声劇用台本 
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■タイトル

 おみくじ

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■登場人物

 卓司[たくじ](♂):20代前半。クール系。
 慎也[しんや](♂):20代前半。ノリ軽い系。現在、寺社ブーム。
 真紀[まき ](♀):20代前半。サバサバ系。
 八重[やえ ](♀):20代前半。甘系だが、たまに毒。

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■配役(2:2:0)

 卓司(♂)(L53):
 慎也(♂)(L56):
 真紀(♀)(L44):
 八重(♀)(L47):

 ※(L**):セリフ数
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■台本

    (社をくぐる4人)

 卓司 :「神社とか。」

 慎也 :「いいじゃん。たまには、こーいう所もさぁ。」

 真紀 :「慎也は、最近うるさいんだよ。」

 八重 :「何が?」

 真紀 :「【寺社】にハマってるみたいなんだよね。」

 慎也 :「おう! 今は特に【神社】の方だな。」

 卓司 :「ウザっ。」

 慎也 :「お前なぁ。神社はいいぞぉ〜? 見てみろ最高じゃないか。」

 真紀 :「どこも同じでしょ?」

 慎也 :「わかってないなぁ!」

 八重 :「どこがいいの?」

 卓司 :「八重ぇ、余計な事を・・・。質問を却下します。」

 慎也 :「採用します! どこがいいかってぇ〜? んふふふふ。」

 卓司 :「怖ぇ〜よ。」

 慎也 :「【神社】ってのは、神を祭ってある建物や境内地を言うんだ。
      神社にはそれぞれの【祭神(さいじん)】がいるわけだが、
      場所によっては【神体(しんたい)】の場合もあったりと、
      【祭祀(さいし)】対象は様々なのであ〜る。有名どころでは、
      【天照大御神(あまてらすおおみかみ)】を祭神としてる【伊勢神宮】・・・」

    (慎也の熱弁をさえぎる)

 八重 :「ねぇねぇ、【おみくじ】やろうよ!」

 真紀 :「いいねぇ! やろやろ。」

 慎也 :「・・・で、【神社】って総称的に呼んでるけど、【○○神社】ってときの
      【神社】は【社号(しゃごう)】てやつらしい。例えば【大社】や
      【神宮】などもランク別に分けられた【社号】ということになるのであ〜る。
      トップの社号である【神宮】は、古くから天皇と関係のある神社や
      勅許(ちょっきょ)を得て命名した神社らしい。中には、例外もあるようだが・・・。」

 卓司 :「慎也は、飽きるまで喋らせとけ・・・って、先に行っちまったのかよ。」

 八重 :「じゃあ、良い方が勝ちね。」

 卓司 :「勝ちってなんだよ。」

 真紀 :「ok!」

    (慎也が合流)

 慎也 :「おいおいおいおいおい!」

 卓司 :「甥(おい)がどうした。」

 慎也 :「甥は元気だよ。がしかし、その”おい”じゃなくて。」

 卓司 :「よく、その甥だってわかったな。」

 慎也 :「お前と俺の仲じゃないかー。って、そーでもなくてよ!
      気がついたら、じいちゃん、ばーちゃんに囲まれてガイドみたいに
      なってたじゃねーか! 置いていくなよぉー。」

    (真紀が帰ってきた)

 真紀 :「話がなげーんだよ。」

 慎也 :「おいおい。俺が神社の魅力を・・・。」

    (八重が帰ってきた)

 八重 :「真紀ぃ。【おみくじ】どうだった?」

 慎也 :「【おみくじ】ってのはだなぁ・・・」

 卓司 :「ん。」

 真紀 :「は? なに、その手。」

 卓司 :「俺の【おみくじ】。」

 真紀 :「無いよ。自分で買ってこーい。」

 卓司 :「えー。高いじゃん。俺の人生の何を測ってくれるんだよ。」

 八重 :「もう、いいから買ってきなって! そこの”神社かぶれ”も連れてね。」

 慎也 :「八重ちゃん。たまに、毒づくよね。傷つくわぁ・・・」

 真紀 :「はい! いってらっしゃい!」

    (どつかれる卓司)

 卓司 :「ちぇ。んじゃ買ってくるか。」

 慎也 :「お、おい。ひっぱるな! まだ説明の途中だってばよ〜!」

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    (慎也が帰ってくる)

 真紀 :「あ、戻ってきた。」

 慎也 :「お待たせぇ〜。」

 八重 :「その走り方気持ち悪い。」

 慎也 :「わざとだよ・・・。どしたの、今日はやけに突っかかってくるな。
      ・・・分かった! 俺のこと好きなんで」

 八重 :「真紀ちゃん、この人うるさい。」

    (卓司が帰ってくる)

 卓司 :「ん? なにやってんだ、慎也?」

 真紀 :「いじけてんだよ。」

 卓司 :「なんで?」

 八重 :「さあ?」

 慎也 :「さあって・・・。あぁ、この孤独感は何だ・・・。」

 真紀 :「そんなことより! 【おみくじ】は?」

 卓司 :「ほーい。」

    (慎也、しゃがんでそっぽ向いたまま、おみくじをピラピラ振る)
  
 慎也 :「んー。」

 八重 :「じゃあ、せーので開けよう! せーのっ!」

    (4人が一斉におみくじを開く)

 真紀 :「【小吉】。」

 卓司 :「【吉】!」
 
 八重 :「慎也はぁ〜?」

 慎也 :「っ!?・・・【大吉】!!!」

    (慎也、復活)

 八重 :「ちぇ。」

 慎也 :「ちょ、いま舌打ちしたよね?ね?」

 八重 :「私は、【末吉】。」

 卓司 :「んじゃ、俺が一番じゃんか。」
 
 真紀 :「はぁ? 何言ってんのぉ? 私でしょぅ!」

 卓司 :「え、そうなの?」

 八重 :「小吉、吉、末吉の順だよ。あーあ、つまんなーい。」

 慎也 :「あの・・・俺の【大吉】は、どこへいっちゃったのかなぁ〜?」

 卓司 :「はいはい。分かったから、いじけんな。うっとーしぃ。」

 真紀 :「んじゃ、慎也の【大吉】を掘り下げていきますかね。」

 八重 :「興味ない。」

 慎也 :「おーい。八重ちゃーん。」

 卓司 :「サラっと行こうぜ。サラッと。」

 真紀 :「では、あーし(私)が発表します。」

 八重 :「私もー。」

 慎也 :「いえーい。」

 真紀 :「まずは、【願望(ねがいごと)】!」

 八重 :「『他人(ひと)の助けにより早く成功します』。」

 慎也 :「ありがとう、卓司!」

    (がしっと卓司の両肩をつかむ慎也)

 卓司 :「俺、助けるつもり無いけど。」

 八重 :「はい、うざーい。次っ!」

 真紀 :「次、【待人(まちびと)】。『とにかく待て』。ぶはっ!」

 卓司 :「ぎゃははは! なんだそれ!?」

 八重 :「犬っぽーい!」

 慎也 :「お前ら、バカ! 違うだろ、あれだよ、なんちゅーか【一途】?」

 真紀 :「犬って! ハチ公かよ。」

 八重 :「やーん。ハチ公かわいい!・・・でも、可哀想・・・。」

    (八重いきなり、半泣き)

 卓司 :「八重のスイッチは、ゆるゆるだな。なぜ泣き出す・・・。」

 真紀 :「はい、次ぃー【失物(うせもの)】!」

 八重 :「『物かげにあり』。」

 卓司 :「腐ってそうだな。」

 慎也 :「なんで俺の失くし物が、食べ物なんだよ?」

 卓司 :「別に食べ物って訳じゃないよ。」

 慎也 :「腐る物って、大概食べもんじゃないか?」

 卓司 :「いやいや、心ってこともあるぞ。」

 慎也 :「俺が心を失ったってのか? 不快なんだけど。」

 卓司 :「深いだろ?」

 八重 :「・・・微妙に話がズレてる気がするから次っ!【旅行(たびだち)】。」

 真紀 :「『吉日をえらべ』! キター! 行ってしまえ!!」

 八重 :「よかったね! 【大吉】の今日を逃しちゃだめだよ!」

 卓司 :「おう! 行って来い! そして、帰ってくるな。」

 慎也 :「いや、あのさ・・・落ち着こうよ。俺いなくなったら寂しいだろ?」

 真紀 :「今すぐ、行ってしまえば良いさ!」

    (どっかわからない方向をビシッと指差す)

 卓司 :「行ってしまえ!」

    (どっかわからない方向をビシッと指差す)

 八重 :「行ってしまえ!」

    (どっかわからない方向をビシッと指差す)

    (3人の腕を下ろしながら慎也)

 慎也 :「・・・もういい、次ぃ!!」

 真紀 :「【商売(あきない)】〜。」

 八重 :「・・・これ全部やるの?」

 卓司 :「はい、そこの人ぉ〜飽きないでぇー。」

 真紀 :「・・・図ってか、図らずか? たまにミラクル起こすね。」

 慎也 :「なにが??」

 真紀 :「あーし(私)以外、誰も気付いて無いってか! じゃあ次!」

 八重 :「次ってぇコレ? ・・・はい。【学問】!」

 真紀 :「『努力すればよろし』。」

 慎也 :「お! 来ましたよ?」

 卓司 :「勝手に努力しろってことだろ。それが実るとは書いてないしなぁ。」

 八重 :「努力すれば、良い方向に進むってことじゃないの?」

 卓司 :「そうなのか?
      (間違ったイメージの中国系カタコト風に)
      『努力すればヨロシ』。」

 慎也 :「ちょ・・・ええ〜? そう言われると、そんな気がしてきたなコレ。」

 真紀 :「分かんないから、次っ!」

 八重 :「【相場(そうば)】。『急に下る 思いしれ』。」
  
 真紀 :「分かんないから、次っ!」
 
 慎也 :「【争事(あらそい)】。『人の意見に任せ吉』!」

 八重 :「じゃあ、私に任せるといいと思うよぉ。」

 真紀 :「やっぱ、あーし(私)でしょ?」

 卓司 :「俺に任せておけ。修正不可能な程にこじらせてやるから。」

 慎也 :「アホー! そんなの任せられるかよ!?」

 卓司 :「しがらみが無くなって楽になるかも。」

 慎也 :「寂しい老後は嫌だよ。」

 卓司 :「どんだけ先を見据えてんだか?」

 真紀 :「どんどん行こう。【恋愛(れんあい)】!」

 慎也 :「はい、来ましたぁ〜!」

 八重 :「興味ない。次ぃ〜!」

 慎也 :「おいおいおいおいおい。ここのスルーは無いでしょ?」

 卓司 :「悪い事書いてるなら、読んでやろう。」

 真紀 :「『好きにするとよろし』。ぶっ!」

 八重 :「あはははは!」

 卓司 :「良かったな、慎也ぁ。完全にどうでもいいらしいぞ。」

 慎也 :「そうじゃないだろ? 好きなようにすれば、いい方向に。」

 八重 :「遠まわしな【神のお告げ】なんだよ。それは優しさだよ。うんうん。」

 慎也 :「だったら、もう少し上手く遠まわしに書いてやれよなぁ?」

 真紀 :「次次ぃ!【転居(やうつり)】。『出るともおそい』。」

 卓司 :「お前、どんだけ実家に居座るつもりだよ。」

 八重 :「もしかして、永遠のフリーターとか。」

 慎也 :「ニートかもな! あははは!」

   (3人沈黙)

 卓司 :「・・・・・・。」

 慎也 :「おいおいおいおい、重いよ空気が! 笑うとこだって!
      笑えなくても、笑うべきとこだよ〜!?」
 
 真紀 :「じゃあ、次ぃ〜・・・。」

 慎也 :「はい!はい!はい! テンション上げていこうねぇ〜!」
 
 八重 :「【出産(おさん)】。」

 卓司 :「『遅し 心を鎮めて待て』。」

 真紀 :「あらら、高齢出産かぁ。大変かもしれないけど頑張れ!」

 八重 :「元気な子、産むんだよ!」

 慎也 :「そろそろ、俺も付いていけなくなってきた感じがありますけどぉ〜。」

 卓司 :「はい、次〜。」

 真紀 :「【病気(やまい)】! 『医師に相談すればよろし』。」

 卓司 :「神の医者頼みか?」

 八重 :「ついに人は神を超えたのね!」

 真紀 :「また違うスイッチが入ったな。」

 慎也 :「そうだね。調子悪い時は、医者行くよ・・・。」

 卓司 :「慎也、しっかりしろよ。」

 真紀 :「具合悪そうだけど?」

 慎也 :「いや、大丈夫。」

 八重 :「調子悪いなら病院だよ?」

 慎也 :「言うと思った・・・。」

 真紀 :「はい、次! あ、これラストだよ。【縁談(えんだん)】!」

 八重 :「・・・・・。」
 
 卓司 :「・・・ん?」

 慎也 :「な、なに? 沈黙が怖いんだけど・・・。そんなにヤバイの?」

 八重 :「そうじゃないんだけど。」

 真紀 :「ん〜? はぁ!? どこ? ここでしょ?」

 卓司 :「・・・これキタよ。こりゃ言葉出ないわ。」

 慎也 :「おいおいおい。冗談だろ? 見せてくれよ。
      ・・・え!? 言葉出ないってか・・・何も書いてないじゃんか!」

   (ポンと肩に手を置く真紀)

 真紀 :「大丈夫。」

 八重 :「うん。きっと大丈夫。」

 慎也 :「ミラクルすぎるだろ・・・・。」

 卓司 :「・・・慎也、巫女さんにペンとか借りてこようか?」

 慎也 :「自分で書いたら現実になるのか?」

 真紀 :「それだ! 神様からの最大級の優遇じゃないか!」

 慎也 :「え? そういうことかな!?」

 八重 :「無いから。」

   (沈黙:チ〜ン)

 卓司 :「まぁ、ただのプリントミスだろ?
      総評?トータル運勢?ってのか、ソレ読んでみようぜ。」

 八重 :「『君のやりたい事はなんですか?』」

 慎也 :「・・・・・・。」
 
 真紀 :「あ〜・・・帰りに何か食べながら、みんなで考えようか? ね?」

 卓司 :「慎也、今の望みを述べよ。」

 慎也 :「うまい物食いながら、癒されたいかも。」

 八重 :「【願望(ねがいごと)】
      『他人(ひと)の助けにより早く成功します』。」

 真紀 :「あーし(私)がお気にの店に連れてってやるよ!」

 卓司 :「仕方ねぇな。俺が癒してやるか。」

 八重 :「癒しは私でしょ?」

 卓司 :「そうなのか?」

 慎也 :「ふっ。お前に癒されるかっての。」

 卓司 :「じゃあ、心の旅に付き合ってやるよ。今日が吉日なんだろ?」

 慎也 :「上手いこと言ったつもりかよ。」

 八重 :「なに青春みたいなこと言ってんのぉ?」

 真紀 :「ほら、木の枝に縛ったらさっさと行くよ!」

 八重 :「それにしてもさっそく当たったなぁ。」

 卓司 :「なにが?」

 八重 :「【願事(ねがいごと)】『おもう通りになる 早くて吉』!」

 卓司 :「それは良かったな・・・。でも、慎也には言うんじゃないぞ。」

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<おしまい>

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(2009-05-05 up)
(2009-05-29rev)