Column

●クリスマスの破片(2003.12.24)

 クリスマスが来るたびに、うっとうしがる人たちがいる。それは、彼女彼氏がいない人間に限らず、いる人間もそうなのだ。
 それはなぜかというと、やっぱまず、金がかかるからだ。(T_T) 普通のレストランでも、それほど大したディナーでもないのに、クリスマスだというだけで、料金が倍に跳ね上がったりする。そのクセに、そういったディナーは実に予約が取りにくくて、悔しい思いをしてしまうのだ。(-_-#)

 こういう日の野郎というのは、なけなしの金をいくらつぎ込めば彼女に満足してもらえるのか、皮算用をするのである。
 そう、こういうクリスマスさえ乗り切れば…結婚に至れば、大抵は経済観念が出るから、クリスマスは超地味になることが非常に多い。金を使わなくて済む。そうした夫婦がクリスマスを迎えるとき、2人でコタツの中に入ってミカンを食いながら、ダンナが、

 「ああ、付き合っとったときは、オマエとディナーよう行ったなぁー」

 などと懐かしみながら、顔は異様に綻んでいたりするもんである。嫁さんは、そんなダンナの表情を見ながら、自分への愛情の度合いを知るのだ。(-_-;)

 それから、人混みが凄すぎる。梅田の阪急百貨店や阪神百貨店に行くと、凄まじい人の固まりに出会う。大抵はケーキか、彼氏彼女へのプレゼントを手に持っているパターンが多い。
 クリスマスケーキはまだよい。問題は、プレゼントである。プレゼントほどうっとうしいものはない!という人も多い。もちろん、これを逃さずいいプレゼントを買ってもらおうという女性も多いのではないだろうか。
 俺の女友達に、異様に物欲が激しいヤツがいるのだが、そういうヤツの彼氏になった野郎は、悲惨である。毎年毎年、いや、クリスマスに限らず、ホワイトデーとか誕生日、はては2人が初めて出会った記念日、2人が初めてデートをした記念日、2人が初めて旅行に行った記念日、2人が初めてドライブした記念日…などなど、何かにこじつけて女友達はにこやかにせびるそうである。
 そう言えば、クリスマスの日に、「アタシは、プレゼントより、あなたの愛があればそれでいいの!」なんて言うセリフを吐く女というのに、未だにお目にかかったことがない。うーむ、モノは愛より勝る、なんだろうか。(-_-;)

 家族の場合も、困るときがある。それは、サンタをどう演出≠キるかだ。
 家のパパがサンタのコスチュームでも着れば話は早いのだが、それでは子供はわかってしまう。街中とか、外国人の本物志向のサンタを刺客≠ナ雇えばいいんだろうけど、ちと経済的に厳しい…というわけで、大抵の場合は、サンタが知らん間に「来ていました」ということにしちまうパターンである。娘が、クリスマスの朝に目覚めると、枕元の靴下にプレゼントが入っている。
 「わぁーっ、プレゼントだぁ!」
 と喜ぶ娘の元に、わざとらしく娘のパパがヌッと現れ、
 「サンタさんがねぇ、オマエのためにプレゼントを置いていってくれたんだよ。ちゃんとお礼も言っといたからね」
 「ほんとぉー? サンタさん、ありがとーっ」

 …とまぁ、こんな感じでうまく騙せればちょろいもんなのだが、こういうパターンもある。
 「ちょっと待って、これ、アタシが頼んだブラウスと色がちがーうっ!」
 「…えっ? そ、そんな、ちゃんとオマエの願いを聞いて、パパが…じゃなかった、サンタさんが置いていったんだよ」
 「アタシ、ピンクを頼んだのに、何よこれ、こんなオレンジなんて、デザインもダサダサじゃない! センス悪すぎよ、まるでパパが買ったみたいよ。パパ! サンタさんに、ちゃんとアタシが欲しいブラウスに替えてって頼んできて!」
 「…そんな…」

 と、こんな感じで、娘を喜ばせるどころか、父親の威厳も保てないということもあるのだ。これはなかなかに恐ろしいではないか。

 他にも、「サンタさんに手紙書くから、返事が欲しい!」というのもある。これも悩むところだ。だいたい、宛て先の住所はどこを書くんだろう…「東京都牛込局区内」というわけにもいかないし。
 身近にも、サンタの直筆の返事が欲しい!というワガママを言ったご子息をお持ちの方もおられた。人間が普通に書く文字だと、どう考えても怪しまれてしまう。その方は悩んだ末に、知り合いの人が協力してくれて、その人が利き腕じゃない左腕で書いた返事≠渡してあげたんだそうだ。(-_-;)

 そうした、みんなの思い思いは、クリスマスの破片となって、街のあちこちにちらばっていくのである。