Column

●銀塩の終焉は近い?(2002.12.29)

 今日はヨドバシカメラで、初めてデジカメを購入した。今まで撮影というと、一眼レフかコンパクトカメラだったが、ちょっとした場所でスナップ感覚で撮影したとしてもわざわざ現像に持っていくのは面倒だし、現像してみないとうまく取れたかどうかわからないし、現像するにもお金がかかるのでコスト負担を減らしたいし、気軽に撮れてすぐPCにも画像を取り込めて加工もしやすいとあって、やっぱデジカメだ!と思って、ちょっと奮発して買ってしまった。正直、いい買い物をしたと思っている。

 思えば、デジカメの登場により、写真業界は激変したと言えるだろう。今までは、撮影というと必ず現像所を通さねばならなかったのだが、デジカメならばその場でどう撮れたか確認できるし、失敗すればその場ですぐ消して撮りなおせるし、管理はPCで手軽にできてしまう。現像所の役割自体があまり価値を見出さなくなりつつあるのだ。
 市場では、デジカメが急速に普及しているとはいえ、まだまだ銀塩カメラもよく使われている。特に画質にこだわるのであれば、デジカメの画質は未だリバーサルフィルムを超えるレベルにまでなっていない。しかし、確実に主役はデジカメになりつつあるし、近年の高画質化の進歩は目を見張るものがある。デジカメの特性である「手軽さ」が、個人はもちろん、これまで銀塩主流だった企業やスタジオなどの間でも普及し始めている。元々雑誌や広告などでは、印刷に向いているなどの理由でリバーサルフィルムが使われてきたが、現像に待つ時間のロスの解消と、容易な加工を実現できるデジカメが、現場のニーズにマッチしてどんどん浸透している。

 こうなってくると、現像業界はプリント業に活路を見出すしかないようだが、そのプリント業もかなり先行きが暗いものといえる。デジカメでプリントを考えた場合、一般のユーザーの選択肢は次のように考えられる。

1.デジカメのデータを入れたメモリーカードを、プリントショップに持ち込む
2.インターネットのデジカメ用サイトにデジカメのデータを送り、そこを通してプリントしてもらうよう依頼する
3.街頭のデジカメ用プリンターで印刷する
4.自宅のプリンターで印刷する

 おそらく、手軽さを考えると、ユーザーの選択は圧倒的に3.か4.になるだろう。1.を選択するのは大きく伸ばしたいときや身近にプリンターがない人、2.を選択するのは遠隔地にいてプリントできない人に限られると容易に考えられよう。そうなってくると、プリントのためにプリントショップを利用する人は、完全になくならないまでも激減は避けられないものと言える。あとは、画像の特殊加工代行とか年賀状印刷などに活路を見出すしかなさそうだが、それらもお手軽ソフトが浸透してきている現況だ。プロユースの枠が残っているとはいえ、現像・プリント業界は先行きが暗いという結論しか出せないだろう。

 デジカメメーカーにしても激戦だ。キヤノンやニコンなどの銀塩カメラを作ってきたメーカーだけでなく、ソニーや松下などの電気製品主流のメーカーが参戦して激しいシェア争いを繰り広げている。
 結局のところ、一番笑うのはユーザーってことになるのだけれど、昔のように一度銀塩カメラを買えばずっとそれを使えばよく安泰だったのが、頻繁に高機能の付加した新製品が出るデジカメのおかげで、ユーザーはデジカメの動向を気にしながら買い替え時期を考えねばならなくなった。銀塩カメラに未だ固執する人が多いのは、そんな理由からかもしれない。しかし、それにもましてデジカメのお手軽さにはかなわないと思うので、今後フィルム代や現像代は上昇するに違いない。銀塩カメラの終焉は、緩やかに近づいてくるのだろう。