Column

●進研ゼミvsZ会(2002.2.13)

 俺は学生のころ、通信教育を受けていた。理由は至極カンタンで、塾に通うのが面倒だったこと、手紙のように添削問題をやりとりするのが面白かったからだ。
 通信教育には多数あるが、中でもベネッセコーポレーション(ベネッセ)の進研ゼミと、増進会出版社のZ会は、2大通信教育として名高い。俺はどちらも受講したことがあるが、とても受講は面白かったことを記憶している。というわけで今回は、以前に書いたことがある「アドビvsマクロメディア」と同様の対決ものコラムである。

 進研ゼミは、岡山市を本社にするベネッセの通信添削講座の名前である。現在は小学講座、中学講座、高校講座とあり、会員数がべらぼうに多い。おそらく、ほとんどの家庭で進研ゼミからのDMが届いていたんではなかろうか。俺もほとんど、毎月のように家にDMが届いていた。
 で、大抵はマンガの冊子がついていて、「進研ゼミやったら、成績が伸びました!」みたいな話になっている。ストーリーは、例えばある中学で成績が全く伸びず、所属するサッカー部でもイマイチ練習にも実が入らずレギュラーにもなれない生徒がいる。ところが同じサッカー部にはその生徒よりもずっとプレーもうまくて、なおかつ成績のいいレギュラー組のライバルがいる(レギュラーとってるんだったらそもそもライバルといえない気もするが(^_^;)
 あるとき生徒がしょげてると、そのライバルが現れて「なんだ元気ないじゃないか、俺も元気なかったけど、こいつのおかげで自信が持てるようになったのさ!」と言って、進研ゼミの教材を生徒に見せる。生徒は半信半疑ながら進研ゼミを始めるが、みるみる成績が伸び、定期テストでも「おおっ、ゼミでやったのと同じ問題が出てる!」と感動。自信を持つようになってやがてサッカー部でもレギュラーまでとってまさにウハウハ!というストーリーだった。ストーリーは細かい部分は変われど、基本部分は変わらないからパターンは大体似てるのだが、これが見事に子供の心をつかんでいたりするのだ。
 教材としては、受験対策もあるがどちらかというと学校の予習復習や定期テスト対策を主眼にしていて、子供の通う学校の教科書に則して教材を届けてくれる。勉強以外の学生生活絡みの情報にも強い。

 一方、Z会は名前聞いただけでもレベルが高そうな感じで、友達にZ会を受けてるといったら、「へぇ〜、どっか難しいとこ狙ってんの?」とよく聞かれた。実際受けてみたら、こんなの解けるのはマニアックなやつに違いない!というほど難しかった。俺の場合は英語と数学、小論文を受講したが、英語と数学は早々にダウン。小論文はたまに成績ランキングに顔を出してはいたが、難問が多くどう答えたらいいものか悩むものも多かった。おまけに問題が送られてくるペースが速く、放っておくとあっという間にたまってしまう。一度たまってから追いつくのは至難の業だ。受講対象者を東大や京大、早慶クラスの受験者に設定してるからレベルが高くて当然なのだが、問題を解くにはそれなりの覚悟と精神力が必要だ。
 Z会を主催しているのは、静岡の長泉町にある増進会出版社である。問題集や参考書も独自に出していて、「英文解釈のトレーニング」「英作文のトレーニング」などの名著も出している(俺は両方持っているが、これもめちゃ難しいのだよ(-_-;)
 Z会がこんなに難しい問題を出しているのは、簡単に解ける問題は知識さえあればそれ以上の力はつかないのに対し、良質な問題(要するに難しい問題)は知識を総動員して「なぜそうなるのか?」を考えて解くので、知識を活用して理解する能力を養わせることができるからという理由だからだそうである。そのため、添削問題も良問にこだわるため毎回問題数を少なめに設定している。
 また、どちらかというと受験勉強を主眼にしていて、東大合格者の半分以上がZ会員であったりするように、難関大学受験者には人気が高い。

 正直なところ、どちらがいいとも言い切れない。選択としては、目的や学習レベルで判断すべきだと思う。例えば、学校の成績を重視して推薦で合格したい人や、勉強が苦手で受験の基礎を固めたい人、楽しい気分にさせてくれる教材を使って自宅で勉強したい人には進研ゼミが向いている。それに対し、難関大学を受験したい人や、勉強することに苦手意識のない人、ギアをトップにして突っ走るような勉強をしたい人にはZ会が向いている。
 なんだか、通信教育のオススメ解説のような感じになってしまったけど(^_^;)、いずれの会社もそれぞれが持つコンセプトを生かして優れた教材を送り出しているので、この対決は引き分けかなぁ。