Column

●男心(2002.2.3)

 昨日、大阪の梅田にある安田生命ビルのスターバックスのカウンターでカフェモカを飲んでいたら、同じカウンターの並びのテーブルに座っていた男が、セーターを編んでいた。近くに大阪モード学園があったりするので、そこの学生という気もしないではなかったのだが、それでも20代後半から30代位の人に見えたので、なぜ編みもの?という感じがしてしまった。誰かにプレゼントするんだろうか?(-_-;)

 前からかもしれないけど、最近男が弱くなってしまったと言われて久しい。というより、男女がユニセックス化してきていると言えるだろう。女が男化してもそれほど気にはならないのだが、男が女化してしまうのは少し寒い。とはいえ、それだけ男女の領域があいまいになってきていることは、活動するフィールドも共有化が進んでいるということだから、男女が仲良くなっていく上では好ましい傾向だと思う。
 この間も阪神百貨店の中の雑貨店を通ってみたら、男性客が結構いた。別に男物を売っているというわけではなく、ランチョンマットやケーキ皿、アクセサリーや小物入れを売っているごくごくフツーのお店である。阪急三番街のフランフランにも男の客が多くて、枕カバーやソファー、食器類などを熱心に見ていたりしていた。そういったお店でも、やはり男が吸い寄せられるものがあったんだろうか?(^_^;)

 おしゃれな男が増えているというのも実感する。最近は男向けのファッション店がずいぶん増えた。コムサやJ-CREW、ポール・スミスやビームスなども、大挙して店を構えているような気がする。コムサは昨年11月、大阪駅前に関西初進出のヨドバシカメラと共に、巨大なファッション館をオープンさせて盛況を見せている。ここに来ると、おしゃれなものを買いたいのは男も女も関係ないな〜と思ってしまう。
 けれども、女がおしゃれをするのと、男がおしゃれするのとでは、意味が少し違うのではないだろうか。女のおしゃれは何か本能的なものを感じるのだが、男のおしゃれはどうも女の気を引くためのものであるという感じがしてしまう。元来、男のおしゃれというのは、女のそれと比べてフィールドが狭い。男向けの雑誌を見ても、ファッションやジュエリーの特集というのは全体的に見れば女性誌と比べて明らかに少ないし、ダイエットや癒し関連の特集などほとんど載っていない。
 こういうのをみると、男のおしゃれは、あくまで女にアピールするためのものと言えるだろう。けれども、女のおしゃれは必ずしも異性にアピールするものではなく、同性同士にもアピールすることを意識してのものではないだろうか。そういえば、会社とか学校で女の子同士の会話を聞いていると、「あ、今日はかわいい明るい色のスカートはいてるのね、すごいいい感じじゃん!」「髪ちょっとパーマあてたの?前と違ってめちゃかわいいやん!」とか言ってたりするが、そういうのはやはり女心というものなのだろう。
 それに対して、男の場合はこの手の会話はほとんど聞かれない。先日も、ファッションにうるさい知人がハンチング帽に茶系のブルゾンを着てやってきたら、別の知人に「なんだよ、その人民服は〜!」と言われていた。ファッションで男が男を誉めるというケースは少ないのだ。

 雑貨に興味を示したり、ファッションにこだわるこの男心というのは、こうしてみると何か悲しい性のようなものを感じてしまう。けれども、きっかけが異性へのアピールであるにしろ、そういう関心を持つフィールドが広がることで、それがむしろその男独特のスタイルを築きあげているのではないかと思う。これは大して趣味もない男が多い中、そうした男が増えることはむしろ歓迎すべきことではないだろうか。女と共有できるフィールドが多ければ、将来意中の女と生活を送る上でもより楽しいものになることが明らかだからだ。つまり、ライフスタイルが、これまでの「生きる」から「楽しむ」に変化していっているということだ。これは、人々が楽しく暮らしていく上でも大事な「変化」ではないだろうか。

 俺自身もカフェが好きだし、ファッション店や雑貨屋もよく周っている。ライフスタイルを追求してひたすら楽しみたいからだ。もっとも、今でも男の知人に「神戸に最近こじゃれたカフェができたらしくて、そこの紅茶がすごくおいしいんだって。今度の休みに行っちゃおうかな〜」とか言われると、やっぱし違和感を感じてしまうのである。(^_^;)