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第10話:春を探しに・・・。
〜ただの暇つぶしツーリング〜

2005年3月
今回はZZRツーリングというよりも、「ZZRで行く、春の鉄道写真オタク紀行」とでも言った方がいいかも知れない。
3月もそろそろ終わりに近付いた、ある日曜日。
朝からホントに良く晴れている。
午前8時の天気予報を見て驚いた。
「本日の最高気温予測、17℃。 暖かな春の陽気となるでしょう」
おう、これは絶好のバイク日和だ。
久し振りなので、近場を軽〜く流す程度に、のんびりと走ることにしよう。
そんなノリで、1ヶ月ぶりにZZRのエンジンに火を入れる。
寒い冬を無事に越せたバッテリーが、エンジンを一発で目覚めさせた。
そろそろオイル交換の時期だが、エンジンはすこぶる調子いい。
別にどこへ行くでもなく、のんびり走っているうちに、千葉県S市に入った。
田んぼ道をボ〜ッと走っていると、踏み切りで一眼レフを構える、
見るからに「鉄道マニア」と分かる人物に遭遇。年齢は自分と同じくらいだ。
何か特別な列車でも来るんかな?と思いつつバイクを降りてみた。
「こんにちは。いい写真は撮れましたか〜?」
と声を掛けてみる。
背中にしょったデイパック、履きなれてそうなスニーカー、
世の流行に流されないファッション、そして、望遠レンズを装着した一眼レフ。
「いえ、別にいい写真が撮れたとか、そういうのはないです」ときっぱり・・・。
あ、しまった。こういうタイプの人か・・・。
構わず、続けてみる。
「183系って、今年いっぱいくらいで引退するそうですね〜」
「デジカメをぶら下げた、怪しいライダー」という彼の第一印象?を拭うべく、
「ちょっとは電車の事も知ってるよ〜」的なオタク部分(?)を精一杯アピールしてみる。
「そうですね。写真を撮るなら今しかないですからね」
と彼が返してきた。
(お! やや好感触。喰いついて来たゾ)
ここから1時間位、この小さな踏切で彼と同じ時間を過ごした。
それにしても、鉄道についてやたらと知識がある。
と言うか、はっきり言って詳しすぎる・・・。
どんな質問でも、ズバっとはっきり返してくる。
全ての答えが、きちんとした知識と情報の裏付けがあるんだから、たいしたもんだ。
踏み切りが鳴り始める。
遠くからE257系が近付いてくる。
彼につられるようにして、私もカメラを構えてみた。

成田エクスプレス。通称NEX。
千葉県を走っているが、停車駅の問題や路線から、
千葉県民が乗ることはあまり無い・・・。
「あの電車って、見た目に凄いスピードで走ってますよね〜。
100km位は軽く出てますよね〜」
と言ってみる。すると彼は
「そうですね〜・・・・・・・・・・・」
と言いながら、おもむろにデイパックの中から大きな時刻表を取り出した。
「私が持ち歩いているのはこんな大きなヤツなんですけど・・・」
と、少し照れくさそうに一瞬笑った姿が印象的。
「時刻表から、この電車の大体の平均速度が分かるんですよ」
「・・・?・・・」
「時刻表には営業距離数が出てますから、え〜この電車は○○駅を○○時に出て、
次の△△駅に××時に到着するから、え〜・・・・・・・、平均速度は80km/hくらいですね」
は・・・?
完全に時刻表を使いこなしちゃってる・・・。
「平均速度というものは、加速時と減速時も当然入ってきますから、
実際には100km/h位は軽く出てますね」
お〜、もっともだ。
時刻表って、そういう使い方もあるのか〜・・・。
と、妙に感心。
それよりも、彼が段々ノってきてくれている事の方が、なんだか嬉しい。
再び踏み切りが鳴り始める。
「次の車両は写真撮っておいたほうがいいですよ」
と彼が勧める。
「え・・・?」
(何が来るの・・・?)
とりあえず、彼のデジカメ一眼レフとは比較にならないような、
古くて大きいMYデジカメを構えてみる。
来た来た。
はて・・・?
初めて見る車両だな・・・。
  
 
「今のはなんなんですか?」
「あれは臨時列車です。多分、あやめ祭りか何かの特別列車だと思います。
臨時列車なので、いろんなところで見ることが出来ますよ」
へ〜。ちょっとあなた、ほんと詳しすぎ・・・。
次に来たのは、おなじみのE217系。
なんか知らんが、鉄道写真にはまる自分がそこに居た。
  
 
線路にかなり近付いている為、車両は大きく写ったが、
かなりブレブレだ・・・。シャッター速度を1/1000位にしてもブレる。
「E217系って、4両+11両だけど、4両編成だけで走っているのは見たことないな〜」
と言うと、
「4両編成で走るのは、横須賀線の逗子⇔久里浜間だけだと思いますよ」
と彼。
「10分後に183系が来ますよ」
と彼が続く。
これは撮らねば・・・。
踏み切りが鳴り始める。
来た来た、老兵が。
  
 
これもちょっと線路に近付き過ぎですね。
はっきりいって、この至近距離は危険だと思います。真似しないで下さい。警笛鳴らされます。
更に113系。
  
 
今度は線路から離れすぎ。車両が小さすぎて、面白くない写真になってしまった。
それ以前に、このアングルはNGだ。
標識や保線器具が電車の顔にかぶっている。
更に更に、E257系。
  
 
この場所は、ちょうど成田線と総武本線が走っている地点なので、けっこういろんな車両が見られる。
彼と103系の話で盛り上がる(かなりマニアックな話題)。
「この前出張で福島県に行ったんですけど、常磐線に103系がいましたよ!」と私。
「え? 常磐線にまだいるんですか?じゃ〜おそらく最期の2編成のうちの一つですよ、きっと」と彼。
「見れたのはラッキーですよ!」
なにがラッキーなのかいまいち分からんが、ま〜ツイてたのか〜と、軽く喜んでみる。
「私も今朝103系を撮りに京葉線に行ってたんですよ〜」と、
午前中に写したという写真(デジカメの画像)を見せてもらった。
あ〜、確かに103系だ。京葉線は水色一色のアノ電車が103系である。
各駅停車で、確かに未だに見ることがある。
その後、新幹線の話やらなにやらで妙に盛り上がり、気付けば1時間、この小さな踏切で過ごしてしまった。
「では、私は撮りたい写真は全て撮り終えたので帰ります」と彼。
埼玉から来たらしい。
「はい、またどこかでお会いしましょう」とその場を離れる。
再びバイクに跨り、線路沿いの田んぼ道をノーヘルで軽く流す。
すると、200〜300m先に見える踏切に、なにやら人だかりが出来ていた。
「何事?」
と思いつつ、遠巻きに見ていると、なんのことは無い。
鉄道マニアの集団であった。
近付いてみる。

三脚立てて、望遠レンズ付けて、みんな気合入ってるな〜と感心していると、
一人の男性が声を掛けてきた。
(上の写真に写っている、いちばん手前の茶色のトレーナー来ている方)
「車、入っちゃいました?」
「・・・?」
「あそこに置いてある車、私のなんですが、邪魔でしたか?」
「(あ〜!なるほど! 電車の写真を撮るのに、構図の中に入って邪魔しちゃったんじゃないか?って事か!)」
そんな事に気を使うmasa6ではありません。
「あ!全然大丈夫です!」
「良かった。今日は日差しも強くて、1/2000でもブレちゃいますよ・・・。」と彼。
で、見さしてもらったデジカメ画像(このデジカメも当然一眼レフ)は、ものすごく迫力があって、
素晴らしい写真ばかりだった。
「レンズを買ったんですよ、200mmでF2.8。今日は試し撮りで来てみました。」
200mmでF2.8はけっこういいレンズだ。自分が持ってるレンズは、300mmF5.6、しかもシグマ製。
更に言うと、もうしばらく使ってないし、当然今日も持ってきていない・・・。
ここでは40分くらい、ボケボケしてた。
で、またしてもE257系。
  
 
私のデジカメでは、こんな撮り方が精一杯だ・・・。
そしてE217系。
  
は〜。さすがに同じ車両ばかり撮ってると飽きてくるな。
トレーナーのお父さんとしばし時を過ごしたあと、ポイントを変える為、場所移動。
トンネルから出てくるところを激写!
EF65 500番台。
  
 
EF65は、もっぱらブルートレインを牽引する為の中心的車両。
ブルトレが段々少なくなってきている為か、こうして貨物列車の牽引をしている姿も、
最近ではよく目に付くようになってきた。
しかもこのEF65、500番台と来ている。
ヘッドマークが無いのが非常に不自然に思えてくる位、まさにブルトレのはまり役的車両だ。
というか、まだ走ってたんだ〜。
この前大阪に出張に行った時、大阪駅で見たブルトレ、EF65 1000番台。

電気機関車の中でも、EF65はやっぱりかっこいい。
新幹線がこれだけ充実してくると、やはりその影で消え行く特急も存在する。
ブルトレも、その本数自体がかなり少なくなってきている。
乗るなら今のうちかも知れない。話のネタにもなるし、それよりも、きっといい思い出になるはずだ。
鉄道での旅の原点がここにあるような気がする。
気付けば今日は半日、鉄道写真を撮ってた気がする。
鉄道写真は一つのきっかけであって、それを通していろんな人達と出会えたことのほうが、
今日は楽しかった。
そう、人間は出会う為に生きているのである・・・。なんて言ってみたり・・・。
たまには、途中下車を楽しみながらの電車の旅もいいかな〜なんて、
そんな気にさせてくれる一日でした。

113系の顔が切れた・・・。

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