毎年3月25日はお昼12時頃からパレードがあり、家々のベランダにはギリシャの国旗が飾られます。ギリシャは東ローマ帝国(ギリシャ人が中心の、ギリシャ正教の国家)が1453年にオスマン帝国(トルコ)に滅ぼされて以来、トルコ人による支配が長期にわたって続きました。1821年の3月、ギリシャ各地で反乱を機に、ギリシャ独立戦争が始まります。正式な独立は、1829年になりますが、この1821年の3月25日はトルコに反旗を翻した日として、ギリシャでは大事な記念日です。そして、この日はキリスト教の祝日。聖母マリアにキリスト誕生を天使が告げた日です。前日24日の夜はたくさんの人が教会へ出かけます。
小学生と中学生などのグループはギリシャの各地方の伝統衣装、もしくは制服(普段は私服通学で特別なときだけ着る)を着て行進し、
最後には、赤十字の車両や、消防団なども車両とともに行進します。公式な招待客である、軍、警察の将校や、政治家は、中心に設けられた席で見物します。
25日のお昼のメインは魚、それも伝統はバカリアロスのフライです。サラコスティという、復活祭までの40日間(実質50日間)の断食の季節に当たっている為、お祝いの日にはかかせないお肉を食べず、お魚を食べる習慣になっているのです。
私の実家でのお昼のメニューは、まずこのフライと、2種類の小魚のフライ。日本でも食べるのと変わりません。そして、スコルダリアと呼ばれる、プレのようにすりつぶしたジャガイモにたっぷり生のつぶしたにんにく(ギリシャ語でスコルドと呼ばれます)を混ぜてある料理。これも皆が魚のフライにあわせる、伝統の食べ物です。
このスコルダリアは、力仕事で大変ですが、ゆでたジャガイモを石うすのようなものでつぶすのが、本当の作り方のようです。大変なので、電動ミキサーでも作りますが、味がちょっと違うように感じます。
現代のエリネス(ギリシャ人)達Part3−ギリシャ人の食の楽しみ 
ギリシャ全土から観光客が押し寄せるパトラスのカーニバル
ギリシャでよくニュースになっているのは、ヨーロッパの中でも、特に高いという肥満率。赤身の肉の消費率がヨーロッパ平均と比較して非常に高いという結果が、昨日報道されていました。また、伝統的な食事が忘れられていって、野菜の消費は減っている。発がん性の疑いが問われているフライドポテトを、頻繁に食べているということも同時に言われていました。
このフライドポテトが実際、ギリシャではよく食卓に上ります。フライドポテトというものは、単にアメリカのファーストフードであると思い込んでいたので、意外でした。ファーストフード店の冷凍ポテトとは違って、家であげるフライドポテトは確かにおいしい!私が気に入っているのは、牛肉の塊を時間をかけて大量のレモン汁で煮る、レモナートという料理。煮汁をフライドポテトにもかけて、お肉と一緒にお皿に盛ります。
じゃがいもは、5キロが一般的な一袋で、市場で売られています。毎週のようにこの5キロを買う人がたくさんいます。野菜は、日本とは買う量の単位が違います。例えばほうれん草は、なんと2キロが4〜5人分のスパナコ・リゾというほうれん草リゾットの材料分です!ホルタ(=直訳すると草、雑草など。)というのも、まだ名前がよく私もわかっていないのですが、要はかすかに苦味のある青い菜っ葉が数種類総称してそう呼ばれていて、やはり2キロほど買って、たっぷりの水で柔らかくなるまでゆで、オリーブオイルと、塩コショウで食べます。ギリシャでは食卓にいろいろと違う料理をそろえていろいろつまむことは、お祝いや特別な日にしかしません。普段の食事は、各自お皿一枚置いて、こういった料理一品のみです。ホルタでも、メインディッシュようのお皿に山盛りホルタだけだったりします。ホルタに合わせる料理として多いのは焼き魚。一番庶民的なお値段で、おいしい白身のお魚チプーラを、オリーブオイルをたらしてオーブンで焼くだけで簡単ですが、ご飯にも合うおいしい魚です。
ほうれん草やホルタは、買物袋2袋に一杯くらいのものを買って帰ってきますが、これを今度は洗うのが大変です。キッチンのシンクをそのままバケツのように使って、何回も水洗いして土を落とします。洗ったら、テーブルを全部使って、新聞紙の上で水気がなくなるよう乾かして新しい新聞紙にまた包んで冷蔵庫へ。料理するときはまた全部広げて、少しでも傷んでいたり黄ばんでいる葉っぱは全て捨てます。それがまた思い切って捨ててしまうので、買ったうちの3分の一がゴミになってしまうこともあります。日本ではあれで捨てていたら、食べるところがなくなってしまうかもと、心配してしまうくらい、本当に新鮮できれいな葉っぱしか料理に使いません。ともかく、この一連の作業がちょっと疲れるので、若い人ほど面倒がって、なかなかホルタやほうれん草を料理しなくなっているようです。
パンは主食で必需品です。スパゲッティにも、お米にも、お肉にも、魚にも、どんな料理にも必ずパンを食べます。お肉は、鳥は今怖がって買わなくなっていますが、豚、牛、そして高いのですが、特にお祝いごとにかかせないのが、羊。ウサギも食べます。お肉の一人分という一般的な量は、多分日本の3倍以上くらいでしょうか。
出前をする店は、ギリシャにはとにかくたくさんあって、大量のチラシが配られます。ギリシャ人は太ることの心配よりも、食を楽しむので、夜遅くてもお腹がすいていれば、普通に食べます。夜12時頃に出前を頼んで、テーブルにスブラキ(炭焼きの串刺し豚肉か鶏肉)、ココレッツィ(羊のモツでつくられたやはり炭火焼料理)、鳥のもも、サラダ、フライドポテト、パン、ピタ、コカコーラなどを広げ、肉を手づかみで(これはイタリアでも同じ。日本人である私が、フォークとナイフで骨をはずそうとすると、手をつかいなさいっと注意されてしまいます。)皆で食べている風景は、ちょっと遠くから見てしまうのですが、ギリシャは肉食文化の国なんだということを、再確認させられます。
海の国であるギリシャですが、そういったわけで、魚の消費は肉に比べて極端に少なめです。それに日本より高い感じがします。シーフードで人気があるのは、イカのフライで、専門のレストランがたくさんあります。シーズンには、イカ釣り漁船の明かりが、夜の海にたくさん浮かんでいます。このイカのフライによくあわせて飲むギリシャのお酒が、ウーゾです。水割りにすると、水を入れた途端に白くにごります。イタリアのグラッパにアニスの香りをつけたような感じですが、値段はとても安くて気軽なお酒です。
ギリシャのメインの食事は、イタリアと同じくお昼ご飯です。そして、日本の主婦がうらやましがるに違いないことに、主婦のお仕事として、料理は一日一回だけ。メニューも毎日一食分だけ考えればいいのです!朝食は、エリニコス・カフェス(⇒カフェ物語の6を参照)のみか、フリガニャと呼んでいるパンを乾燥させたラスクのみ。外に朝出かければ、ドーナッツや、クルーリという、ゴマつきのパンを買って食べることも多いです。クルーリはパン屋さんだけでなく、クルーリだけを売り歩くクルーリ屋さん(普通、年配のおじさんです。)が街頭で売ったり、オフィスなどに売りにいったりします。朝銀行に何かの振込みで出かけたら、普通に銀行の中でも行員さんに売ったりしていたことがあります。ギリシャは職場からコーヒーなどを最寄のカフェに注文するので、そのコーヒーを運ぶ、アルミのお盆をぶらさげたウェイターもよく見かけます。
晩御飯という感覚がないので、晩はお腹がすけば、お昼の残りをつまんだり、出前を注文することになります。そしてお昼ごはんが遅ければ2時やそれ以降だったりするので、その場合夜もずれこんで、晩は夜10時以降に食べるのがまれではありません。日本ではラストオーダーが10時半ですが、そのせいで、私のだんなさんである、ギリシャ人の彼は、日本に来たとき毎日晩御飯を食べ損ねていました。
お酒もよく飲むのが標準的なギリシャ人ですが、男性やお年寄りも含めて例外なく甘党です。私には甘すぎて食べられないお菓子もあります。はちみつが伝統的なお菓子(由来はトルコであるお菓子)のバクラバ、カタイーフィなどから、チョコレートケーキまで、ケーキ屋さんはたくさんあり、唯一日曜も開いているだけでなく、夜も11時や12時まで開けています。ただしケーキ類は日本ほどいい材料で作っている店が少なくて、例えば、パトラスでは食べ歩きしましたが、一軒のケーキ屋さんだけが、味がよく、よい材料を使っていて、やはりその店だけ値段が高めです。昔の日本のように、ケーキなどの洋菓子の伝統がないので、家でもケーキを焼く人は少なく、子供の誕生日も、飾りが一杯で味がちょっとイマイチのケーキをオーダーしたりしています。
コレステロールが慢性的に標準値を超えているのが、当たり前のギリシャ人ですが、長生きする人たちも多いのは、楽しむことに遠慮をしない、大らかな国民性なのであろうというのが、私の出した結論です。
記載日:2006年3月16日
現代のエリネス(ギリシャ人)達Part2−ギリシャ人の楽しみ 
ギリシャには、人口に比較すると信じられない数のカフェテリアが存在します。カフェテリアは顧客獲得の競争に勝つ為に、毎シーズンでも改装を繰り返します。普通の初任給が700ユーロ(10万円に満たないくらい)前後しかない若い人たちは、毎シーズン、新しいファッションの服に身を包み、カフェで仲間とおしゃべりをして過ごしています。
例えば私が住むパトラス市のヨットハーバー沿いやメイン通りは、集中してそれぞれカフェが6軒から10軒ほど並んでいます。コーヒー、ソフトドリンクそろぞれ1杯2ユーロ50セント(約350円)以上します。ギリシャ人はイタリア人と対照的に、コーヒーをゆっくりと冷たくなっても少しずつすすりながら、おしゃべりに没頭します。若者はどこのカフェにも置いてあるタブリ(すごろくのような盤ゲーム)を借りて、遊びながらおしゃべりをしていたりもします。お水が絶対ついてきますが、水道水で出してくれる所と、ミネラルウォーターで勝手に追加料金をとる店があります。コーヒーなどの値段はアテネの繁華街ではもっと高く、一杯3ユーロ以上します。
そして服も高くて、ギリシャのファッションメーカーでは、質の悪いけれど流行であるものが25ユーロくらいしてしまうので、ZARAなどが人気でいつも混みあっています。そのおかげで中国人が5ユーロ。10ユーロしかしない服を売る店を、パトラスでもアテネでもどんどん増やして成功しているようで、ギリシャの同業者から反感を買っています。ギリシャ人は、基本的に流行遅れの服は捨てるという感覚でいて、流行っている物でさえあれば、質にはあまりこだわらない傾向があります。
カフェテリアは、イタリアのバールと同じく、夜はお酒を飲むところです。夜の9時以降に出かける人々は、大抵カクテルを注文します。その時間になると、店内を暗くし、照明も変え、音楽のボリュームを上げます。カクテルは6ユーロから7ユーロくらい。お変わりをしながここで過ごす人や、クラブへ移動して、平日であれば閉店の夜2時頃まで過ごす人などいろいろ。クラブは週末は朝までやっています。(昔はこういった営業時間の制限はなかったそうですが、酔っ払って事故を起こす若者防止で、制限が設けられました。)徹夜の夜遊びが大好きなギリシャ人たちは、平気で徹夜をして寝ないで翌日仕事へ行ったりします。
さて、ギリシャ人の過ごし方の伝統が週末の夜12時頃開店するブズキャです。正面はステージで、ギリシャ音楽のポップスなど歌手が生で歌います。ステージに一番近い席は一番高くつきます。テーブルごとに、ウイスキーを注文しなければならず、そのウイスキー代がすごく高いとのこと。席は後ろに行くほど一般人向け。ステージの前の席は、有名ブズキャの有名な歌手ばかりが歌う店では、コネがないと絶対座れないそうです。盛り上がってくると、お客さんもテーブルの上や、ステージに上がったりして踊りはじめます。くきのないカーネーションの花を盛ったかごが絶えず売られていて、踊る女性や、ステージの歌手に花を投げます。花はこうして投げるためだけの物ですが、かご一つにつき、確か10ユーロくらいもします。シャンパンも同じく踊る女性などに、男性がオーダーして踊っているところへウェイターがついだシャンパンを持っていきます。
今有名であるギリシャ音楽の歌手たちは、皆小さなブズキャで少しずつ人気が出て、そこからだんだんと大きな有名ブズキャに引き抜かれて成功していった人たちです。また、ギリシャの白黒映画にでてくる昔のブズキャは大変庶民的で、小さい空間であったのに比べると、今のものは大変商業化しています。悪い一面としては、最近あるTV番組で指摘されていたのですが、店のお金儲けが主体になってしまっているので、まがいものの質の悪いドリンクを出していたり、ナッツ類は残り物をまた何回も使って出しているなどという、衛生上の問題など。もちろんいくお店によるはずですが。とはいえ、何があってもこのギリシャならではの雰囲気は、一度は味わうべきです!
こういう様々なギリシャでの楽しみかたは、はっきりいって高くつきます。ところが、私の知っている慎ましいイタリア人とは異なるのが、このギリシャ人のお金の使い方!貯金もとくになく、普段ぎりぎりで生活している普通のギリシャ人でも、楽しみにはお金をけちりません。けちることを嫌います。例えば、よくギリシャにくる観光客として、ドイツ人が多いのですが、ドイツ人が、船では寝袋、ホテルも安いものを探し、なるべくスーパーなどへ買出しにいって自炊するのが、ギリシャ人には理解できません。旅自体を楽しむという感覚は私達日本人も持っていて、貧乏旅行であろうとも、新しい世界を見るということ自体に、価値を感じているのですが、それがわからないらしいです。旅行はバカンスである。バカンスは、優雅でなくてはいけない、というのがギリシャ人の理論です。けちけちしないといけないくらいお金を使いたくないなら、旅行に出発しない方を選ぶとのこと。というわけで、やっぱりバカンスに出かけるギリシャ人はとても限られています。そのかわり、カフェやクラブはいつも人で一杯です。
記載日:2006年3月16日
現代のエリネス(ギリシャ人)達Part1−基礎編
ギリシャの国名は、ギリシャ語で「エラーダ」もしくは「エラス」といいます。ギリシャ人のことは、男性が「エリナス」、女性が「エリニーダ」というわけで、「エリネス」とは不特定多数を指す複数形です。
ギリシャ人はエリナスであることを大変誇りに感じています。しかしながら、国全体のために何かしようというような意識は全くなく、個人主義です。政治には興味をもっていて、ニュースも熱心に聴いていますが、その政治は2大政党が足の引っ張り合いをしているような感じで、なかなか何事においても改善されて行きません。物価は高騰し続けているし、失業率も相変わらず高く、平均所得は、最初のヨーロッパ共同体の国々の中でも最低レベルです。それでも、ギリシャ人は新しいもの好きで、消費欲では日本人に負けません。さすがに本物のヴィトンやグッチを誰でも持っているということはありませんが、服・靴などは季節ごとに流行の新しいものを買い、携帯電話もどんどん新しいものに買い替え、通りを走る車は新車のオンパレードとなっています。たくさんある、おしゃれなカフェはいつも、若者だけでなく年配の人までおしゃべりする人たちで一杯です。それもさらにおしゃれな新しいカフェがオープンすると、またそこへお客さんが流れていくといった具合。なので、毎年のように内装のリニューアルすることも珍しくありません。ユーロを円で換算すると、この数年で円が下がっているので、ものすごく低い平均給料も少しマシに感じますが、それでも日本の半分以下なので、どうやって生活しているのか不思議なくらいです。
実際大半のギリシャ人は貯蓄があるわけではないので、車でも家電でも、何でもローンで気軽に買ってしまいます。普通のローンのお買い物だけでなく、最初の一年間はただで、支払いは2年目から、とか、月々数百円ずつ腹って携帯電話や、TVなどを買えるという広告で一杯です。クレジットカードはあまり使っている人がいません。日本のようにお金代わりに使ってポイントをためるというのではなく、使うとすれば本当に現金がないからなので、支払いができない人が一杯いるらしいのです。車もローンが払いきれなくて返さないといけなくなってしまう人がたくさんいる、などというニュースで聞いたりもします。
2004年オリンピック開催に合わせて完成した、リオ・アッディリオ間の橋
また物価はイタリアに住んでいた私がびっくりするくらい、イタリアに比べても高めです。衣類の洗剤のたぐいから始まって、シーツやら、もちろん衣服でもスリッパや靴でも、イタリアからの輸入が多く、イタリアの倍は軽くします。スーパーマーケットにいって牛乳、ヨーグルト、といったギリシャ国産のものを買っても、やっぱり高くて驚きます。牛乳は日本より高くて、1リットルが地域産の一番安いので145円くらい、他全てのメーカーのが170円以上もするのです。ヨーグルトにいたっては、ギリシャの有名なメーカーのヨーグルトが、輸出先のイタリアのスーパーでギリシャより安く売られていると、イタリア留学中のギリシャ人が言っていました。もともと国産品というものが少ないギリシャですが、文房具はドイツ製・日本製・イタリア製、車も日本製・ドイツ製・フランス製・イタリア製・アメリカ製・韓国製、キッチン用品やフォークなどにいたるまでとにかく、ギリシャ産のものは見当たりません。
日本人がギリシャ人に抱くイメージというのは、今でもギリシャ彫刻であったり、古代ギリシャの神話であったりすると思うのですが、どんなにたくさんのギリシャ人を知るようになっても、古代ギリシャとの接点というのは全く見えてきません。それよりもイタリアからギリシャへ渡った最初の印象から変わらないのが、ギリシャはヨーロッパ文化の発祥地であるにもかかわらず、アジア的な要素が強いということです。町並みも、都市設計のようなものがなく、ごちゃごちゃ建っていて、店などの看板もいろいろ歩道に出っ張っていて、なんというか一見して、ヨーロッパより庶民的なアジアの街を彷彿とさせるものがあります。そしてギリシャ人の男性はどちらかというと日本人に近い感じがします。例えば、イタリア人の男性であれば、人前で泣く事もあるし、ある程度親しければ、久しぶりに出会ったとき、女性を抱きしめて両頬にキスします。同じ場面で、ギリシャ人であれば、「男だから泣かない」と思っているし、相手が女性であれば、両頬には控えめにキスしますが、抱きしめるのは遠慮します。
未だにカフェニオンには男性しかいません。たまに同伴であれば女性も行くことがあります。私も入ったことはありますが、女性一人しかいないってちょっと居心地が悪いかなあといった印象でした。「カフェニオン」というのは、最近はモダンな新しい店もありますが、ほとんどが昔のままを維持した、古びた味のあるカフェで、内装や椅子なども昔のまま、お年寄りから若者までが集ってサッカーを見たり、タヴリという一種のすごろくのようなゲームをしたりして、ギリシャコーヒーだけでなく、おなかがすけば、自家製風のワインなどを飲みながらつまみを頼んでいくらでも時間をすごせる場所なのです。日本の居酒屋ほどメニューがあるわけではありませんが、アットホームな古い居酒屋に雰囲気が似てるかもしれません。女性にそういう場所がないのは、ずるいなあといつも感じます。今の、ギリシャ人の年配の女性は、日本のように喫茶店に友人と出かけたり、趣味の習い事をしたり、女性だけで旅行にいったりといった活発なところが全くないので、そのうち今の若者が年をとったら、カフェニオンも変わっていくんでしょうか。
またギリシャでは、若者でもまだ信じている迷信があります。カコ(悪い・邪悪な)・マティ(目)といって、それから守る為のお守りがよくお土産やで売られていますが、丸い一つ目みたいなもようがついています。夕方に頭が重くてあくびがたくさんでる時や、赤ちゃんがぐずる時に、「クセマティアセ(邪悪な目を追い払うおまじないをして。)」といってこのおまじないを知ってる人にお願いします。コップのお水に、お祈りをとなえながら、オリーブオイルをティースプーンでたらします。水面でその一滴のオイルが散って見えなくなったら、「マティアズメノス」(邪悪な目にやられてる)ということ。そうでない場合は、オイルが水面ではっきり丸く浮きます。このおまじないは、その場にいなくても、遠くにいて、電話でお母さんなどにお願いしても効きます。また地域によって、おまじないの方法が違うみたいです。私もあくびがとまらないときにしてもらったら、その直後から頭がすっきりした気がしました。気のせいかどうかはともかく?
この話をイタリアに昨年行ったときしたら、イタリア人もああ知ってる知ってるといって、同じ迷信「マロッキオ」(イタリア語で邪悪な目)と、そのお払いをするおまじないのことをみんなが知ってはいましたが、今のひいおばあちゃんの世代までがしていて、特に信じている人はいないようです。
記載日:2005年11月4日