−声劇用台本−

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■タイトル

  勇者の・・・ 第3話【勇者の来訪】(仮)

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■ジャンル

  ファンタジー/コミカル

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■登場人物
  勇者(♂):魔王を倒し世界を救うという偉大なる存在らしい。
  詩人(両):吟遊詩人。性別は男。勇者の教育係? ナレ的進行係も。
    長老(♂):町トラントの長老。町娘のおじいちゃん。
  町娘(♀):町中で苦悩する娘。特技:高速ビンタ
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■配役(2:1:1)

 勇者 (♂)(L40):
 詩人 (両)(L41):
 長老 (♂)(L20):
 町娘 (♀)(L28):

  ※L**:セリフ数
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■台本

 詩人 N:魔王討伐の命を受け、城下町から隣町であるトラントへ。
      勇者の初めてのクエストが始まるのであった。

 勇者  :「・・・お? 今回短いな。」

 詩人 N:詩人は悩みを抱えていました。

 勇者  :「普通に喋ろうよ。」

 詩人  :「気にしないで下さい。」

 勇者  :「どうしたんだよ? 悩みなら相談に乗るってば。」

 詩人  :「いえ、いいんです。」

 勇者  :「なんだよぉ。言ってみなって。」

 詩人  :「・・・そうですか? では。」

 勇者  :「ドンとこい。」

 詩人  :「勇者の教育係なんてしなきゃ良かったって・・・。」

 勇者  :「・・・・・・・・ぁぁ。」

 詩人  :「でも、自分から言い出したのですから、最後までやり遂げないと。」

 勇者  :「んー・・・。」

 詩人  :「もう飽きたなんて言えないなぁ・・・って。」

 勇者  :「飽きたのかよ!」

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 長老 N:「勇者の・・・(てんてんてん) 第3話【勇者の来訪】」
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<町:トラント>

 勇者  :「・・・その話は分かったよぉ。」

 長老  :「これはこれは旅の方。」

 詩人  :「この調子では、先が思いやられます・・・。」

 長老  :「これはこれは旅の方!」
 
 勇者  :「はいはい。心がけて取り組みますから〜。」

 詩人  :「本当にお願いしますよ?」

 長老  :「旅の方!! ちょいと〜旅の方ぁ〜!」

 勇者  :「腹減ったなぁ。」

 詩人  :「とは言え、持ち合わせもありませんし・・・。」

 長老  :「行ってしもうたわぃ・・・。わし、そんなに存在感ないかのぅ・・・。」

     (町中)

 町娘  :「はぁ・・・。」

 詩人  :「これはこれはお嬢さん。どうかされましたか?」

 町娘  :「あ。えーと・・・。」

 詩人  :「しがない旅人です。」

 町娘  :「旅人・・・さん?」

 詩人  :「ええ。ですが、もしかしたら私の旅はココで終りかもしれません。」

 町娘  :「・・・はい?」

 詩人  :「それは、貴女と出会ってしまったから♪」

 勇者  :「同行者として恥ずかしいんですがぁ!」

 町娘  :「今度は・・・芸人さん?」

 勇者  :「ええ、旅の芸人です・・・って! 違いますから!」

 詩人  :「いつのまに、そんなスキルを覚えたのですか?」

 勇者  :「スキル?」

 詩人  :「【ノリツッコミ】です。
       その道では、なかなか習得が難しいという噂ですが。」

 町娘  :「あのぉ・・・私は失礼しますね。」

 詩人  :「おっと。こんな芸人はほって置いて。お嬢さん、お待ち下さい!」

 町娘  :「私に何か用ですか?」

 詩人  :「海よりも、私の愛よりも
       深ぁーい溜息をついていた様ですが。」

 勇者  :「余計な比喩入りましたけど。」

 詩人  :「・・・何かお困りですか?」

 町娘  :「ええ、少し悩みが。」

 詩人  :「しがない旅人でお役に立てるのであれば幸いです。」

 町娘  :「助かります。・・・実は、町の人達が
       次々とモンスターに襲われ、行方不明になっているんです。」 

 勇者  :「・・・それって、”少し”悩むってレベルじゃないよね。」

 詩人  :「わかりました。では、この芸人にお任せ下さい!」

 勇者  :「初クエストか! って、さらっとオレだけ行くことになってないか?」

 町娘  :「本当ですか? では、ウチのおじいちゃんに会って行って下さい。」

 詩人  :「積極的ですね・・・初めて会ったその日に、親族の方へ挨拶とは。」

 勇者  :「落ち着け。」

 町娘  :「どうぞ、こちらです。」

 詩人  :「えーっと。”初めまして、おじい様!”
       ”お嬢さんを幸せにします。ありがとうございます”」

 勇者  :「展開速いな。しかも最後の方、
       認めてもらった感じになってるけど。」  
 
 詩人  :「当然じゃないですか。」

 勇者  :「あっそ。」

 町娘  :「さぁ、どうぞ入ってください。」


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<長老の家> 

 勇者  :「はじめまして。」

 詩人  :「初めまして、おじい様! お嬢さんを・・・ふがふが」

 勇者  :「落ち着け。」

 町娘  :「おじいちゃん! 旅の方が、助けてくださるって!」

 長老  :「・・・・・・。」

 町娘  :「? おじいちゃん?」

 長老  :「ぐび・・・。」

 町娘  :「ちょっと! おじいちゃん! お酒飲んでるの!?」

 長老  :「ん〜? なんじゃぁ、セリーヌかぁ。大きくなったなぁ。」

 町娘  :「え? 大丈夫おじいちゃん。」

 詩人  :「お嬢さんはセリーヌと言うのですか、これはまた素敵な名前ですね!」

 勇者  :「・・・セリーヌさん、久々の里帰りだったのか?」
 
 町娘  :「違います。一緒に住んでます。
       おじいちゃーん。酔ってるの? それとも・・・・・・。」

 長老  :「誰がボケじゃ!」

 詩人  :「ツッコミならこちらに。」

 勇者  :「オレを差し出すな!」

 町娘  :「ごめんなさいね・・・ちょっと待っててください。」

 詩人  :「ええ。いくらでも待ちますよ。」

 町娘  :「おじいちゃん。」

 長老  :「んん? どうしたんじゃ、そんな怖い顔して。」

 町娘  :「ふんぬぁ!」

     (高速のビンタが炸裂:スパァーン!)

 長老  :「!!」

 勇者  :「う!?」

 町娘  :「もう! お酒止められてるでしょう?」

 詩人  :「・・・・・・おじい様?」

 勇者  :「・・・長老の動きが止まったな。」

 詩人  :「というか、ぐったりしてますけど。」

     (顔を見合わせる二人)

 町娘  :「もう、おじいちゃん起きて。お客様よっーぉおら!!!」

     (再び逆サイドからの高速ビンタ:スパァーン!)

 長老  :「ぅ・・・お? セリーヌ、帰っておったのか。」

 町娘  :「さっきから目の前にいたでしょう。んもう。それよりお客様よ。」

 長老  :「おお、お客さんか。んー・・・・んん?」

 勇者  :「初めまして。」

 詩人  :「初めまして。」

 勇者  :「あれ? さっきの”お嬢様をどーたらこーたら”ってのは?」

 詩人  :「はて、何のことです?」

 長老  :「話すこと無い。帰れ。」

 町娘  :「え? おじいちゃん、どうしちゃったの?」

 長老  :「ふん! お前達に話すことは無い! 帰れ!」

 勇者  :「なんか、機嫌が悪いみたいだな。」

 長老  :「・・・どうせ、ワシは。ふん。いいんだもん。いいんだもん・・・。」

 町娘  :「だめ! またお酒飲もうとしてぇ。」  

 詩人  :「なにかあったんでしょうか?」

 勇者  :「何があったか知らないけど・・・いじけてるのは確かだな。」

 長老  :「ほら、ワシのことなんか目にも入っとらんじゃないか。
       あんなに呼びかけたのに、無視しおってからに。
       近所のガキ共に指差されて笑われて・・・ワシって一体なんなんじゃ。」

     (町娘が平手を振りかぶる)

 町娘  :「(怒)おじいちゃん・・・!」

 長老  :「はい。」 

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 町娘 N:こうして、旅人と芸人は町娘の悩みを取り除くため
      長老から詳しい話を聞き、近所の洞窟へと出発しました。

 勇者  :「近所って・・・緊迫感ないなぁ。」

 詩人  :「職業は芸人で固定ですか?」

 勇者  :「もうなんでもいいよ。なんと呼ばれようとやることは決まってる。」

 詩人  :「むむむむ。」
 
 勇者  :「なんだよ?」

 詩人  :「・・・今の言葉、格好良かったですね。」

 勇者  :「え? そうかな?(照れ)」

 詩人  :「(小声)・・・勇者ぶったりしちゃったりして。」

 勇者  :「おまえなぁ。」 

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 町娘 N:こうして、旅人と芸人は”心優しい可憐な娘の苦悩”を取り除くため・・・

 勇者  :「ちょっとぉ! やり直すなよ〜?」

 詩人  :「しかも、個人的な部分がかなり装飾されていますねぇ。」

 勇者  :「アンタも良くやるでしょうが・・・人の事言えないって。」

 詩人  :「気持ちは分かりますけどね。」

 勇者  :「そもそも、これって町娘ってより、町全体の悩みだと思うけど。」
       
 長老  :「その通りじゃ! この町の命運は、
       お前達にかかっておるんじゃ! 頼んだぞ!」


     (熱く語り掛ける長老をよそに、軽やかに挨拶する勇者)

 勇者  :「いってきまーす!」

 詩人  :「いってらっしゃーい!」

 勇者  :「お前も行くんだよ!」

 長老  :「わし・・・まだ涙枯れてなかったんじゃなぁ。」
 
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<つづく?>