−声劇用台本−
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■タイトル

  勇者の・・・ 第2話【勇者の旅立ち】(仮)

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■ジャンル

  ファンタジー/コミカル

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■登場人物
  勇者 (♂):魔王を倒し世界を救うという偉大なる存在らしい。
  詩人 (両):吟遊詩人。性別は男。勇者の教育係?
  きこり(♂):只者ではないらしいが謎。妻1娘2を持つ初老。

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■配役(2:0:1)

 勇者 (♂)(L54):
 詩人 (両)(L54):
 きこり(♂)(L18):

  ※L**:セリフ数
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■台本

 詩人 N:ある小さな村に住んでいた青年が魔王討伐の命を受け
      どこにいるともしれない魔王を探す旅が始まったのです。
      しかし、何処へ行こうか途方にくれていた青年の前に
      一人の詩人が現れたのです。
      その姿は、美しく! さらに、その歌声は天使のごとく!
      
 勇者  :「長ぇーよ!!」

 詩人  :「あら? そうですか?」

 勇者  :「しかも、心当たりの無い詩人が登場してるんですけど。」

 詩人  :「っ? もしかして、私のことが見えていないのですか?!」

 勇者  :「・・・いや、見えてるけど。邪魔なくらいに。」

 詩人  :「はぁ〜、それは良かった。私って妖精みたいな存在ですからね。
       信じていない、見ようとしない人には見えないのかもしれません。」

 勇者  :「いろいろツッコみたいけど・・・面倒が増えそうだから、ヤメとく。」

 詩人  :「では、先ほどの説明の続きいきますね。」

 勇者  :「まだ続ける気かぁ?」

 詩人  :「ええ。まだこの詩人の魅力を伝えきれていませんからね。」

 勇者  :「・・・もういいから。行こう。」

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 きこりN:「勇者の・・・(てんてんてん) 第2話【勇者の旅立ち】」

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<城下町マデュスケルントルン → エンデュの森・入口>

 
 詩人  :「さて、隣町へ行くにはこの先にある【エンデュの森】を
       通っていかなくてはなりません。」

 勇者  :「こりゃ、深そうな森だな〜。」

 詩人  :「ええ。期待にそえてモンスターが出現します。」

 勇者  :「期待はしていないんだけどね。
       ねぇ。・・・安全に隣町へ行く手段は無いの?」

 詩人  :「モンスターと戦って、経験値を上げないと魔王に勝てませんよ?」

 勇者  :「なんとか、魔王と平和的な手段で事を解決できないかな?」

 詩人  :「やってみますか?」

 勇者  :「え?できるの?」

 詩人  :「たぶん、一瞬で・・・終わると思いますよ。」

 勇者  :「・・・一瞬? なんか、嫌な予感がするから・・・止めておくよ。」

 詩人  :「では、森へ入りましょうか。」
 
 勇者  :「はーい。」

 きこり :「ん? なんじゃ、お前さん達。」

 勇者  :「おじさんこそ、何してるんですか?」

 きこり :「わしは家族のため、食っていくために樵(きこり)という仕事に就き、
       朝から晩まで森に篭って、木を相手にせっせと働いておる。
       ちなみに、家族構成は妻一人と娘を二人。」

 勇者  :「・・・そこまで深く聞いたつもりは無かったんだけど。」

 きこり :「で。お前さん達は?」

 勇者  :「えーっと・・・なんて言えばいいか。」

 詩人  :「全世界を救う愛の歌を習得するため。そして、平和へと導く音楽を
       習得するために修行の旅をしている者です!」

 勇者  :「え? うそーん??」

 きこり :「そうか。それは大変そうだな。」

 勇者  :「いや・・・あれ? 魔王とか、どこいっちゃったの?」

 詩人  :「では、私どもは先を急ぎますので。」

 きこり :「この先はモンスターが出るぞ。危ないから止めておいた方が良い。」
 
 詩人  :「世界を平和へ導く者として、それくらいのことは!」

 きこり :「うむ。君ならきっとこの森を越えられる!」

 詩人  :「はい!」

 きこり :「いつか君の歌が聞けることを楽しみにしておるよ!」

 詩人  :「では、またいつかお会いしましょう!」


     (少し道を歩いた先で)


 勇者  :「・・・・・・・・・なんか、盛り上がってたね。」
 
 詩人  :「そうですか?」
 
 勇者  :「もしかして、オレが同行させてもらってる感じ・・・なのかな?」

 詩人  :「とんでもない! 私が同行させてもらっているんです。」

 勇者  :「そう? ほんと?」

 詩人  :「本当ですよ。どうしたんですか?」

 勇者  :「いや。ちょっと、自信が無くなっちゃってさ。」

 詩人  :「自信を持って。しっかりして下さい。
       ほら、モンスターと遭遇しましたよ!」

 勇者  :「ええ!? そんなこと言われても!」

 詩人  :「さぁ!頑張って!」

 勇者  :「どうすればいいのさ? 武器とか買って無いんだけど!」

 詩人  :「ええ? 何も買ってないのですか?」

 勇者  :「・・・宿にも泊まれなかったくらいだからね。」

 詩人  :「確かに。でも、人の家とか城とか荒らして回らなかったんですか?」

 勇者  :「人聞き悪いな・・・。」

 詩人  :「仕方ありませんね。では・・・これを!」

     (何かを投げた)

 勇者  :「おっと。これば!?」

 詩人  :「見ての通りですよ。」

 勇者  :「・・・木の棒。」

 詩人  :「拾えば無料(タダ)です。」

 勇者  :「そう言われちゃうと、コレを売ってる道具屋の立つ瀬が無いな。」

 詩人  :「さぁ、こちらに気付いていないうちに攻撃を仕掛けるのです!」

 勇者  :「なんか、それっていいのか?」

 詩人  :「戦略です。」

 勇者  :「・・・平和に導く者じゃなかったのか? かなり好戦的だよなぁ。」

 詩人  :「さぁ、今です!!」

 勇者  :「もう・・・やってやるぅ! たあぁぁぁ!!!」

 きこり :「何ヤツ!?」

     (木と木のぶつかる音:カコーン!)

 勇者  :「おあ!? さっきのおじさんじゃないか!」

 きこり :「いきなり、何をするんじゃ!?」

     (拍手:パチパチパチパチ)

 詩人  :「見事な防御です!」

 きこり :「ん? お前さんは先ほどの・・・。」

 詩人  :「やはり、只者では無いと思っていましたよ。」

 勇者 M:「・・・嘘だ。絶対、嘘だ。」

 きこり :「ほう。わしの正体を見破ったと、言うのか?」

 詩人  :「ふふふふ。」

 きこり :「むう。」

 詩人  :「ふふふふふふふふふ。」

 勇者  :「・・・。」

 詩人  :「ハハハハハハハハ!」

 勇者 M:「こいつ、気付いてなかった!」

 きこり :「なかなかやりおるわい。ワシの負けじゃ。」

 勇者  :「何に負けたんだよ?」
 
 詩人  :「それにしても、いつのまにココまで来たのですか?」

 きこり :「ほえ? ワシはずっとここにおったぞ。
       さっき、お前さん達とココで会ったばかりじゃないか。」

 勇者  :「・・・おい。道に迷・・・フガフガ」

 詩人  :「これ以上は、仕事の邪魔になりますから・・・
       私たちは先へ進むとしましょう。」

 きこり :「そうだ。これをやろう。」

 詩人  :「え? いいんですか?」

 きこり :「ふふ、ワシの正体に気付いた褒美じゃ。」

 詩人  :「これはこれは、ありがたく頂戴します。では!」 

     (少し道を歩いた先で)

 勇者  :「もう! なんだよぉ、道に迷った挙句に、人を襲わせたのかよ!?」

 詩人  :「・・・・・・アナタこそ、見れば分かるでしょうに。」

 勇者  :「え? オレ?オレが悪いのか??」

 詩人  :「まさか人に襲い掛かるなんて、信じられません。」

 勇者  :「お前が差し向けたんだろうが!」

 詩人  :「それはそうと、先ほどアイテムを頂きましたよ。」

 勇者  :「あぁ、きこりのおじさんか?」

 詩人  :「ええ。さ、どうぞ。役立てて下さいね。」

     (何かを渡す)

 勇者  :「こ、これって!」

 詩人  :「見れば分かるでしょう。」

 勇者  :「・・・・・・・・・・木の棒。」

 詩人  :「良かったですね。」

 勇者  :「木の棒が2本あってどうすんだよ?」

 詩人  :「ふーむ。二刀流なんてどうですか?」

 勇者  :「強いのか、それ?」

 詩人  :「成せば成る、成さねば成らぬ何事も。」

 勇者  :「・・・納得するとこだったけど、
       良く考えると、それ答えになってないんじゃ・・・。」

 詩人  :「今はただの木の棒ですが、アナタが勇者になったあかつきには
       【ゆうしゃの木の棒】と呼ばれる事になるでしょう!」

 勇者  :「どんだけ先の話してんだ。」 

 詩人  :「もちろん、生還できた時の話ですけど。」

 勇者  :「縁起悪いこと言うなよ・・・。」

 詩人  :「きっと、プレミアが付いて高値で取引されることでしょう!」

 勇者  :「目が輝いてるぞぉ。」

 詩人  :「ええ! 伝説の詩人は、瞳に星を宿すと言います!」

 勇者  :「凄く濁った光を放ってますけど?」

     (詩人は立ち止まる)

 詩人  :「さぁ、見えましたよ。あれが目的の町です。」

 勇者  :「え? 森抜けたの?」

 詩人  :「はい。何か問題でも?」

 勇者  :「モンスターはどうしたの?」

 詩人  :「好戦的ですねぇ・・・もっと平和的に・・・」

 勇者  :「お前に言われたくないよ。」


 きこりN:城下町を出て、森を抜けた先にあったのは、隣町トレント。
      時間の流れをゆっくり感じられる。穏やかな町じゃった。
      戦闘経験も無く、お金も無い。そんな勇者と詩人の旅は
      やっと始まったばかりである。
      ワシも若い頃は、それはそれは凄い旅をしたものじゃ。
      なつかしーのう。今でも昨日のように思い出すわい。
      しかし、その旅も終え。今では城下町の片隅で細々と生活しとる。
      旅では見つけられなかったが、ワシはここで一番の宝物を見つけたと
      言っても過言ではない。妻と子供・・・これほどの宝は、世界の
      どこにもないじゃろうて。ふぉっふぉっふぉ。
      ワシと妻が出会ったのは・・・・・・・

 勇者  :「長ぇーよ!」


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<つづく?>