第9章 エナ・トゥイッグ ― 科学者が意見を述べる





 これは著名霊媒と、彼女の十名のヒーラー団のすばらしい仕事を描いた、レポーターによる記事である。

 メリルボーン・スピリチュアリスト・アソシエーションを訪れた人々が、一人の女性がこの四年間で初めて車椅子から足を踏み出し、階段を上るのを見つめた。彼女は著名霊媒のエナ・トゥイッグにより導かれるヒーラー団のメンバーである、デイジー・ライアン夫人のヒーリングをたった今受けたばかりである。心臓肥大のために、その患者は食事を取る時さえ、膝を床に着かざるを得なかったが、MSAヒーラーからボーネマウスにある自宅に訪問を受けてからというもの、彼女は再びまっすぐに立ち上がることが出来るようになったのだ。
 その同じヒーラーは最近の治癒成果である、「滲出性湿疹」と呼ばれる顔の病気の手当てを受けるために、はるばるアイスランドからやってきた一人の男性についての話をした。病院で三年間手当てを受けても病状はほとんど改善しなかったので、スピリチュアリスト・ヒーラーならば治せるかという希望を抱いて、彼は夏休みをこのイギリスで過ごすことに決めたのだ。
 ライアン婦人は彼に六回の手当てをした。夏休みが終わる頃、彼はシミひとつないきれいな顔で国に帰った。彼は完治した―夏休みは無駄にはならなかったのである。
 ライアン婦人は、エナ・トゥイッグの言葉を借りれば、「ガリー船漕ぎの奴隷」のように働く、十名のヒーラー団のうちの一人で、毎週月曜日の夜はやって来た六十名から八十名の苦痛を和らげている。そのグループは三年半前に結成された。エナは見えるものが自然に目に映ずるが如く診断を下す。ある患者は私に言った。
 「初めてここに来た時のことなんですが、トゥイッグ夫人は私の手を取って、二、三分の間に百パーセント正しい診断をしたんです。ビックリしました」 
 その診断とは狭心症だった。患者であるドロシー・パーカーは三ヶ月間ヒーリングに通っているというが、ずいぶん良くなったという。
 「今では発作はほとんどないし、あっても大したことはないわ」
 そう彼女は私に言った。彼女はもうすぐ仕事に復帰することを望んでいる。
 「私はヒーリングを受けたのは彼女が初めてじゃないの」と彼女は言った。
 「W・T・パリッシュ(彼はわが国でもっとも偉大なヒーラーの一人である)さんが、数年前に私の胃潰瘍を治したわ」
 ヒーリングメンバーのほとんどは、かつて彼女の患者だった人たちだ。たとえばウィルモット・クック(彼は小説家でもある)は、肉親の死によって極度に感情的に疲弊した状態でM・S・Aにやってきた。不思議なことに、その疲弊が彼の未開発のヒーリング能力を花開かせることになったようだ。霊媒の人たちが彼に死に対する観念を変えさせて以来、彼はヒーラーグループの一員となった。
 私は彼が名高い経済学者、かつ数学者であるL・H・ハスウェイテにヒーリングを施すのを見た。ハスウェイテもまた狭心症の患者なのだが、彼は二ヶ月間手当てを受けに通っていると語った。
 「科学者としての私のヒーリングに対する見解は、そういった力を有する人たちは存在し、病気を本当に癒すことはできるというものです。患者としては、私はクック氏を心から信頼しています」
 クック氏は漸進的な、着実なヒーリングの効き方を好む。
 「私は劇的に回復しました」そう彼は認める。「ですがそれは私を動揺させたんです。(その精神的ショックで)病状が悪化する可能性は常にあるんです」
 また別の素晴らしいヒーラーは、G・グラハム夫人で、彼女は私にこう語った。
 「私は患者さんにはすっかり良くなるまで足を運んで欲しいんです。そういうひとは稀なんです。困るのは、瞬間的治癒のことを本で読んで、それを期待してくることで、それで一夜にして治らないとなると落胆してしまうんです」
 癌の女性を扱って努力していた時、病院の専門医から協力を得たのはこのグラハム夫人である。その患者は手術を受け、病状は致命的に悪かった。夫以外は面会を許されていなかったのだが、グラハム夫人はその専門医のところへ出向き、率直に自分はM・S・Aからやってきたこと、そして例外的に面会の許可をもらえないかと告げた。驚いたことに、彼は許可を与えたのである。患者の状態はとても重かったのでベッドはスクリーンで遮蔽され、そのためグラハム夫人は邪魔されずにヒーリングをすることが出来た。その一週間後患者は驚くべき回復を遂げ、ベッドから離れることが出来た。専門医はそれを「奇跡」と呼び、グラハム夫人にあまりに驚いたので、夫人が継続予定の手当てに裨益するかもしれないので、患者の夫に夫人に伝えるための手術の説明を与えた。
 
 別のヒーラーはエナの夫のハリー・トゥイッグである。神経の不調で苦しんでいた彼の患者の一人は、最近七年ぶりに仕事に復帰した。
 
 ヒーラーのG・F・ラトフォードと話をしている時、彼に絶大な信頼を置く患者であるD・オケネディー夫人が、ヒーリングを求めてやって来てから九ヶ月間の間、文字通り「手当て」によって受けた恩恵を私に語った。内蔵の不調に苦しみ、彼女は初めてヒーリングを受けた。
 「みるみる体調が良くなるのを感じ―そして目にしながら」
 今では痛みは消えた。
 「友達はその変化に目を見張りましたよ」と彼女は言った。
 ラトフォードは先の戦争の間中、Pay Corps(軍の機関)にいた。彼はヒーリングについては何も知らなかったが、同僚が脱臼して軍医のところに運ばれようとタンカに乗せられようとしていたまさにそのとき、ラトフォードは霊聴によってはっきりと、「足を床の高さにしてマッサージをしなさい」という声を聞いたのである。ラトフォードは何の医学的知識も持ち合わせていなかったが、その声に従った。彼は足を取ってまっすぐに伸ばした。すると「ポキン」という大きな音がして、痛みは消えた―そして足は頑丈さが戻った。ラトフォードにはさらなる証拠は必要なかった。その日以来彼はヒーリングに身を捧げる男となった。
 ロンドンはフィンスバリーパークに住むリリアン・タイソン夫人は、生まれつき右半身が麻痺していたのだが、グループに通って以来、多くの点でずいぶん良くなった。人々はタイソン夫人の顔を見るたび、口裏を合わせたようにこう言う。
 「あなた、歩き方が上手くなったんじゃない?」
 「今じゃもうほとんど足は引きずらないの」というのが彼女の賛辞だ。
 「ただ先日の夜右腕が、シートの肘掛からこわばって浮き上がってきたなって分かったんです。以前だったらそうなった時は、もう片方の腕で下に引っ張って戻さなくちゃいけなかったのに、この時は利かない腕だけで元に戻せたんです。すごく興奮したわ。みなさん(M・S・Aヒーラー)が完全に治して下さるって私は信じています」
 分かれる際、彼女は笑顔をたたえていた。
 帰り際に私はかつて看護婦をしていた方と話をした。
 「ヒーリングで良くなっている人は見ればすぐに分かるわ」そう彼女は言った。
 「だって輝いてるもの」

 

 

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