一般に、外部からの作用が無ければ系の秩序は乱れる方向に進みます。
例えば、水に水性色インクを落とすと水全体に広がり、そのまま放置しても水と色インクがきちんと分離することはありません。
自然界の変化は、一般に乱雑さが増す方向に進みます。これは自然界の法則であり、これが熱力学第2法則(エントロピー増大の法則)です。
しかし、B-Z反応は、外部刺激などの制御を行わなくても反応溶液が非常に正確な規則性で色の変化を示します。
また、溶液をペトリ皿などに薄く広げると、溶液中に周期性を持って発生し、時間と共に周囲に伝播していく同心円あるいは渦巻き状のパターンを生じます。その特徴から、このパターンはChemical wave(化学波)とも呼ばれています。
つまりB-Z反応は自己秩序形成をする反応ということができます。
B-Z反応は、1950年代にロシア(旧ソ連)の生物物理学者B.P.Belousovがトリカルボン酸サイクルの研究中に偶然、酸化還元反応が周期的に起こる現象を発見したことにはじまります。
しかし、当時は、そのような現象は、熱力学第2法則に反するものだとされ他の科学者には受け入れられませんでした。
彼の死後、A.M.Zhabotinskyが追試を行い、その反応が間違いの無いことを証明・発表し世に認められました。
新しい発明・発見というのは、得てしてこのようなものなのでしょうか・・・
B-Z反応は、
●反応基質(マロン酸やリンゴ酸などの有機酸)
●媒質(硫酸などの強酸)
●酸化剤(臭素酸ナトリウムや臭素酸カリウムなど)
●金属触媒(フェロインやルテニウム錯体、セリウム、マンガンなど)
などを混ぜ合わせることで起こります。
この混合溶液中で、マロン酸が微量の触媒イオンの存在下で臭素酸イオンによって酸化される反応が周期的な触媒イオンの酸化還元反応と臭化物イオンの生成消失を伴いながら進行する化学反応です。
というと、難しそうに感じるのですが、簡単に言えば、
○水溶液の色が周期的に変わる。
(黄→緑→黄→・・・、赤→青→赤→・・・等、
それも、黄○秒間→緑△秒間と0.1秒オーダーの超正確さ!)
○ペトリ皿(シャーレに)薄く広げた水溶液にウズウズ模様ができる。
(これもまた綺麗な同心円状に。たまに、スパイラルウェイブと呼ばれるタイプのウズも
現れます)
