●どこに行っても同じ「顔」(2004.1.24)
街中では、チェーン店が非常に目立つと思う。コンビニはもちろん、居酒屋やファーストフード、雑貨屋やレストラン、スーパーやホームセンターに至るまで、ホントにチェーン店が多い。コンビニはセブンイレブンかローソン、居酒屋は白木屋か魚民、ファーストフードはマクドナルドか吉野屋、ファミレスはすかいら〜くかジョナサン、スーパーはジャスコかイトーヨーカドー、ホームセンターはジョイフル本田かコーナン、薬局はマツモトキヨシかドラッグセガミ、電化製品はヤマダ電器かヨドバシカメラ。全国の街で、これらのどれも近場にないというところを探すこと自体が難しいだろう。逆に言うと、これらが全部揃ってる街も、かなり怖い気がするな。(-_-;)
チェーン店というのは、とにかく増殖していくものであり、市場原理から言っても当然の現象ではある。親近感があるので、生活においても欠かせない存在であったりもする。
しかし、街中にチェーン店ばかりというのは、結構味気ないものである。ヘタをすると、どこか旨い店に食べに行こう!と考えたとき、チェーン店しか思いつけなくなってしまうことだってある。自分の中でいいお店がチェーン店だったりすると、かなりイヤである。
チェーン店は、あくまで生活の中の一部分を満たしてくれればそれでいいのである。つまり、生活の根幹としては必要だけど、主役にはなって欲しくない存在なのだ。自分の中でのいいお店とは、あくまでもオリジナリティでかつサービス的・商品的満足度が高いところだ。ただ、そういうお店は頻繁に通うのが難しい場合もある。クセもあるからだ。だから、商品やサービスが均一で安心感を提供できるチェーン店がはやるわけである。
よく、「この街には何にもねぇなぁ」と言う人がいるが、それはやはり、街が無個性だからである。生活に必要なものは何でも揃うけど、だけど何か足りない。チェーン店が最終的に満足させられないのは、その「何か」である。
では、「何か」とは具体的にどんなものか。それは、その街にしかなくて、他の街では決して見られない、あるいは食べられないモノ、である。要するに、その街独特の「顔」だ。自分が住んでいる街を「何にもない」という人がいるのは、他の街に行っても同じ体験が出来ることを知っているからである。ここが、商品やサービスの均一化で安心感とコストを抑えるチェーン店が決して満たしえない部分である。
個性的なサービスをしたり、美味しいものを食べさせてくれるところも、その店自体が希少価値があるからこそ誇れるのである。スターバックスも、まだ店舗数が少なかった頃は、オフィス街でカフェタイムを過ごす場所というイメージがあり、独特のスタイルもあってお店があるだけで希少価値があり、そこで飲むのがステータスであった。ところが、普通のスーパーの専門店街にまで進出してくるようになると、どうしても「希少価値」から「生活スタンダード」に格が下がってしまい、単純にどこに行っても飲める店になってしまった。もちろん繁盛もしているし、全国展開は企業論理や経営上は全くOKな話なのだが、ステータスが下がったことだけが個人的には悔やまれてしまうのである。
チェーン店も、もっと地域性があってもいいと思うのだ。例えば、Aという居酒屋チェーンは、福島県ではお座敷中心だが、長崎県では洋風パブの雰囲気であるとか。
コンビニなんかでも、例えばローソンは関西では青いイメージカラーだが、九州では赤いイメージカラーにするとか。そうすると、誰かが九州に旅行に行ってきたりしたら、「おいおい、聞いてくれよ。俺さぁ、この間九州に行ったら、看板が赤いローソン見てん。全国どこでも同じやと思ってたから、びっくりしたわー」なんて言う会話が聞かれるようになるかもしれない。そうすると、「えぇー、そんなローソンいっぺん見てみたいわ。俺も九州行こうかなぁー」なんて考えたりする人間が必ず何人か出てくるはずだ。他の地域に行ってみたくなるのも、自分の住む街に足りないものを体験したいからなのだ。街がそれぞれ違う「顔」を持つことは、決して悪くないはずだ。自分が住んでいる街を誇れるようになると思う。
ちなみに、俺の地元である大阪には、江坂という街がある。街の中心に大阪市営地下鉄の江坂駅があるのだが、驚くべきことに、ここの駅の半径1キロ四方に、なんと17軒もローソンがあるのだ。同じく、ミスタードーナツも江坂駅の1キロ四方に4軒もあったりする。実は江坂は、ローソンやミスタードーナツの本拠地になっているからなんだが、これもある意味個性的ではある。(^_^;)
大体、どこに行っても似たような顔、似たような街なんて、少しも魅力を感じない。
「俺が住んでる街はなぁ、他の街と違って、ハイソなカフェばかり集まってるんだ。駅前なんかなぁ、店員が店内で突然音楽に乗ってインド舞踊を踊りだすアジアンカフェが20軒もあるんだぞ!」
…というようなプライドが張れる街が、もっと増えて欲しいと思う。