07 年センター試験(化学)
07年1月21日開催のセンター試験本試、受験なさった方々の手応えは如何だったでしょうか?
ここでは、今年の化学の問題の概評を行いたいと思います。
[第1問]理論(原子・分子・イオン)、生活と化学
問1,問2は基本的。問3の現象説明、問5の日常生活との関連は現行課程ならではの問とは言え、やや新鮮な印象です。問4のモル計算は、モル濃度の定義に巧く持ち込むことが出来たでしょうか。
全体として基礎的な内容ですが、計算の苦手な人には...標準的な内容とは言え...問4が難しいか?
[第2問]理論(熱化学、中和反応、酸化還元反応)
問1の反応熱の定義、色々な用語に混乱した人もいるかも。問2、逆滴定によるアンモニアの定量で、酸と塩基の当量関係の式が正しく書ければ、あとはアンモニアのモル数を標準状態の体積に換算するだけ。問3,問4は酸塩基反応や酸化還元反応の総合問題。一つ一つをしっかり確認したいところ。問5、鉛蓄電池の反応が知識として必要。b の問は電極の質量変化を扱っていることに注意。モル比と勘違いした人が居たのでは?
去年同様、ここが最大の難関かも知れないが、去年よりは若干易しそうです。
[第3問]無機化学
問1、現行課程らしき日常生活との関連。それまでの教科書でも随所で扱われてはいた内容が多いですが、結局は日頃の関心がものを言いそう。問2、各族の単体や酸化物が示す基本的な性質を問う問題。問3、金属ナトリウムの性質を問う知識問題。問4、生じる気体が塩素であることが分かれば、あとはその性質を知識として持っているかどうか。問5、遷移金属元素の化合物やイオンの性質を問う問題。細かい知識が問われるが、内容は標準的。問6、見てくれに騙されそうだが、実は原子量を求めるだけの単純な問。四塩化炭素を知っていれば易しいはず。
総じて、標準的な内容と言えますが、去年よりも出題内容はバラエティの幅が広がり、無機各論の苦手な人には後半が辛かったかも。
[第4問]有機化学
問1,問2、基本的な分類と分子式、異性体に関する基本的〜標準的な問。炭化水素や官能基の基本的な構造、構造異性体と立体異性体の概念の違いを理解していれば易しい。問3、様々なカルボン酸の性質に関する問で、標準的。問4、エステルの構造決定で、b からカルボン酸部分がギ酸とすぐ分かれば易しい。が、ギ酸はフェーリング反応陰性のはずなので、問としては不適切か。銀鏡反応陽性に設定しておけば、良問だったかも。問5、アニリンから出発してジアゾカップリング反応による色素の合成を考える問題。問6、混合物の分離を考える問題で、典型的・標準的な内容。問7、有機分野最難関の計算問題。生じた水のモル数からケトンの n を決定できれば、あとは普通のモル計算なのだが。
<総評>
昨年の第2問で見られたような手間のかかる計算問題は影を潜め、計算問題の内容は比較的単純になりました。しかし、正誤選択問題の内容は、思考力を要するものが増えた印象を受けます。一つ一つは標準的ですが、問われる内容の幅が昨年よりも広がったようです。
総じて、去年よりはやや手応えのある設問が増えたかも知れません。計算の極度に苦手な学生に対する配慮はあるにせよ、やや知識偏重かな?という嫌いはありますが、去年のセットに対する反動でしょうか。
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