レジェンド 三蔵法師の秘宝(2002・中国=香港=台湾)

 主演のミシェル・ヨーは製作総指揮も兼ねている。彼女の作品と言えるのだろう。「ポリス・ストーリー3」でジャッキー・チェンと共演し、「007 トゥモロー・ネバー・ダイ」ではジェームズ・ボンドとも共演している彼女の、綺麗でアクションも出来る魅力が満載・・・の作品になるはずだったのだが、今一つの感が拭えない。この映画はジャッキー・チェンの「香港国際警察」を見て、カンフー映画の面白さを再認識したばかりだったので、思わず見に行ったのだが、カンフー映画とは言えないものだった。

 カンフー映画ではないとしたら、一体何なのかという話だ。「インディ・ジョーンズ」風のアドベンチャー映画・・・としても今一つ中途半端だ。恋愛映画としても然り。カンフーもアドベンチャーも恋愛も味付け程度なのだ。主要要素が味付けとなり、一体何の映画なのかよくわからないというのが正直な感想だ。後半の見せ場では、炎の包まれた足場の悪い洞窟でのワイヤーアクションを見せてくれる。中国に伝統的に伝わるというアクロバット芸を駆使したアクションということなのだろうが、伝統的な魅力とはかけ離れた最新技術のCGが前面に出すぎていて、魅力を帳消しにしている。画面からブルースクリーンが透けて見えている。

 おそらくは、「グリーン・デスティニー」のヒットからワイヤーアクションを使った世界に通じる香港映画をということだったのだろう。そのために、ほぼ全篇で英語が使われているし、西洋人も多く登場する。無国籍的な雰囲気を漂わせつつ、中国やチベットといった要素がこれまた味付けのように使われている。この映画は、突き詰めれば楽しませてくれそうな部分が味付けとなってしまっている。カンフー然り、アドベンチャー然り、恋愛然り、中国然り、チベット然り。ひたすら味付けをしているが、調味料をふりかけるその先には何も見えない。
(2005,5,15)