●JRvs関西私鉄(2003.3.2)
つい先日、南海の空港特急「ラピート」が、これまで売りにしていた、なんば〜関西空港間のノンストップ列車を全て廃止し、新たに新今宮・天下茶屋・泉佐野・りんくうタウンに停車させることにした。
理由は、利用率の低迷だ。ここ最近の「ラピート」の利用率は30%前後にまで下落した。これは、ラピートがほとんどなんばからしか乗ることができないために利用できる人の数が限られていたことと、テロによる飛行機利用者の低迷に加え、JRの空港特急「はるか」が、「ラピート」の存在を脅かしているためだ。「はるか」は、京都や新大阪から乗り継ぎができ、「ラピート」に比べて利用しやすいことが挙げられる。「ラピート」も、その斬新な車体や乗り心地、速さや運賃のいずれも「はるか」を凌いでいただけに、本来の力が発揮できなかったことが悔やまれる。
南海に限らず、関西の私鉄は軒なみJRに対して苦戦を強いられている。京阪も最近、これまで七条〜京橋間でノンストップで走っていた特急の停車駅に、新たに丹波橋と中書島を加えた。阪急は少し前から神戸線の特急を岡本にも停車できるようにし、京都線も全列車を高槻市に停車、他にも桂や長岡天神、茨木市にも停車させるようにした。阪神も、山陽電車と提携して姫路直通の特急を走らせるようになった。
これらの転換は、ほとんど全てがJRとの競争によるものだ。JRの新快速の高速運転は、阪急・阪神・京阪の列車に多大な影響を及ぼした。サービス面でも駅改札前のコンビニの拡充などの充実差を図り、阪神大震災でもっとも早く列車を再開させたのもJRだ。以前は運賃で私鉄がはるかに勝っていた時期もあったが、JRが運賃据え置きを続けた結果、今では私鉄との格差はそれほどなくなってしまっている。これまではJRと競争がさほど激しくなかった南海や近鉄も、JRのスピード化と設備拡充に対応しきれなくなってきている。現状では、ほぼJRに軍配が上がってしまっている。
俺も含めてそうなんだけど、利用者として私鉄に望むことは、パークライド方式を広げたり、通勤ラッシュでも快適に乗れるように、首都圏の列車によくあるような朝夕のみの座席指定制のホームライナーのような列車を走らせてほしいことだ。
パークライドは、用地の問題も絡むので難しい面もあるが、電車の定期券を持っていれば駐車料金を大幅割引にするなどすれば、それなりに需要があるように思う。本来なら敵対関係にある車の利用者に、電車も利用してもらおうという戦略で、地方都市の私鉄では実施しているところも見られる。いわば、車と電車の共存だ。
また、座席指定列車は、南海や近鉄はすでに特急で座席指定があるので、阪急・阪神・京阪にこれを実施してほしい。例えば京阪なら、座席指定特急以外に、くずは〜淀屋橋間で座席指定の急行を走らせるとか(停車駅は枚方市、香里園、寝屋川市、京橋以遠各駅とか)。座席指定料金を200円から250円くらいにすれば、結構利用者があるのではないか。実際、電車の中で仕事や勉強をするという人もいるだろうし。あるいは、南海のように1列車に自由席車両と指定席車両をつなげて走らせても面白いかもしれない。
今回の「ラピート」の停車駅見直しは、新今宮でJR環状線と、天下茶屋で地下鉄・阪急と、泉佐野で和歌山方面からの乗り継ぎ客が見込めることを考慮したものだが、どの程度効果があるか。今後の乗車率に注目だ。