Column

●実力は素直に認めよう(2001.4.19)

 俺は最近柄にも合わず、ハードボイルドな落合信彦の本を読んでいる。高校のときから時々、彼の中東レポートやテロリストとの対談本などを読んでいたのだが、今回は結構のめりこんでいる。彼の文章は叱咤激励風でなかなかにきついので癖があるし、人間的には苦手なタイプと感じてしまうが、とても読みやすく面白いので、一気に読めてしまう。そこらの難解な国際情勢分析本や、まわりくどく当り障りのないエッセイに比べてよっぽど読み応えがある。

 ところで、ネットで彼の情報をいろいろ見てると、たくさんの賛辞の声もある一方で、彼の悪口を書いているサイトや掲示板もよく見かける。
 「ヤツは最近同じことばかり書いている、ネタ切れに違いない」
 「アイツの書いてる文章は、同じ場面なのに話が二転三転してる。勢いで書いてるんだろうな。せいぜいいいかげんな文章書いてろ!」とか。
 中には、彼の文章は他の本のパクリだとして、いろいろ参照文献を具体的に明示し、この部分はこうでこう同じなのだと分析したりもしている。結論付けが、やはり「ヤツは並みの作家で、バカ丸出し」だと。

 しかし、俺は逆に思うのだが、そこまで言うのなら、言った本人が落合信彦を超えるほどの実力を世間に見せてやればいいではないか。落合信彦は、世間で認められてきたからこそあれだけ本も売れて、海外でも活躍してるんじゃないのか?実力ないやつが、講演頼まれたり連載依頼されたりするだろうか?パクリというんなら、裁判起こして戦えばいいのでは?こういう、サイトや掲示板でしかいろいろ言えない屁理屈をこねたヤツのほうこそ、俺はバカ丸出しだと思う。

 はっきり言って、実力者に対してはねたみや嫉妬が絶対消えない。宿命のようなものである。けれど、冷静に考えればわかるが、実力ある人は世間で認められているからこそ実力があるのであって、その実力を素直に認めないのはおかしい。
 もちろん、実力者は一癖あることが多く、好き嫌いは分かれるところだろう。けれど、実力があるという点では共通しており、人気を獲得できるほど実力ある人を、俺は素直に尊敬する。
 落合信彦だって、売れているのはただ一つ、実力があるからだ。面白くないと思えば、本とか買わなければいいだけのこと。どうしても納得できなければ、自らが実力者となって対等に意見を交わすレベルになればいいまでのこと。好き嫌いはともかく、世の中で活躍してる人は全て、活躍するだけの理由があるのだから、その実力は素直に認めるべきである。