Column

●好きなことをすることの難しさ(2001.4.25)

 今日はあるHPで、苦労しながら何とか再就職を果たした人の話が載っていたが、それを読んでいて悲しくなった。
 「そう、確かに誰だって好きな仕事に就きたいですよね〜。でもこれが現実なんです。その辺は割り切って仕事に就きましょう」と書かれていた。

 俺は思う。確かにこれから就く職業は本人にとっては面白くないのかもしれない。だが、普通割り切ってまで仕事ができるものだろうか?仕事はやる以上ベストを尽くすものだし、割り切りでやってたらイヤイヤやらされてるという気分が湧いてきて、絶対にそこの会社にいるのが嫌になってくると思う。割り切りでやるのは、どこか他の方面を目指して一時的にそこにいるだけの人間がいうセリフだ。いかにも、好きじゃないけどとりあえず再就職しましたっていう感じが伝わってきてイヤな気分にさせられてしまう。好きな仕事をしてこそ働き甲斐があるというものだろう。

 リストラとか、倒産とかそういう目に遭ってたら、好きな仕事なんて選んでられない、生きて食べていくので精一杯になるはずだという声もあるかもしれない。けれど、ビジネスというのは既存産業だけとは限らないし、やりたい仕事に就けないのなら、自分で会社を作ったり、技術や技能を身に付けて、会社に頼らずに一本立ちしてしまえばいいのだ。初期投資がかかるというのなら、アルバイトでもなんでもいいからとにかく働いて貯めればいい。プライドにこだわっている場合ではないと思う。
 好きな仕事がないという人は、逆にいうと、自分の人生設計について何も考えていないのではないかという気がする。とりあえず企業に腰掛けて、安定を望もうという態度が見えるのだ。つまり、そんな人は安定志向の人が多い気がする。とりあえず仕事に就いて、とりあえず収入があれば…けれど、その稼ぐアテより安定を望んでいるから、稼ぐアテがどんなところなら理想か、全く考えていない、というわけだ。
 好きな道があれば、信念の度合いにもよるけど、どんな苦境にも耐えられると思うのだ。漫然と就職・転職活動をし、安定志向を望むのは危険な考え方とも言えるだろう。

 そういう意味では、好きでやりたい仕事があるなら、その分野でトップクラスを目指すくらいに徹底的にこだわるべきだと思う。好きなことをするのは案外難しい。自分が好きなことが、他の人も好きだったりするので、競争が激しいことが多いからだ。
 なので、好きなことを貫くには、貫けるだけの努力が必要だ。そのためには、かなり長期的な視野を持った人生設計を持ち、普段から勉強と貯蓄、情熱と行動力を発揮しないといけないと思う。
 もちろん、理想が「安定した生活を送ること」でもいいのだが、それならば、どんな職業に就けば安定になるのか、その職業に就くには、どんな準備をいつまでにしないといけないのか、といったことくらいは考えておかないと、苦しいかもしれない。あなた以外にも「安定な生活を送りたい」と考える人も多いから、やっぱり競争になってしまうからだ。

 好きなことに対し、強烈に強いこだわりを持つこと。これこそが、好きなことができる一番の近道ではないか、と俺は思っている。