♂(L19):
 ロイド [ろいど] ♂(L28):
 優美  [ゆうみ] ♀(L29):
 火之迦 [ほのか] ♂(L14):
 風伯  [ふうはく]♂(L10):
 佐久夜 [さくや] ♀(L 8):
 舞姫  [まいひめ]♀(L10):

 ※(L**):セリフ数
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■台本

 風伯  :「ある国における、裏の世界。
       国は【ある力】に目を付け、秘密裏にその研究を行っていた。
       国の陰で動くその機関は、公式には存在しない。
       実際に活動してる部隊も当然存在していない者達の集まり。
       中でも【特異能力者】である彼らは、様々な力を持っており、
       その能力を使って命令を遂行する者達を機関では【執行者】と呼んでいた。
       そして、【執行者】は少数精鋭で構成されており、そのリーダーは【PJ】
       という役職を兼務している。
       【PJ】は、現場での【判決】【決定】【命令】の権限を持つ。
       機関において【執行者】は国の統制、異分子の排除、暗殺などの任務に当たる。
       ある時、事実の一片を知った数名の【執行者】が真実を暴くため組織へ反旗を翻した。」

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 佐久夜 :「第壱話【反逆者】」

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<あるビルの屋上>

  (夜が訪れた町:ビルの屋上に3つの影)

  (コンクリートを踏みしめる靴:ガリッ)


 妖魔  :「あの建物だ。」

 ロイド :「おいおい。まったく警備されてねーじゃねーか?」

 優美  :「馬鹿ね。そんな目立つことをしたら、困るのはアッチなのよ。」

 ロイド :「なんでだ?」

 優美  :「妖・・・本当にコイツ連れて行くの?」

 ロイド :「おいおい。何てコト言うんだよ? ヒッドイなぁ。」

 優美  :「私は妖と二人が良いの。」

 ロイド :「くぁ〜、ハッキリ言ってくれるねぇ。」

 優美  :「当たり前でしょう? 能無しに用は無いわ。」

 妖魔  :「優美、その辺にしておくんだ。」

 優美  :「はぁい!」

 ロイド :「やっぱり妖はオレの味方だよなぁ。」

 妖魔  :「能無しにも分かる様に説明してやれ。」

 ロイド :「・・・なるほど。」

 優美  :「妖がああ言ってるから教えてあげるけど、一度しか言わないからね。」

 ロイド :「お手柔らかに。」

 優美  :「私達の目標は、向こうに見える建物の地下。」

 ロイド :「【旧・帝国銀行本店】って書いてるけど・・・
       見た感じ、アレって観光スポットじゃねーの?」

 優美  :「隠れ蓑よ。アレの地下には、非公式の国家研究所があるの。」

 ロイド :「こんな所に? 昼間なんて、一般人が好き勝手に出入りしてんだろ?」

 優美  :「もちろん、一般人が地下研究所の存在なんて知らないし。
       立ち入ることなんて不可能よ。それくらい察しなさいよ・・・」

 ロイド :「そんな大層な研究所なのに、警備はスカスカなのか?」

 優美  :「外から見て、厳重すぎる警備は逆に人目を惹くでしょう?
       コソコソとやってるんだから、目立つことする訳無いじゃない。」

 ロイド :「こんな所に隠れてるなんて、良く調べたな・・・。」

 優美  :「アンタが遊んでる間に私が調べたのよ。」

 ロイド :「それはそれは、ご苦労様!」

 優美  :「妖・・・コイツやっちゃって良い?」

 妖魔  :「そう言うな。いざって時の捨て駒は大事に取って置くもんだ。」

 ロイド :「嬉しいこと言ってくれるぜ。」

 妖魔  :「そろそろ始めるぞ。進入経路は、屋上の通信設備を破壊してから
       非常階段で階下へ移動。
       そして、研究所へ続くセキュリティエリアを目指す。」

 優美  :「セキュリティエリアは、建物の地下1階。
       南西エリアにある立ち入り禁止区域。」

 ロイド :「立ち入り禁止ねぇ。」

 妖魔  :「出入口はカモフラージュされているだろうが、
       恐らく警備兵が着いてるから直ぐ分かるはずだ。」
 
 ロイド :「ン〜、目印付きか。分かり易くてオレ好みだ!」

 妖魔  :「優美、行くぞ!」

 優美  :「はぁ〜い!」

 妖&優 :「はぁっ!」

     (二人がビルの端から大きく宙へ跳ぶ)

 ロイド :「オラぁ!!」

     (ロイドが両手を前に突き出す)
     (同時に突風が妖魔と優美の背を押す:ボン!)

 優美  :「んもう! もっと優しくできないの!?」

     (長距離を飛び失速する二人、地面と水平に大の字になる)
 
 ロイド :「加減が難しいんだ、ヨッとぉ!」

     (両手を持ち上げるように振り上げる)
     (上昇気流を受けて二人は空中で前方へ回転し屋上へ着地する)

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<旧帝国銀行本店・屋上>
 
 優美  :「・・・よっと。」

     (屋上へ着地する音:ザッ!ジャリ!)
 
 火之迦 :「ふん、やっと来たか。」

 妖魔  :「ふむ・・・。招待された覚えはないけどね。人違いじゃないですか?」

 火之迦 :「人違いなもんかよ。
       隣のビルから空飛んでくるような奴なんて、そうそう居るもんじゃない。」

 妖魔  :「飛んで来たのは私だけでは無いけどな? 優美、お前の知り合いか。」
 
 優美  :「やめてよ。あんなツマラナイ男なんて知らないわ。」

 佐久夜 :「はぁ? こっちこそ願い下げよ。」

 優美  :「あら、小鳥のさえずりが聞こえるわね。」

 佐久夜 :「なんですってぇ〜!?」

 妖魔  :「では、私は失礼するよ。これでも忙しい身でね。」

 火之迦 :「ふざけるな! 行かせるかよ。」

 優美  :「そっちの野良犬はキャンキャンとウルサイわねぇ。
       ちゃんと首に輪っか付けて躾しておきなさいよ。」

 佐久夜 :「はぁ? アタシに言ってるの!?」

 優美  :「アンタんとこの犬でしょう?」

 佐久夜 :「何よ、偉そうに・・・。悠然としていられるのも今の内よ!
       【執行者】の頃は、そんな風に偉ぶっていられたんでしょうけど?
       今はタダの反逆者じゃない!」

 優美  :「反逆者? うふふ、私はそれでも構わないけどね。」

 佐久夜 :「【執行者】の名において、制裁を加えてあげるわ!」

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<スタート地点・向かいのビル屋上>


 ロイド :「んじゃ、オレも出陣! っヅァ!?」

     (微妙な風の流れを感じて飛び退き、転がる:ズザァー)

 風伯  :「ギャハハハ! ザマー無ぇーな! 【風神】ともあろうお方が?!」

 ロイド :「やれやれ、下品な笑い声だ。」

     (服の埃を払いながら:パンパン)

 風伯  :「ハッ!気取ってんじゃねーよ! 今日がテメェの命日になるんだ!」

 舞姫  :「風伯。任務・・・遂行。」

 風伯  :「分かってる! 
       風神。どっちが本物の風使いかハッキリさせてやるぜ!」

 ロイド :「まず、オレの名は【風神】じゃ無ぇー。それと、本物がどっちか?
       まだそんな事にこだわってんのか・・・。目を覚ませってんだ、よっ!!!」

     (ロイドが手をかざして突風を呼び起こす:ドン!)
     (風伯はそれをヒラリと交わした)

 風伯  :「ヒャハハ!当たらねぇ!当たらねぇなぁ?!
       オレの前髪揺らすのが精一杯ってか!あぁ?ギャハハハ!」 

 舞姫  :「風伯。遊んでる時間・・・無い。怒られる。」

 風伯  :「ちっ。はいはいはいはい。じゃー行きますか!」

 舞姫  :「うん。」

 ロイド :「そっちのお嬢ちゃんは初めましてだな!お手柔らかに。」

 舞姫  :「え・・・。お手柔らかに??」

 風伯  :「バカ言ってんじゃねー! 一気に片付けるんだ!」

     (周囲の空気が流れ始める)

 ロイド :「お嬢ちゃん、名前は?」

 舞姫  :「え・・・、名・・・前? 貴方、悪い人。教えない。」

 ロイド :「えー!? そう言わないでさぁ〜? 
       オレは【ロイド】って言うんだ。知らないかな?」

 舞姫  :「知ってる。標的。悪い人。」

 ロイド :「こんな良い人つかまえて・・・。風伯、嘘を教えちゃいけないだろぉ?」

 舞姫  :「嘘? 風伯、嘘ついた?」

 風伯  :「ったく! んな奴の話なんか聞いてんじゃねーよ!
       大嘘つきは、ソイツだ。集中しろ!」

 舞姫  :「分かった。集中!」

 ロイド :「はぁ〜・・・気が進まねぇな。こんなカワイイ娘と闘うなんて。」

 舞姫  :「かわ・・・い・・・い・・・。」

 風伯  :「あー!イライラする!! とっとと、くたばれっ!!」

     (渦巻いた旋風がロイドに向かって飛んでいく)

 ロイド :「うおっと!!」

     (交わすロイド)
     (代わりに足元のコンクリートに大きな切り口が現れる:ザンッ!)

 風伯  :「まだだ!!」

     (さらに旋風がロイドを襲う)

 ロイド :「ふん! よっ! ホッと!
       なんだよぉ、お前こそ全然当たらな・・・いっ!?」

     (着地すると同時に、髪の毛が絡みついて足を取られた)

 舞姫  :「捕獲。いただきます。」

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<旧帝国銀行本店・屋上>

 優美  :「制裁を加えるですって?
       私達の相手としては・・・少々役不足じゃない?」

 佐久夜 :「なんですってぇー!?」

 火之迦 :「落ち着けよ。奴等が何を言おうが【執行者】は俺達だ。俺達が正義だ。
       俺達が国を守り、民を守る。反逆者には等しい死を与えるだけ。」

 妖魔  :「中々言うようになったな。優美もその辺にしておくんだ。」

 優美  :「はぁ〜い!」

 火之迦 :「俺は、この日を待っていたよ・・・何年もな。」

 妖魔  :「願いが叶ってよかったじゃないか。」

 優美  :「妖ったら、私の願いは何時叶えてくれるのかしらぁ?」

 妖魔  :「しばらく黙っていろ。」

 優美  :「はぁ〜い。」

 火之迦 :「貴様は、国だけじゃなく俺達の信頼も裏切ったんだ!」
 火之迦M:「あんたに憧れてたのに・・・なのに・・・。」

 妖魔  :「裏切った・・・ふむ。そうなのか?」

 火之迦 :「・・・は。はははは! お前にはその程度のことか!?
       こっちはどんな想いで・・・苦しんでいたと!」

 佐久夜 :「火之迦は、アンタを目指して【PJ】にまで!」

 火之迦 :「止めろ、佐久夜。」

 妖魔  :「・・・で、お前が求め続けていた【PJ】はどうだ?
       気持ち良いか。特権を振りかざし、次々と命を奪って。
       ・・・何か感じたことは無いのか?」

 火之迦 :「そうだな。一つあるとすれば、満たされない心だ。」

 佐久夜 :「・・・火之迦。」

 優美  :「・・・。」

 火之迦 :「かつて【帝国の守護神】、【神の裁判官】と讃えられた男。」

 優美  :「懐かしい呼び名ね。」

 火之迦 :「だが、【PJ】という重責に耐え切れず逃げ出した挙句、
       国家に牙を向けやがった・・・愚かな男・・・【神槌(しんつい)】。」

 妖魔  :「その名前を聞くと、気分が悪くなる。」

 火之迦 :「それはコッチの台詞だ! 
       貴様が居なくなってからも、俺は、苦しめられてきた!!
       何かと言えば、その名と比べられる!!」

 妖魔  :「お前はお前だろう? 
       あんな狂った人間共の言うことなど、気にすることは無い。」

 火之迦 :「うるさい・・・うるさい! うるさい!!
       消してやる。俺は今日、貴様の亡霊から解放されるんだ!」

 優美  :「モテる男は辛いわね。妖?」
 
 妖魔  :「仕方ない・・・。少しだけ相手をするか。」

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<つづく>

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(2009-06-07 up)