声劇用台本 ====================================================================== ■タイトル 〜影の将 外伝〜 霧と桜 〜後編〜 ====================================================================== ■ジャンル シリアス/バトル/時代劇 ====================================================================== ■設定 襲われる女と爺の二人連れを独りの優男が助ける。 そして、三人を狙う刺客。用心棒の女と優男の戦い。 用心棒の女は、状況が変わり優男と共に、荒くれ者の退治に助勢する。 ====================================================================== ■登場人物 十蔵 [じゅうぞう ](♂):朧一族の忍。霧隠十蔵。クール。 霊刃丸 [れいじんまる ](♂):隣国・鴬奏(おうそう)の忍。冷静→チャラ 桜花 [おうか ](♀):元・来栖の忍。 お琴の方 [おことのかた ](♀):少女。国・来栖の姫。次女 ====================================================================== ■配役(2:2:0) 十蔵 (♂)[L31]: 霊刃丸(♂)[L39]: 桜花 (♀)[L44]: お琴 (♀)[L 9]: ※L**:セリフ数 ====================================================================== ■台本 霊刃丸:「ふん。はっ!」 桜花 :「ちぃ!」 (SE:体術の交わる音) 霊刃丸:「さっきの威勢はどうしたんだ? ん?」 桜花 :「くぅぅ。はっ!」 (SE:空振りの音) (距離を取る霊刃丸) 霊刃丸:「やっぱ、大した事無いなぁ。来栖の忍はどいつもこいつも弱ぇえ弱ぇえ。」 桜花 :「ほざけ!」 霊刃丸:「ってか、遊んでる暇ねーんだよ。さっさと小娘殺して・・・。 あ。しまったな。爺ぃ殺しちまったんだ。城の内通者の代わりを立てねばな。」 桜花 :「それも来栖国の内乱を激化させるためか?」 霊刃丸:「お前が知る必要は無い。元々の計画でも、お前は死ぬ筋書きなのだからな。」 桜花 :「なんだって!?」 霊刃丸:「話は終わりだ。さぁ、自分のために念仏でも唱えるがいい!」 桜花 :「ふざけるな!」 (SE:印を結ぶ音) (複数の桜の花びらが舞い飛ぶ) 霊刃丸:「桜の花びら・・・術か。だが、お前の術は知っている。」 桜花 :「貴様自身が術に掛かるのは初めてだろう?」 霊刃丸:「ふ。そこだぁ!!」 (1枚の桜の花びらを真っ二つに切り裂いた) (SE:空振りの音) 桜花 :「どこを見ている! すぁっ!」 (霊刃丸の右横から桜花の水平斬り) (SE:斬撃音) 霊刃丸:「なにぃ!? 右・・・ぬぁ゛!!」 (霊刃丸は、無理やり身を捩り致命傷を回避する) (SE:跳躍音→着地音) (二人の間に距離ができる) 霊刃丸:「ちくしょぅ。油断したぜ。お前が使うのは、幻術の類だ。 これは恐らく・・・変わり身と方向感覚を麻痺させる何かだ・・・そうだろう?」 桜花 :「ふん。分からぬまま地獄へ逝け!」 (SE:苦無が飛ぶ) 霊刃丸:「幻覚だろうが、全て弾き返せば良いだけの話!!」 (SE:苦無を弾き飛ばす) (SE:背後から苦無が刺さる) 霊刃丸:「ぐっぁ!? な、なに・・・背後から苦無だと?」 桜花 :「口ばっかりじゃないか。所詮、奸知(かんち)にたけただけの忍か。」 (霊刃丸は、背後に刺さった苦無を抜きながら) 霊刃丸:「言ってくれるじゃねーか。っく! 見せてやるよ。」 (SE:印を結ぶ音) 霊刃丸:「是が俺の術だ! さあ、交わせるか!?」 (腰に装備している小太刀に右手を回し、抜く) (SE:柄を握る音) 桜花 :「なんの冗談だい? 刀身の無い柄(つか)だけを持ってどうするってんだ。」 霊刃丸:「こうするのさ・・・!」 (柄だけを握り素早く袈裟切りの動作で振り切る) (SE:斬られる音) 桜花 :「んなっ!? 馬鹿な・・・斬られた?」 霊刃丸:「くくく。死んだ人間の怨霊を目に見えぬ刃と化し、貴様を切り刻むんだ!」 桜花 :「ふ、ふざけたことを言うな!」 霊刃丸:「そう思うなら、その身で知るがいい。おらおらおら!!」 (柄を振り回し、見えない刃で空を斬りながら桜花へ迫る) 桜花 :「く! あっ! くそ・・・!」 桜花M:「どうすればいいんだ? 刀身がないから、弾くことも防御することも出来ないじゃないか!」 (その度に、桜花の様々な場所に切り傷が現れる) (SE:飛び退く音) 桜花 :「へ、これだけの間合いがあればその自慢の刀も届くまい。」 霊刃丸:「・・・ふ。どうかな? はぁ!!」 (霊刃丸が大きく振りかぶり、斬り降ろす) (SE:斬れる音) 桜花 :「!? 馬鹿な! この距離で、どうやって!?」 霊刃丸:「この刀に、距離など関係ない。」 桜花 :「・・・それなら!」 (SE:印を結ぶ音) (無数の花びらが空中をひらひらと舞う) 桜花 :「散華乃桜(さんげのさくら)!」 霊刃丸:「!! なんだこの無数の桜は!? くそぅ、視界が・・・!」 (無数の桜で視界を遮り、その陰を移動する) 桜花 :「もらった!」 霊刃丸:「ちっ!」 (SE:斬る音) 桜花 :「くそっ! 浅いか!」 霊刃丸:「この野鼠が・・・ちょこまかと!」 桜花 :「ふん、アタイを捉えることは出来ないよ。」 霊刃丸:「面倒だ、花びらごと叩っ斬ればいいだけの話! はぁ!」 (柄を横一文字に振り切る) (SE:斬撃音) (広範囲で遠距離まで斬撃が飛ぶ) 桜花 :「し、しまった! 脚を・・・!」 霊刃丸:「くくく。他愛の無い術だなぁ。たったの一撃でこの様か。 散っていった桜の花びらの様に・・・お前も散り行け。」 (柄を握りなおす霊刃丸) (SE:柄を握る音) 桜花 :「ちっ! だが、一人では逝かぬ!!」 --------------------------------------------------------------------- 霊刃丸:「地獄にいる仲間を待たせるな。お前もさっさと逝け!」 (SE:腕を掴む音) 霊刃丸:「っ!?」 十蔵 :「それは違うな。お前を待っているんだよ、彼等は。」 霊刃丸:「い、いつの間に俺の後ろを!?」 (腕を払いのけ、跳躍して距離を取る) (SE:跳躍の音) 十蔵 :「大丈夫か?」 桜花 :「ふん。余計な事を・・・。」 十蔵 :「そうか。それは悪いことをした。」 桜花 :「・・・ち。アンタ、一体何者なんだい? 忍ったっていろいろ居るが・・・そうだとしても、アンタは普通じゃない。」 十蔵 :「話は後だ。まずは、奴をなんとかしなくてはな。」 桜花 :「それはそうかもしれないが・・・どうしてアンタがここまで首を突っ込む必要があるんだい!?」 十蔵 :「それも、後程。」 桜花 :「分かったよ。じゃあ、早く終わらせるとしよう。」 十蔵 :「んむ。」 (辺りに再び霧が立ち込める) 霊刃丸:「嘗めやがって! 今は少し油断しただけだ! 二度と背後は取らせ」 十蔵 :「背後がどうした?」 (瞬く間に、霊刃丸の背後を取っていた十蔵) 霊刃丸:「ひぃっ!!? な、なんだ・・・てめぇは!? 今、何をしやがった!?」 十蔵 :「何かをしたかもしれぬし、何もしていないかもしれぬ。」 霊刃丸:「死ね!!」 (間近の十蔵を横一文字で斬りつける) (しかし、柄を振り切った時すでに十蔵は消えていた) 霊刃丸:「っ!!?」 (さらに背後に位置する十蔵) 十蔵 :「私なら、此方だ。」 (慌てて飛びのく霊刃丸) (SE:跳躍音) 霊刃丸:「ふ、ふざけるな!! お前・・・何者だ?! 有り得ない・・・早すぎる。気配すら感じないなど、有り得ん!」 十蔵 :「んむ。」 霊刃丸:「は、はははは! そうか、そうだったか。幻術だな! お前も幻術使いだな! それなら、気配が無いのは当たり前だ! 朝靄がいつの間にか朝霧へ変わっていたのは・・・お前の仕業だったのか。」 十蔵 :「そうかもしれぬし、そうではないかもしれぬ。」 霊刃丸:「ほざけ! しらばくれても無駄だ。あの女と同じ目に合わせてやるさ。 まったく、澄ました顔をして厭らしい術を使う奴だ。」 十蔵 :「否定はせぬが・・・お主に言われるのは少々心外であるのだが。」 霊刃丸:「そうと分かれば・・・!」 十蔵 :「分かれば、如何するというのだ?」 (音も無く霊刃丸の背後から十蔵の声) 霊刃丸:「ふっ、まやかしだ! 背後を取ったと思わせるだけで芸が無い。 一瞬でも気配を臭わせてみろ・・・その時がお前の最期だ!」 十蔵 :「では、参る。」 (呟いた背後の十蔵。と同時に霊刃丸の右脇に激痛が走る) (SE:骨の折れる音) 霊刃丸:「っがぁぁぁ!!? 馬鹿な!! 何故、幻が・・・俺に触れられるんだ!?」 十蔵 :「幻と決め付けたのはお主だ。」 霊刃丸:「だが! しかし! 気配をまったく感じなかった! いくら忍と言えど、呼吸は止められても、拍動を止められる訳が無い! なんだ・・・なんなんだお前は!?」 十蔵 :「虚は実を生み。実は虚を生む。お主の心もこの霧に迷っておるのだ。」 霊刃丸:「それならば・・・迷った心もお主の幻影も、全て斬り捨てるまでぇぇ!!! おあぁぁ!!」 (この時既に、幻術の檻に捉えられている霊刃丸) --------------------------------------------------------------------- 桜花 :「終わったのか?」 十蔵 :「そうかもしれぬし、そうではないかもしれぬ。」 桜花 :「まったく、結局アンタ一人で片付けちまったな。アタイの気持ちはどうすればいいのさ。」 十蔵 :「だから言ったであろう。終わったかもしれぬし、終わってないかもしれぬ。」 桜花 :「・・・あの男を倒したところで、何も終わりはしないって言いたいのかい?」 十蔵 :「そうかもしれぬし・・・」 桜花 :「あーもう、分かったよ。面倒な男だねぇ。」 お琴 :「お前! いつになったら私を迎えに来るつもりじゃ?」 十蔵 :「今、向かう所であったのだが。」 お琴 :「遅い! ・・・それで、一体どうなったのじゃ? 爺やは何処に?」 (霧が再び濃くなる) 十蔵 :「もう、この世にはおらぬ。」 お琴 :「っ! 何故じゃ? 何故、爺やは・・・。」 十蔵 :「気持ちは察するに余りあるが、今は此処を離れよう。少々景観を損ねてしまった。」 お琴 :「景観も何も、霧で何も見えぬではないか。」 十蔵 :「んむ。」 桜花 :「見えない方が良い景色もある・・・と十蔵は言いたいらしいぞ。」 お琴 :「・・・なんじゃそれは?」 桜花 :「分からないなら、それでいいんじゃないか。」 十蔵 :「とにかく、城へ向かうとしよう。」 (道を行く三つの人影) 桜花 :「ところで、霊刃丸の術は本当に怨霊を呼び寄せたのだろうか?」 十蔵 :「あれは、奴の法螺だ。」 桜花 :「なんだって? じゃあ、あれは一体?」 十蔵 :「奴が操っていたのは風だ。近距離での戦闘が苦手な奴は、得体の知れない力を誇示し 常に距離を保ちつつ相手を消耗させる戦術を得意としていたのだろう。」 桜花 :「くそっ! まんまと騙された・・・。」 十蔵 :「騙されやすいとは・・・仕事を変えたほうがいいのではないか?」 桜花 :「はぁ? いいんだよ。アタイは真っ正直に生きてんだ!」 十蔵 :「そうか。」 桜花 :「それより、アンタ。あの場に居合わせたのは偶然かい? それとも・・・」 十蔵 :「姫を城へ送った後でな。」 お琴 :「何故、私が姫であると分かったのだ?」 桜花 :「どうみたって町民には見えないだろ。」 お琴 :「そんなはずはない。町娘を装って花見に行くところだったのだ。爺やがこれならばと・・・。」 桜花 :「ふぅ・・・。城の護衛をつけて花見に行く町娘がそうそういるものか。」 お琴 :「むう。そう言われると・・・。あ、霧が晴れた。」 (霧が晴れると目の前に綺麗な桜の木があった) 桜花 :「桜か。」 お琴 :「綺麗。」 十蔵 :「んむ。」 桜花 :「粋なことするねぇ。 アンタには、姫さんを届けた後いろいろと訊くことがあるんだ、逃げるんじゃないよ?」 十蔵 :「逃げるかもしれぬし・・・」 桜花 :「そうはさせないよ!」 十蔵 :「・・・・・・んむ。」 ====================================================================== <終劇> Copyright©2010,2011 chaya_mode.All Rights Reserved. ※結果、桜花は内面で重責を抱えることになる。表には出さないが。 桜花は姫を襲っているが、最後の再会で姫のリアクションが無いのは書ききれてない; 姫は器がデカイのであるw この姫は将来大事なポストに位置する人物。 変なところは多々ありますが、ノリ台本で失礼します。 (2010- 7 12up)