創作術について

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執筆 

1話の書き方



 この部分は、本当に書いていいのかどうかを迷う。人による、という言葉がほんとうに当てはまる箇所です。結論から書く人、ウリの部分から書く人、冒頭から順番に書く人(←私)会話文で最後まで一気に書いてあとで地の文を加えていく人……やりやすい方法でやるのがいいです。そこに作法はないと思うので。最終的に読める作品が仕上がってくるならば、どういう風に作っていっても構わないのだ、と思います。
 既にプロットを組んである人でも、頭から書く人とそうでない人がいるのだ。計画書なんかなくても、手順が確立されていて、執筆に迷わない人もいる。
 計画書はあまり意味を持たない。
 だからここでも、私の場合は、という但し書きをしてから始めようと思う。

 プロットの利用法ですら、人によると思うけれども、私は作りはじめから終わるまでプロットを眺めつつ作ることが多くなりました。プロットがない場合はメモがあると思うので、それを見ながら。最終形を意識して作る……というわけではない。ただ、道筋を忘れやすいので、時々思い出すようにして利用する。
 昔は流れで作ってきたけれども、今は分割して作ることが多いです。
 最終的な枚数に応じて、起承転結で使用する枚数を最初に分割してしまう。その章で書くべき内容を箇条書きしてから、書き出しの文言を考える。プロットを作るようになってから、ラストのまとめ方を悩まなくなりました。「二輿物語」だけは、昔の創作法で作ったので、今でも苦しんでいますけれどね。

 具体的な執筆の手順は以下です。

1 執筆用ツールの起動&保存ファイル名の統一(私は日付と略称で分別します)
2 プロットのあらすじ部分をコピーして、起承転結で階層化
3 最終枚数の確認と各章の分量を明記
4 仮題の考察(プロットからイメージするものを先に簡単につけておく)
5 起部の考察と結部の考察(何を書くためのアンチテーゼを作るかを確認する)
6 起部で使うエピソードをいくつか習作でメモに書く。
7 それらのエピソードが後半の流れと矛盾しないか、プロットを見ながら考える
8 物語で言いたいテーマを冒頭の一文に集約しておく(あとで消すかもしれないし、使うかもしれないし、直すかもしれないけれども、自分がその一文とタイトルを見てテーマとか目的を思い出せるようにすると、何度も読み返しつつ何を書くつもりだったかを確認できます)
9 使う予定のエピソードを繋ぐ流れを考えつつ、エピソードを書いて、穴を埋める
10 起承転結の転までは、物語の展開を意識しながら書く。
11 転部はアクションを意識しながら書く
12 結部を書く前に、起部を読み返して矛盾や足りないエピソードがないかを確認する
13 転部で起きた問題を解決し、起部の問題も同時に解決できる道筋を確認
14 どんな結末でも、ラストの一文で暗い気分にならないように注意する

 純文学系の書き方とは異なると思う。
 特にラストと転調部の書き方はエンターテインメントを意識した計算法だと思います。いかにも、創造物らしい、非現実的な流れを意識した物語の創出です。現実は解決されないままに流れていく課題もあるはずだけれども、物語は何か一つのことを言いたいからこそ起承転結で哲学を読者に提供して楽しませつつ、結論を読ませるのです。
 いや、そういう創作をしない人もいると思いますけれどね。その辺の創作術は作者の哲学だと思います。リアルを重視する人にはそれなりの創作術があるし、教育効果を考察する作者はそれなりの作り方をしてきます。
 この作り方を見る限りでは、私は物語にかこつけて、読者に問題解決の道筋を提示しようとする創作者なのだと思います。おせっかいなメッセンジャータイプです。
 作者にもいろんなタイプがあって、自己満足のために話を作るタイプとか、好きな作家の模倣をしたいタイプとか、現実逃避型の創作者とか、コンプレックスの解消型の創作とか、いろいろあります。自分がどうして小説を書きたいのかを突き詰めていけば、それに見合った創作法になるのではないかと思います。
 だから、上記の作り方でうまくいく人もいれば、手順通りにやってみても何だか欲求不満が残って肌に合わない人もいるだろう。上の手順はあくまでも私の創作法なのです。
 参考になれば、いいですけれども。参考にならなくても、問題はありません。
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