声劇用台本
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■タイトル

  勇者に何が!?(仮)

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■ジャンル

  コミカル?

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■登場人物

 学生 (♂):名前は英雄(ひでお)就活中。結構まったり系、予想外の将来。 
 キャ (♂):ちょいベテラン。たまに言う冗談が救われない。
 番場 (♀):しっかり者の新人〜中堅アナ。
 馬場 (♂):ちょっと抜けてる新人アナ。
 司会者(♂):ベテラン。中高年。
 アシ (♀):気が強い。気持ちが顔にでる。20代。
 男1 (♂):太めの若者。20代前半〜後半へ。ちょっとヤバ系?
 友達 (♂):英雄の友人で学生。軽い系。
 天野 (♀):現代勇者学・著者。30代インテリ系。

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■配役(6:3:0)

 学生 (♂)(L32): 
 キャ (♂)(L27):
 番場 (♀)(L23):
 馬場 (♂)(L29):
 司会者(♂)(L26):
 アシ (♀)(L32):
 男1 (♂)(L18):
 友達 (♂)(L21):
 天野 (♀)(L14):

  ※L**:セリフ数
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■台本


<朝:自宅>

    (爽やかな朝。小鳥のさえずり:ピヨピヨ)
    (目覚ましの音:ピピピ、ピピピ、ピピピ)

 学生 :「ふわぁ〜あ・・・。朝か・・・だるぅ〜。」

    (TVを付ける)

 キャ :「番組の途中ですが、緊急ニュースです。
      では、現場へ繋いでみましょう。現場レポーターの番場さん?」

 番場 :「・・・どうするの? え? いいの。これで、大丈夫?」

 キャ :「音声が届いていないようですね・・・。え〜番場さん?」

 番場 :「はい。現場の番場です。今日未明、こちらの宿屋病院へ搬送された
      魔王さんの容態が急変したとの情報が入ってきました。
      緊急手術を行い、一時は容態も安定していたようですが
      どうやら勇者に掛けられた魔法によって、スリップダメージを
      受け続けていたことが判明しました。これにより、徐々に魔王さんの
      生命力が減り続け、現在、危険な状態にあるようです。
      この状態を回復させるために、神聖魔法協会に治療魔法を
      使える術者を手配したようですが、通勤ラッシュにつかまって
      しまい、到着が遅れているとのことです。」

 キャ :「番場さん? その勇者にかけられた魔法の種類というは、
      分かっているのでしょうか?」

 番場 :「え〜と。今、こちらの宿屋病院にはそれを確認できる人が
      いないようで、術者の到着を心待ちにしている状態です。」

 キャ :「分かりました。それでは、何か動きがありましたら
      またお願いします。それでは、事件現場の馬場さん。」

 番場 :「はい? え〜・・・。」

 キャ :「あ、いえ。馬場さんです。」

 馬場 :「はい、馬場です。事件現場となった間海(まかい)市のアパートに
      来ています。事件が起きてから数時間が経った今、辺りは
      朝食のいい匂いで包まれています。」
      
 キャ :「馬場さん・・・事件の現場となった場所はどういった状況でしょうか?」

 馬場 :「あ、はい。この悲しい事件は、町はずれの小さなボロアパート。
      2階の一番奥、6畳一間の部屋で起こりました。
      部屋には、先ほどから警察関係者が出入りしており
      階段の昇り降りが大変そうです。また、その足音が地域住民から
      抗議を受けているようです。」
      
 キャ :「えーと・・・。捜査の方は、なにか進展ありましたか?」

 馬場 :「わかりません。」

 キャ :「あー・・・。目撃者等は、居ないのでしょうか?」

 馬場 :「聞いてません。」

 キャ :「・・・分かりました。では、また何かありましたらお願いします。」

 馬場 :「え? なんですか?」

 キャ :「あ、いえ。また、何か・・・」

 馬場 :「はい、馬場です。」

 キャ :「あの、はい。また動きがありましたら」

 馬場 :「以上です。」

 キャ :「・・・あぁ、はい。現場は混乱しているようです。
      それでは、また進展があり次第、お伝えします。
      次はお天気コーナーです。」

 学生 :「・・・なんか、凄いことが起きてるみたいだな。
      おっと、やべぇ! 起きて、準備しないと。」

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<夜:自宅>

 学生 :「はぁ〜疲れた・・・。今日の面接ダメっぽいなぁ。
      結構狙ってたトコなんだけど。気持ち切り替えて明日も頑張ろう。」

    (TVを付ける)

 司会者:「はい、お電話ありがとうございました。
      ええ〜まだまだ視聴者の方からの情報をお待ちしております。
      電話番号はこちら。画面下に出ている2つの番号のどちらかへ
      お願い致します。間違い電話にお気をつけて下さい。
      それでは、一旦CMです。」

 学生 :「なんだ? 特番か。【勇者を探せ】?
      公開捜査か・・・展開速いなぁ。事件あったの朝だろ?」

 司会者:「何度もお伝えしておりますが、今日未明に魔王さんが襲われるという
      事件が発生しました。病院へ緊急搬送されたあと手術を行い
      一命は取り留めましたが、勇者にかけられた魔法によって
      午前10:32。お亡くなりになりました。」

 学生 :「あちゃー、亡くなったんだ。
      でも、勇者って言ってもなぁ。たくさん居るだろう?」

 アシ :「こちら、受付センターです。
      CMの間もたくさんの情報が寄せられています。
      例えば・・・」

    (学生の携帯が鳴る:ピリリリリリ、ピリリリリ)

 学生 :「はい。」

 友達 :「あ、英雄? テレビ見た?」

 学生 :「テレビって、勇者の?」

 友達 :「そうそう! いま特番やってんじゃん。」

 学生 :「うん。やってるね。で?」

 友達 :「つーか、今更だけどさぁ。勇者が魔王倒すとか普通じゃね?
      逆に、今まで誰もやってねーのがおかしくねーか?」

 学生 :「そこはホラ、社会の暗黙のルールってゆーか。」

 アシ :「今夜は、【現代勇者学】の著者である『天野 羽衣(あまの うい)』さん
      をお招きしております。よろしくお願いします。」

 天野 :「宜しくお願いします。」

 司会者:「早速ですが、勇者は何故このような凶行に及んだのでしょうか?」
 
 天野 :「そうですね。一つは、ストレスが考えられますね。」

 司会者:「ストレス・・・ですか?」

 天野 :「はい。勇者という職に就きますと、いろいろと優遇されていることで
      社会的に保護され援助を受けていることで、楽な人生を過ごしている
      というイメージが根強いですが。実際のところは、世間からの期待に
      対しての功績を上げられない事に苦しんでいる勇者が増えてきています。」

 アシ :「【優遇】について、こちらのフリップにまとめました。
      まずは、家宅不法侵入権。そして、次は、
      移動する際の、交通機関の無料化および一部勇者割引き。さらには、
      銃砲刀剣類所持等取締法免除などがあります。」

 司会者:「では、功績を上げられないということは、どういうことでしょうか?」

 天野 :「昨今、勇者は就職したい職業No.1として位置していました。
      つまり、現代社会において勇者を目指している人口が増えてしまったのです。
      この為に、魔物の数が著しく減少してしまい、
      勇者と魔物の対比が逆転してしまったのです。」

 司会者:「なるほど。つまり、勇者が倒すべき魔物不足が原因なんですね。」

 天野 :「そういうことです。メディアでも何度か取り沙汰されていますが、
      一部の勇者による素行が問題となることも増えてきました。
      現在、地域住民の方が署名を募り、各地方公共団体へ提訴している所も
      あるくらいです。」

 司会者:「今、お話の中にもありました就職について街で若者達にインタビュー
      してきましたので、VTRをご覧下さい。どうぞ。」
 
 アシ :「4月19日未明に起こった魔王殺害事件。これにより、魔王討伐を目的と
      する勇者の方々は、目的を失い。また、【勇者】という職業に就いている
      方々は同時に職を失うという状況に追い込まれたのです。
      今日を境に全国のあちこちで失業者が急増しています。
      こちら、職業案内所には沢山の人の姿が見られれます。
      あの〜すみません。」

 男1 :「はい?」

 アシ :「今日起こった事件はご存知ですか?」

 男1 :「もちろんだよ。一応【勇者】やってたんで・・・。
      どこの勇者だか知らないけど、やってくれたよな。
      本当に倒すか? そんなことしたら、この仕事やってけないだろー。
      勇者の風上にも置けない奴だよな。・・・で、そいつ捕まったの?」

 アシ :「いいえ、まだのようです。」

 男1 :「あっそ。とにかく、【勇者】って仕事は
      もう将来期待できないからね。早めに転職した方がいいと思ってさ。
      そうそう。俺の知り合いの勇者候補も沢山いたけど・・・どうすんだろうね。
      失業保険って出るんだっけ? 知らない?」

 アシ :「あのーすみませーん。ちょっとお話伺いたいんですが?」
 
 友達 :「え? なんですか?」

 アシ :「学生さんですか?」

 友達 :「はい。そうですけど?」

 アシ :「魔王さんが倒れられたことはご存知ですか?」

 友達 :「あー。今朝ニュースで見ました。マジっすか?」

 アシ :「はい。先ほどお亡くなりになられたようです。」

 友達 :「うっそ! やっちまったねー。
      つーか、今更じゃないですか? 勇者とか何のためにいるか
      良く分かんない世の中になってたしなぁ。」

 アシ :「学生さんの周りでは、将来【勇者】に就職しようというお友達とか
      いらっしゃいませんでしたか?」

 友達 :「あー。いましたよ。結構、いたんじゃないかなぁー?
      合コンとかで、夢語ってるヤツ多かったなぁ。
      ほら、流行ってたからさ。女の子の前で、
      ”俺は将来、【勇者】になって平和をプレゼントするよ。”
      とか言って。訳わかんねーっつー感じだったけど。
      なんかウケよかったからねー。」

 学生 :「は? お前、テレビ映ってんじゃん!」

 友達 :「アハハハハ! まじだ。この番組だったのかー。」

 学生 :「お前昼間に何やってんだよ。就活してたんじゃねーのかよ。」

 友達 :「だるいから、バックレた。」

 学生 :「波乗りのクセに、そんなことしてると飲まれるぞ。」

 友達 :「なんだそれ? 飲まれるって、何に。」

 学生 :「【不況の波】だよ。」

 友達 :「・・・上手い事、言ったつもりか?」
 
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<数日後:自宅>            


    (爽やかな朝。小鳥のさえずり:ピヨピヨ)
    (目覚ましの音:ピピピ、ピピピ、ピピピ)

 学生 :「ふわぁ〜あ・・・。もう朝・・・う〜。」

    (TVを付ける)

 司会者:「では、次は芸能ニュースです。
      連日報道されています、【魔王殺害事件】は未だ解決の目処が
      付いておらず、犯人の勇者は依然、逃亡中ですが、
      この度『浅井プロダクション』が
      【新世代・魔王オーディション】を開催することを発表致しました。」

 アシ :「全国に埋もれている【魔王】の素質を持つ人材を発掘したいと言うことで、
      【新世代・魔王オーディション】を開催することを決定したようです。
      参加資格などの詳細については、webで確認できるようになって
      おり、どんどん応募して下さいとのとこです。
      タレントの皆様からの応募も受付けている模様です。」

 司会者:「タレントさんの募集も受け付けているんですねぇ。
      と言うことは、アナウンサーでもいいのかもしれませんね?
      良かったら応募してみたらどうですか?木村さん?」

 アシ :「はぁ・・・私ですか?(睨みつける)」

 司会者:「えぇ・・・と。木村さんのような素晴らしいアナウンサーは
      我が社にとっても大切な人材ですからね。
      是非!アナウンサーを続けて貰いたいです。」

 アシ :「それは、応募したら受かるって意味ですか?」

 司会者:「・・・・・では、次のニュースどうぞ。」

 学生 :「アホなキャスターだなぁ〜。余計な絡みするからだよ。
      それにしても、オーディションって・・・。応募するやついるのか?」

 キャ :「番組の途中ですが、4月19日未明に発生した
      【魔王殺害事件】の容疑者であった、【勇者】が逮捕された模様です。
      それでは、現場の番場さん!」

 番場 :「はい。現場の番場です。
      つい先ほど、重要参考人として【勇者】が任意同行されました。
      原っぱで薬草を探している所を発見した地域住民の通報で
      駆けつけた警察官が職務質問をすると、小さくうなずき、
      パトカーに乗って警察署へ向かった模様です。現場からは以上です。」

 キャ :「はい。では、警察署前の馬場さん。」

 馬場 :「こちらは警察署前の馬場です。
      たった今、【勇者】が署内へ連行されていく姿が見られました。」

 キャ :「・・・【勇者】は、連行される際にどういった様子だったでしょうか?」

 馬場 :「分かりません。」

 キャ :「はい?・・・ええと、何か気付いたことはありませんか?」

 馬場 :「そうですね。まるで、パーティを組んでいるかのように
      一列になって、署内へ行進するように入っていきました。
      また、新しい情報が入り次第お伝えしますので。」
 
 キャ :「はい。ありがとうございました。
      以上、報道センターからお伝えしました。」      

 学生 :「遂に捕まったか。悪いことは出来ないもんだな。」

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<夕方:自宅>   

 学生 :「やべっ!寝ちまったよ・・・。くぁー、もう夕方!?
      テレビ付けっぱなしで寝てたのか。」

 番場 :「あのー、隣にお住まいだった只野さんのこと何か御存知ですか?」

 男1 :「隣の人? ・・・あぁ、そういえば。
      最近、女の人と喧嘩する声が良く聞こえてきてたな。
      え?お隣さん、【勇者】だったの? 魔王倒した人??
      あ、そう〜。へぇ〜。」

 学生 :「・・・一日中やってのか、このニュース。
      はぁ〜あ。チャンネル変えてもドコも同じだし。」

 キャ :「魔王殺害事件の動機は、痴話喧嘩でした。」

 馬場 :「魔王殺害事件の重要参考人として取調べを受けていた
      只野 邑人(ただのむらひと)氏が容疑を認めたようで、
      少しずつ供述を始めたようです。
      動機は、交際していた女性と口論になり、魔王討伐を決行した
      とのことです。以前から交際している女性に、安定しない生活と
      将来について言い争うことが多くなり。
      ”あなたの仕事はなんなの?”、”普通の生活がしたい”
      と言われたことに腹を立て、今回の凶行に及んだ模様です。」 
 
 学生 :「そりゃぁ、なぁ。
      結婚相手が【勇者】じゃ、不安だよな。」

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<数年後:新曲発表会・会場>

 アシ :「【魔王】様ぁ〜!すてき〜!」

 学生 :「こんなに沢山の人が集まってくれてありがとう!
      今日発売の新曲【魔界の雫】をよろしく!
      じゃあ、また会おうね!」

 男1 :「はぁ・・・はぁ・・・。」

 学生 :「っ!? なんだ、君は?」

 男1 :「お前のせいで・・・お前が居るせいで!」

 学生 :「ちょ、ちょっと待て! ぐあ!?」

    (刺される魔王(=学生))

 男1 :「何が魔王だ。お前のせいで、彼女がボクの方を向いてくれない。
      お前のせいで、ボク達の関係が壊れてしまう!
      これで、お前が居なくなれば・・・彼女とまた上手く行く。」

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<報道番組>
 
 キャ :「今日、午後1時頃。
      【魔王】さんの新曲発表会が開かれている会場に
      【勇者】が乱入して、沢山のファンの目の前で凶刃に倒れました。」

 アシ :「犯人は、その場で警備していた警察官に取り押さえられ逮捕。
      【魔王】さんは、現在も予断を許さない状態が続いているようです。」

 番場 :「この事件の後、【魔王】さんの熱狂的なファンが全国の勇者連盟に
      押入りました。それに対し、戦士、魔法使い、僧侶などが
      パーティーを組んで、対峙しますが【魔王】勢に押され占拠されました。
      現在も篭城しており、説得を試みておりますが応じない状況です。」
      
 馬場 :「これについて総理は、今後の【勇者】と【魔王】の在り方について、
      国会での協議を考えているとの見解を示しました。」

 友達 :「普通にサラリーマンで良かった。」

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<おしまい>
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