[アドベンチャーゲームの分裂と融合]
8ビットPC黎明期に登場した、動詞と名詞を組み合わせたコマンドを入力する事によってストーリーを進めるゲームを日本では「アドベンチャーゲーム」と呼んだ。
海外ではテキストのみの「ZORK」を祖としてスタークラフトの壮大なスケール(FD5枚組!)など、国内ではアスキーの「南青山アドベンチャー」やハドソンの「デゼニランド」「サラダの国のトマト姫」などが有名。
ただ当時は「価格をプレイ時間で割ったコスト」が低いゲームが良ゲーとされていたため、無理に入力する「動詞+名詞」を難しくして難易度を上げるゲームが目立つようになる。「アドベンチャーじゃなくて単語探しゲームだ」と揶揄されたのもこの頃。
この状況を打破したのが、後にドラクエを作る事になる堀井雄二である。
堀井雄二はアドベンチャーゲームのコマンドを10種類までに制限し、それをテンキーの0〜9で割り振りテンキーだけでゲームが進むようにした。(「ポートピア殺人事件」)コマンドが10種類という事は全シーンで全コマンドを試せばいい(コマンド総当たり)ので難易度が低くなる(=すぐゲームが終わる)のでは、と言われたが堀井アドベンチャーは謎解きパズルの導入や相手が矛盾発言を発した時のみ追求できるようにする等の工夫を凝らした。
またアドベンチャーゲームのシステムは推理ストーリーを再現するのにもってこいだという事も判明する。アイテム(証拠品)を収集し、それを容疑者に見せ、新しい情報を元に行き先が増える…元々は「ミステリーハウス」のような探検・冒険モノがメインだったアドベンチャーゲームは堀井推理シリーズのヒットもあって一気に推理モノ中心に特化する。
一方でPCグラフィックの機能向上もあり、デジタルコミック的アドベンチャーゲームも増加する。「紙芝居」と揶揄されたデジコミ系も、スクウェアの「ウィル」「アルファ」エニックスの「セイバー」など美少女のアップやアニメ機能を付加した思春期青少年狙い打ちゲームが増える事により一ジャンルが形成される。PSK(パソコンショップ高知)の「ロリータ」、チャンピオンソフトの「フェアリーズレジテンス」など明らかに猥褻要素をウリにしたアドベンチャーゲームが増加し、以降市場での何らかの自主規制が求められてゆくのだった。
〜以降15年ほどワープ〜(←はしょりすぎや)
純然たる推理ADVの系譜を経ている秀作「ELLE」をはじめ、所謂8ビット時代の「アドベンチャーゲーム」に拘り続けたソフトメーカーであるエルフと、一般向にも関わらず猟奇殺人や愛憎劇・子供への対象を度外視した犯人や犯罪にまつわる事件の裏側のヘヴィさ溢れる「御神楽少女探偵団」が融合したのは必然なのだろう。「遺作」などもアイテム収集過程などワザと「古いアドベンチャーゲーム」を意識しており、いつかこの手のアナクロ的推理ゲームがエルフから出るのではと思っていたが、まさか「御神楽〜」の殻を被るとは意外だった。
正直ゲーム内容自体もすぐ手詰まりになってゲームオーバーになりまくる辺りも「懐かしさ」を感じるのだが。30代以上限定?とも取れるこの「新御神楽〜」を今あえて出すエルフを評価したい。
※デジコミ→ビジュアルノベル発生の過程とそれに伴うシナリオの重要性については別項で。(別項があるかどうかは気分次第)
※むぅ、なんかエルフにお金貰ったような文章になっちゃったナ