Column

●オフィス街の一日(2003.11.13)

 俺は今、まさしくオフィス街というところで働いているのだが、慣れないスーツを着て(最近まで、スーツを着て仕事をしたことがあまりなかったのだ。私服でいい職場ばかり選んで働いてきたから)毎日過ごしていると、俺は自分が組織の中に埋もれていることを、より強く認識するようになったから面白い。私服時代は、個性を押し出して仕事をしようとばかり考えてたし。スーツに身を包むと、不思議なもんで、仕事もおろそかにしちゃあいかん、しっかりやらないとって気にさせられるんである。人は外見から性格を形作るというけど、これはホンマやなぁと思う。

 今の職場は、最寄り駅からだいぶ離れている。地下街を抜け、怪しげな歓楽街を横目に歩きもっていったところの、通りに木の生い茂った、どこか閑静な感じのオフィス街だ。俺は、大阪ではオフィス街の代表格でもある中之島で働いていたこともあるが、中之島の場合は大企業の本社が密集していて、東京で言えば丸の内のようなところだろうか、いかにもかくかくっとしたエリートサラリーマンっぽい人たちが、朝の雑踏の中から、レトロな箱≠フ中に消えては現れ、現れては消えていたのをよく覚えている。
 それに比べると、今の職場の周りは、近くにマスコミ系の会社が点在していて、通りの反対側は危なっかしい歓楽街だったりするせいか、閑静な感じの中にもどこか雑然とした雰囲気もかもし出している。しかし、さすがはオフィス街だけに、カフェと弁当屋が至るところに点在している。それだけ需要があるのだろう。

 オフィス街では、よく自転車にまたがったサラリーマンというのをよく見かける。これは、自転車で会社まで通っている人か、自転車で営業回りしている人なのだが、スーツ姿で自転車に乗っているのを見ると、どこか颯爽とした感じがしてよい。しかし、たまにアンタ海外旅行でも行くのん?と言われんばかりに、自転車の前カゴにドでかいスーツケースを入れて、ギッチラギッチラとママチャリを漕いでいるサラリーマンを見かけるが、あれは一体何者なんだろうか。(-_-;)
 ちなみに、同じ自転車でも、MTBにまたがってヘルメットをかぶり、かつスーツ姿であれば、アノ手の系統の人たちなので注意しよう…(汗)。

 オフィス街といえば、昼メシが凄まじい。オフィス街のどこの飲食店に行っても、スーツ姿のサラリーマンやOLで一杯だ。ビルの前で路上販売をする弁当屋も珍しくはない。買出しに行かされて、何人分かの弁当を抱えている人もよく見かける。あちこちのビルから人が吐き出され、群れるように店に向かう光景は圧巻だ。できたら、混雑は避けたいところだが。
 ただ、オフィス街でありがたいのは、弁当が量の割りに安いことだ。コンビニの弁当ほどの大きさにおかずがぎっしり詰まり、それとは別に同じくらいの大きさの入れ物でご飯がつき、さらに別に味噌汁が加わって、トータルで500円というのは安い! 昼メシは500円以下でなければ食う価値はないと常々思っている俺にとっては実にありがたい。(^_^) 

 やがて夕方になり、夜になると、残業タイムでオフィス街はビルからの灯りで浮かび上がる。せわしなく動いているフロアもあれば、何かに取り付かれたようにPCをにらみながら仕事をする姿もある。
 毎日見慣れる光景、これは、まぎれもなく今俺が置かれている環境でもある。俺はこのような環境が合っているのだろうか、思案しながら過ごすその場所は、ほとんど変わらぬ規則正しい澱みを見せる、このオフィス街の真っ只中にあるのだ。