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0402

フォーリング・ダウン Falling Down
制作年/1993年
制作国/アメリカ合衆国
監督/ジュエル・シュマッカー
出演/マイケル・ダグラス/ロバート・デュバル/バーバラ・ハーシー/フレデリック・フォレスト/レイチェル・ティコティン/ジョーイ・ホープ・シンガー
整理番号/0402

ストーリー

ロサンゼルス。渋滞に嫌気がさしたサラリーマンが、とうとう切れた。彼は車を放り出し、街に出てストレスを暴力によって発散させる。次々と街の店を襲う男。その日偶然にも退職日の刑事がこの事件に気が付いた。捜査していくうちに、男は離婚され、リストラされていたことが判明する。

感想

昔見たのでなつかしくて買ってきた。不景気な頃のアメリカで、リストラ・離婚されて狂った白人サラリーマン。とうとう銃で街に乱射。見どころは、

銀行の前で「俺は不良債権者だと一目で言われて融資を断られた」とプラカードで銀行誹謗をする黒人。

ハンバーガーショップの商品のまずそうな現実。

ミリタリーショップのおやじのファシスト的狂人ぶり。

全体的にワスプじゃない人種が群れている。ヒスパニック系とか。主役系以外みんなワスプじゃない。

当時まで、アメリカのメジャー映画は「ようやく黒人を画面に出した」くらいに現実を受け入れてはいたが、この映画はそれにアジア系、ヒスパニック系アメリカ人を大量に出すということをやった。昔の映画ではこんなにアメリカの人種の現実を描写することは「まれ」だったので、初めて見た時は「やっぱりか」と思ったものだ。ビル・クリントン政権になる以前のアメリカは、不景気で大量の不良債権者とリストラ・証券会社の倒産を出した。今の日本と同じ状態だった。ビル・クリントン政権になってから、企業改革・社会改革(つまり労働コストを海外に移転)を大幅にやって、今のように持ち直した。その変わり、アメリカ国内の職種はサービス産業が多く、製造業が少ない。だからちょっとしたことで「株価」が変動すると、すぐ経済にゆらぎがいく。そして政府は株価安定の為に「軍事開発」部門で新兵器ショーを連発させる。日本の不景気の今と重ねあわせてしまう映画だった日本もアメリカのように「再生」すべきだとの意見が1998年からあった。今の小泉政権はそれを実行しているだけである。「軍事開発ラッシュ」国になることを避けては通れないのかも知れない。('2004/12/22/荒巻圭子)

0401

女王メディア
制作年/1969年
制作国/イタリア
制作/フランコ・ロッセリーニ
監督・脚本/ピエル・パオロ・パゾリーニ
音楽/ピエル・パオロ・パゾリーニ
出演/マリア・カラス/ジュゼッペ・ジェンティーレ/マルガート・クレメンティ/マッシモ・ジロッティ/ローラン・テルジェフ
整理番号/0401

ストーリー

「オペラ」の中でも有名なエウリピデス作「メディア」をパゾリーニが映画化。これまた有名オペレッタのマリア・カラスが主演している。

イアソンは至宝「金毛羊皮」を所有している辺境の国コルキス王国に戦争をしかけ、金銀の略奪品とその国の祭祀女王「メディア」を連れてくる。しかし地方イオルコス王国の叔父-王はそれを認めず、結局イアソンは都会の国コリントス王国にメディアと結婚し連れて行く。そこで子供を作っていた二人だが、イアソンに王の娘との婚姻という出世話しが持ち上がる。捨てられると決まったメディアは己の能力を使い、イアソンの出世の道を閉ざす。そして子供も殺害し、己も果てる。残されたイアソンの心は……

感想

本来は「ドラマ」にすべきなのかもしれませんが、画面から薫るただならぬ緊張感から、サスペンスにしました。ギリシア悲劇の伝説神話「メディア」です。主演のマリア・カラスは有名ですが、ギリシャ移民なのだそうで、大変画面にはまっています。いかにも「女王」にふさわしい貫禄。もう何も言えません。この「メディア」に出てくる女性は、メディア以外はほぼみな「白痴」です。ほとんど言語も喋れず、ただ美しいだけの女が沢山出てきます。メディアのみが「記憶」を保持していられます。つまり「健忘」にならない−知性がある女性ということです。そして知性あるがため、自分の国から脱出し、また都の王国から追いやられようとします。古代、女性はまだ男性より劣っていたことは、歴史を勉強すると分かってきます。だからこそ、この映画が私にはいいのです。「メディア」だけが「人間」として立脚していることに感動を覚えます。ところで、なぜ最初のシーンでメディアが自国を脱出する際、弟を殺害したか、は多分…メディアは弟と近親相姦常態にあったのでしょう。子孫を残すために。メディアの国では食人行為が祭儀としてあったようで、戦争に負けると首長は責任を執らされて、多分殺害され、村人に食料として配られるのではなかったのでしょうか。だからこそ、メディアはイアソンの元に「逃げた」のだと思うし、弟もあまり賢くなかった。足手まといだったので殺した。そう理解しています。監督のピエル・パオロ・パゾリーニ。たぐいまれな才能だと思いました。('2004/12/03/荒巻圭子)