Victor 8TA-10 AM/SW 8トランジスタラジオのレストア


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2004.01.30 Victor 8TA-10のレストア
2004.02.03 清掃・点検
2004.02.11 点検・修理
2004.02.11 スイッチの組立
2004.02.14 ケースの塗装
2004.02.18 電池ボックスのリペア
2004.05.05 部品のリペア


2004.05.05 部品のリペア

 ゴールデンウイーク後半は天気も悪いし、朝から晩まで部品のリペアです(それか何か食ってるだけ)。

 イヤホン端子

 まずはイヤホン端子。腐ってます。



 配線を外して清掃しました。

 アンテナ線

 これは明らかに手作業で直した跡ですね。新しい線と交換しようと思いましたが、なるべくオリジナリティを残すために、この線を直すことにしました。



 テープを剥がすと、結構腐ってます。



 配線をほぐして・・・



 ハンダ付けし・・・



 ヒシチューブで被覆を作ります。



 ツマミも磨きます。これはボリューム。



 ファインチューニングのツマミです。紫外線の影響でしょうか。白くなってしまっており、これは磨いても殆どとれません。一応チェッカーに詰まっている皮脂を取り除いて、磨けるだけ磨きました。



 次は外部電源端子です。



 中が真っ黒ケです。



 当然磨きます。磨いた後は念のためテスターで導通を確認します。



 チューニングダイヤルとダイヤルパネルを磨きました。



 ネジ類を磨きます。まあ表に出るネジだけしか磨きませんが。手で磨くのは大変なので、写真のような即席治具を作りまして、コンパウンドを綿棒に付けて磨きます。



 裏蓋のネジです。浸食が酷くて、紙ヤスリで地金が出るまで磨きました。その後、上の治具で磨いたものです。7割というところでしょうか。まだヤスリの跡がありますね。



 電池ボックスがさびていました。金属磨きで磨きます。



 ニッケルメッキが取れてしまったので、メッキしました。ここには電池押さえのためウレタンフォームがついていたと思われます。無いとガタガタするので、組立時に採寸して付けることにします。



 写真がちょっと黒くなってしまいましたが、端子のメッキをしました。奥の方は銅の地肌が出ていますが、そこまでメッキ棒が延びなかったせいです。これは今後の課題です。端子を取ってメッキするか、それとも電池ボックスごとメッキ漕に入れるか、それが問題だ。
 なお、割れた部分のリペアはこれからします。



 その他のネジを磨きます。イヤホン端子のネジですが、アルミと真鍮です。材質が違というのはどういうことなんでしょうか。

 さて、大体磨きもおわりましたので、あとはケースの塗装が帰ってくれば組み立てて終わりです。


2004.02.18

 実用的には、電池ボックスなぞ買えば済むものですが、レストアはなるべくオリジナル部品を生かす(真空管ラジオはそうもいかないですが)ことにしていますので、徹底的にやります(少なくともそのつもり)。

 地獄のマイナス端子

 上は1月30日の写真です。

 とりあえず剥がせる所は剥がした。

 ブラシでこすっただけです。

 磨き入りました。

 外すことができれば簡単なんですが・・・。目に見えて酷いところは磨きましたので、あとは金属磨きで丁寧にやるしかありません。割れた部分のリペアは端子が終わってからにします。


2004.02.14

 ケースの正面パネルのところ、チューニング窓の左右と、バンド切り替えツマミの塗装(つや消し黒)がはげとります。他のメーカーのアルミへの塗装はもっとしっかりしてるものですが、このラジオの塗装は下地がツルツルのまま塗っただけのようで、いかにも剥がれやすい感じです。この部分は再塗装しないとちょっと見栄えが悪いので、塗ることにしました。が、道具が無いのでその道の友人にお願いすることにしました。というわけで、それがあがってくるまでは最終組立はおあずけです。それまでは他の部品のリペアをやっておこう。


2004.02.11

 スイッチの分解組立ては朝の4時までやってたので、昼まで寝て、部屋の掃除なんぞしてから、晩に8TA-10に組み込みました。結果問題なく鳴りました。やりました!ケースに入れていないので何とも言えませんが、良い音っぽいです。3時間ほど鳴らしましたが大丈夫のようです。短波は分かりません。鉄筋コンクリートの部屋じゃ絶対聞こえませんよね。短波のチェックはまたこんど!

 あとは電池ボックス、ケース(ツマミ類含む)のリペアと糸かけダイヤルの糸が滑ってるので、これも交換したいと思います。
 電池ボックスの割れは接着剤だけでは弱いので、なんらかの方法で強度を増さねばなりません。実は秘策がありますが、これは次回に。

 ところで、バンド切り替えスイッチの再配線の時、かなり神経をつかいました。



 数えたら31本ありました。うへぇ!



 姿勢が屈まないでも作業が出来るように、箱を2段にかさねております。非常に作業がやりやすかったです。くるっと回すのも簡単。何かレストア専用にテーブルが欲しくなりました。

 右に半田ごてが見えますが、その左にペットボトルが置いてあります。実はこれで気が付いたことが一つ。普段の作業では半田ごては目線より下にあるし、振り回すとどこかに当たってそこが焦げるということがあります。ところが今回、ここにペットボトルを置いてあったせいで、半田ごてを手元に持ってくるときに”邪魔”になっていたことが元で、作業に集中していても、ペットボトルを”必ず避ける”ことに気が付きました。つまり、ペットボトルがここにあると、かならず半田ごての先をペットボトルの上もしくは手前を通さねばならず、結果的に”無意識にコテ先をどこかにぶつけることが無くなった”というわけです。レストアだと、オリジナル部品が無くなったらもうレストア不可能な場合もあるので、これは結構重要です。高圧電気を扱う作業者が親指と人差し指以外は縛って感電事故を未然に防いでいる、という工夫がありますが、それを思い出しました。

 まあペットボトルじゃなくても、要するに、ここに壁があればいいわけだから、作業テーブルに半田ごてを進入出来ないようにするガードを付ければいいわけですね。

 それからレストア作業にいつも使っているミニスタンドですが、一カ所からの光源だと影が出来て見にくい場合があります。これもなんとかしたいなあと思っています。

 やはり必要は発明の母、ということでしょうか。


2004.02.11

 低周波回路は何の問題もないようです。次に、例によって電子ブロックでA2送信機を作り、594KHzで送信しっぱなし(別の正しいラジオで確認する)にして電子ブロックからリード線を伸ばし、8TA-10の高周波回路に入れてみます。まずは中波用コイルに繋げると、あれ?なんか信号が聞こえる感じ。そこで高周波回路に適当に信号を入れててバリコンを回してみると、弱いながら信号が聞こえました。ということは、感度はわるいものの、一応動いてはいるようです。

 もしやバンド切り替えスイッチがおかしいのかも、と思い、ゆっくり回してみると、MWとSWの真ん中あたりの中途半端なところにしたら、なんとNHKがちゃんと聞こえるではないですか。ということは、バンドスイッチの接触不良が原因ということでしょうか。しかしこのスイッチには線が20本ぐらいついているので、外して分解清掃するのが面倒です。
 それとハンダがはずれてるかも知れないので、半田ごてで高周波回路関係の端子を全部溶かしてみました。

 点検中の8TA-10

 スイッチの分解清掃をやらねばなりません。スケッチブックにしっかり配線を書いてから外しました。



 とにかく接点復活剤のかけすぎで、ベタベタもいいところです。ほんと、こんなもんかけても直ってるのは短期間ですから、何十年も使いたいなら接点復活剤は使わないで、丁寧に分解清掃するのが良いでしょう。
 このスイッチは2接点4回路のスイッチです。最近のロータリースイッチはモールド仕上げで、分解清掃は出来ませんね。こういうのは昔のラジオならではです。

 スイッチを分解したところ。

 すべての部品に組立順番の番号と取り付け方向を油性マジックペンで書いてあります。

 接点のコマ

 このコマが8個ありますが、全部青緑にさびていました。埃も凄く、これでは接触不良は当然でしょう。




 全部磨いて再組立したスイッチです。テスターで導通を計って、正しく動くか確認しました。ガリがあるかどうかはラジオに取り付けて見なければ何とも言えません。とりあえず今日はここまでです。



 ところで、ロッドアンテナが無くなっていたので、ジャンク箱からよさそうなのを見繕ってみました。これが何と、ケースの高さにぴったりで、まるで誂えたみたいとはこのことか、というぐらい良い感じです。元々このラジオについていたアンテナのスペックは不明です。

 


2004.02.03

 本日までの作業は、ケース清掃と磨き、回路の点検をおこないました。低周波発信器を使ってしらべたところ、低周波段(検波回路の直後からSPまで)は問題ないようです。バンド切り替えしても何も聞こえないので、高周波回路のどこかが壊れているのでしょう。
 電池ボックスのほうは端子がハトメで留めてあるので外せず、無理に剥がさないでヤスリで少しずつ錆を削っています。


2004.01.30

 前回のConion CR-P33のレストアからちょっと間が空きましたが、11月〜12月は知り合いのラジオを修理してました。割と新しいラジオで、フレキシブル基板(通称フレキ)の断線が原因だったのですが、メーカーに交換部品が無くて、サービスセンターにバラし方だけ教えてもらって、自分で繋げて直しました。可動部だったということもありますが、なかなか難しいもんですね。

 さて、今回からはビクター8TA-10のレストアです。8トランジスタAM/SW2バンドです。こいつもまるっきし鳴りません。ボリュームを回すと地獄から響いてくるようなガリ、バンド切り替えスイッチを回すと、これまたバリバリと凄い音がします。ということは少なくともスピーカーは大丈夫。



 外見はそうでもないんですが、むしろ中身がかなりの状態です。



 電池ボックスは腐りまくって割れてます。



 アンテナがありません。



 基板に埃がこびりついています。このラジオの内部は、金属フレームに基板をマイナスネジで留めているという、初期のトランジスタラジオそのもののデザインです。よく見ると、ハンダ付けを外したり、基板をとめるネジが無い等、直そうとした跡が見受けられます。こういうのを見ると燃えてきますね。



 隙間のボンドにもゴミがこびりついています。



 おお!なつかしのクリスターが!これは東洋通信機の開発した部品で、こいつを短波ラジオにつけると日本短波放送(現ラジオたんぱ)の受信が安定する、というものです。ということはこのラジオは結構高級ということでしょうね。クリスターの下にある切り替えスイッチは・・・接点復活材でぐっちょりしています。端子が多くてバラすの嫌だなぁ。

 ラジオたんぱの現在の周波数

<第1放送> 3.925MHz 6.055MHz 9.595MHz
<第2放送> 3.945MHz 6.115MHz 9.760MHz




 まずは例によって三枚おろしにします。部品の納め方は結構凝った感じで、分解の方法が分かるまでかなり観察が必要でした。知らずに無理矢理外したらバリコンに付いているギアを破損するところでした。それと、とにかくネジが多いのが特徴でしょうか。金属シャーシをとめるネジも、安いラジオで良くあるタップネジではなく、真鍮のナットがケースに埋め込んであって、そこで締めるようになっています。裏蓋のネジはスピーカーの磁石部分にあるネジ穴でとめられるようになっております。とても機械で大量生産できるようなデザインではありません。
 スピーカーも大きいし、バーアンテナも15cmもあるものだし、何しろビクター製なので、鳴ったら音は期待できそうですが、はたしてこのレストア、どうなるのでしょうか。

 つづく。


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