Column

●日本の球場が「ボールパーク」になるには?(2003.7.27)

 プロ野球を見るのはめちゃくちゃに好きだ。一応横浜ファンなのだが、今シーズンは横浜が信じがたいくらいに弱いせいもあって、関西人だけにどうしても阪神の動向にも注目してしまう。星野監督は優勝というものすごいプレッシャーの中で戦っているようだが、頑張ってほしいものだ。

 一方、俺は大リーグファンでもある。今年の大リーグはロジャー・クレメンスの300勝4000奪三振、バリー・ボンズの500盗塁、ヒデキ旋風などとにかく話題が尽きない。球団数が多いせいもあるけど、投げ方といい、バッターボックスでの構えといい、選手の性格がよく現れていて、実に個性的だ。最も、応援の仕方は日本のほうが面白いとは思うけれど。
 ただ、球場の作りにおいては、大リーグのほうがはるかに素晴らしいと思う。迫力あるプレーや観客の熱狂ぶりを支えているような感じが伝わるからだ。

 まず、大リーグのグラウンドは、その大半が天然芝になっているのに気づく。以前は人工芝が多かったそうだが、天然芝にする傾向は90年台に入ってから顕著に見られる。その理由は、天然芝のほうが、内外野の選手がボールを裁くときにクッション代わりになり、体を痛めずにすむのでベストコンディションでいられるからだ。また、グラウンドを見ていて天然芝のほうが、どこか無機質な人工芝よりボールパークの雰囲気をかもし出しているように思う。人工芝に比べ手入れにも手間がかかるのに、と思うのだが、天然芝のよさが見直されてきているのだろう。
 対して日本のプロ野球の球場はというと、そのほとんどは人工芝だ。天然芝の球場というと、甲子園とヤフーBBスタジアム(グリーンスタジアム神戸)、広島市民球場しかない。

 しかし、さすがにプロ野球側も選手生命が縮まる人工芝に対して「こりゃ何とかしなければ!」と思ったのか、わずかだが改善の動きも見られる。東京ドームや横浜スタジアムに、「フィールドターフ」が導入されたのだ。これは、従来の人工芝に比べて芝丈が長く(10ミリから60ミリちょっとに長くなった!)、特殊な加工が施されていて感触が天然芝に限りなく近いのだ。それでいて天然芝より管理が楽な点は変わらず、大リーグでもタンパベイ・デビルレイズの本拠地・トロピカーナフィールドに導入されていて、選手にも好評のようだ。
 ただ、東京ドームで「フィールドターフ」を導入するのはともかく、ドームでない全天候型の横浜スタジアムにまで導入するのはどうかと思うなぁ。管理する金が足りないんだろうか?

 あと、プロ野球の場合、球場の概観がイマイチなところは数多い。大リーグの球場は、レンガ造りだったり、クラシックスタイルだったり、モニュメントやロゴ、オブジェなど装飾が至る所に施されていたり、実に個性的だ。日本の球場で個性的な外観を持つと言えば、蔦の絡まる甲子園と、不時着したUFOのような形をした大阪ドームぐらいのような気がする。観客席のイスとイスの間隔もやたら狭い(これは構造的問題でもあるけど)。スコアボードも、バックネット裏とバックスクリーン以外に、いろいろなところにつけてもいいと思うし、ちょっと試合中に軽食を取ったりトイレに行っている間でも、すぐに試合の様子がわかるようにモニターをもっとコンコースとか至る所につけてもいいと思う(ナゴヤドームでは、かなりの数のモニターがついているそうだが…)。

 さらに個性的な球場だと、リグレーフィールド(シカゴ・カブス)のように外野フェンスがレンガ造りでしかも蔦に絡まっていたり、ミニッツメイド・パーク(ヒューストン・アストロズ)のように球場内にミニSLが走っていたり、バンクワン・ボールパーク(アリゾナ・ダイヤモンドバックス)のようにライト外野席にプールとジャグジーがついていたりする。こ、これはすごい…(^_^;)
 こういうのを見ると、日本の球場は少し味気ない気がする。せめて、グラウンドや概観だけでも個性的にしてほしいと思う。少なくとも、始球式に野球を知ってるんだかよくわからないアイドルを連れてきて客寄せするより、よっぽど客に野球の魅力を伝えることができるんじゃないだろうか。日本では応援についてはすごく楽しめるだけに、もったいないと思う。