National FG-500 Transistor Radiograph のレストア
2005.09.19 基板清掃&電解コンデンサ交換
2005.03.21 ケース清掃
2005.01.19 ダメもとで・・・
2005.01.11 ラジオ部修理完了
2004.10.14 アームのレストア中
2004.09.10 アームとピックアップの分解
2004.09.07 本体初見、及び分解、並びにラジオ部点検
2004.09.10 ピックアップ分解・点検
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2005.09.19 基板清掃&電解コンデンサ交換
やっと見つけたスピーカー
小出力の10cmスピーカーって意外と無いんですねぇ。やっとジャンクで見つけました。しかし、
元々は8Ωで、これは3.2Ω。サイズはピッタリでした。
で基板をよく見ると結構汚いし、所々緑青が浮いているので、清掃することにしました。
フラックスがダメになってべークライトがぐずぐずになってます。
一応清掃が終わったところです。フラックスを剥いだところもあるので、新たにフラックスを塗っておきます。
なんだか頭がにわかに膨らんでいるオリジナルの松下製電解コンデンサ
それから電解コンデンサを見たら10μF 3個の頭がぷっくり膨らんでたので、これも交換しました。PNP全盛時代の電解コンデンサはプラスアースだったので、便利なようにプラスのリード線に「+」極の記号が付いてましたが、今はマイナスアースが一般的なので、コンデンサにも「−」極の印が書いてあります。
2005.03.21
ケースの外側は中性洗剤で非常に綺麗になりましたが、裏側は錆だかゴミだか分かりませんが、かなり汚いです。いくつか付いている部品を外して清掃しました。
取りあえず外側が綺麗になったところ。
電池ホルダーのマイナス側のスプリングですが、写真のようになっていました。折れたスプリングを半田付けしたんでしょうか。
電池ホルダーの端子です。これを磨いてメッキします。プラス端子は真鍮にニッケルメッキ、マイナス端子は鉄に銅メッキとニッケルメッキです。取りあえず200番ぐらいで磨きましたが、手で磨くにはやっぱり限界があります。メッキ前処理について調べたところ、バレル研磨という方法で表面処理する方法があるそうで、これは全然知りませんでした。バレル研磨というのは簡単にいうと、回転するケース(これをバレル(樽)と呼ぶが、必ずしも丸くはない)にメディアと呼ばれる物と研磨剤と水を少し入れて回転させる方法です。これは湿式バレル研磨といいますが、水を使わない乾式バレル研磨や、メディアに磁性体を使う磁気バレル研磨というのもあります。また、回転する場合は回転バレル研磨、振動させる場合は振動バレル研磨と呼びます。バレル研磨をすると角が丸くなったり傷が付いたりするそうですが、手で磨くよりはよっぽどよさそうな気がします。ちょっと興味あり。他にバフ研磨、化学研磨、電解研磨があります。http://www.techno-qanda.net/(コピペでどうぞ)あたりにアクセスすると良い情報が得られます。
手で磨いてもこの程度が限界。磨くのが嫌な人は、100円ショップで売っている単一電池を使う懐中電灯のスプリングを使ってください。同じ大きさです。
200番は荒すぎた。傷だらけだ。結構深い。これをピカピカにするにはかなり削らないとダメだ。難しいもんだ。上手くいった話しばかり書いてもしょうがないので、これは失敗事例ということで。磨くときはもっと慎重に磨きましょう。
2005.01.19 ダメもとで・・・
ダメもとで、松下にメールでスピーカーの部品在庫が無いか(あるいは代替品もしくは廃棄機材の取り外し)聞いてみたが、あっさり「無し」の返事。とほほ。ちなみに、このFG-500は1968年製だそうです。ま、普通はこういう製品の保守部品って期限が来たら無情に廃棄処分するもんですからねぇ。なぜかそれがアキバに並ぶこともあるけど。アマチュアから見るとヨダレが出そうなゴミなのだが。
ところで、同じ大きさのスピーカーは台湾の天音實業有限公司で製造している
GA1006型がぴったり。http://www.amaoto.com.tw/pics/ga1006.jpg
磁石は小さいけど、最大3Wというところが良い。だがしかし、これ何処で買えるのやら〜
2005.01.11 ラジオ部修理完了
ラジオ部の修理をしました。初期診断ではAFは問題なかったので、RF部を追っかけます。電源を繋いで、プローブにてまずはMIXトランジスタのコレクタを聞いてみます。同調ダイヤルを回すと聞こえます。次のIFTの出力、つまり中間周波増幅トランジスタのベースを聞いてみます。聞こえます。同じトランジスタのコレクタを聞いてみます。聞こえません。検波ダイオードの前後も聞こえません。
問題のありそうなトランジスタの電圧を測ってみます。
こんな感じ。
コレクターとベース間が持ちきってますね。2SA101はゲルマニウムトランジスタだからVbeは0.1Vとしてもエミッタには0.384V出てなければいけません。しかし0Vなので、VCEも6.27Vになってます。で、このトランジスタが悪いのか他が悪いのか判断するのに外してみます。
新兵器「100円ショップ仕様半田吸い取り器」ただし200円です。
今回はこの新兵器のおかげで作業がスムーズでした。100円ショップつーて馬鹿にしたもんじゃありません。使い方は親指で黒いピストンを押すとロックします。半田を溶かして右先端の白いところを当てて、側面の黒いリリースボタンを押すとプシュッという音で半田を吸い取ります。旨くやると2mm径ぐらいの半田が完全に取れます。ただ、吸い取ったあとすぐにピストンを押すと熱い半田が出てきますので、やけどに注意です。
外した2SA101BのVbeを計ったら0Vでした。従って、このトランジスタはオシャカということです。IFTやバイアス抵抗に異常はなさそうです。
ついでに秋月で温度計代わりに買ったデジタルテスターにhFEの測定機能があったので計ってみました。
壊れてる方の2SA101BはhFE=0
新品デッドストックの2SA101AはhFE=18(気温18℃)
マジで18しかないのかヨ。と思いましたが、まあ古いんでこんなもんってことで。というかこのテスターがそもそも目安程度にしか使えないことで有名なので(笑)、hFEがあるだけマシ、程度に考えておけば間違いないでしょう。Vbeは0.13Vぐらいです。これを取り付けて早速テストすると問題無いようです。しかしAGCの利きがやっぱり悪いので、強い局は強く、弱い局は弱く聞こえます。まあそこまで調整することもないし、オリジナルがどんな感じなのかそもそもわからないので良しとします。あと、BからAで本来バイアス調整が必要ですが、増幅度が弱くなったんだし、音が歪んでいるようでもないので、そのままにしておきます。あ、電流ぐらい計っておけばよかった。次回やっておこう。
では、未だ10cm0.3Wのスピーカーが入手できてないので、5cmのスピーカに繋いで出した音を聞いてください。
ロッシェル塩についてですが、誰がやってもでかい結晶ができる方法を検討中です。化学実験道具があればもう少しマシなんですが、普及を考えると、100円ショップにあるものでできないとイカンと思っています。
2004.10.14
現在アーム周りの部品を清掃中です。かなり錆びて膨らんでたので、錆びを落とすのが大変です。
ピックアップについては、ロッシェル塩の結晶で再生することに決めました。ロッシェル塩こと酒石酸カリウムナトリウムは、現在でも医薬品や試薬に広範囲に使われており、薬局で注文すれば入手できます。ただ、手作業でカッターで切れるぐらいの大きく綺麗な単結晶を作るにはちょっと時間がかかります。多分このFG-500のレストア最大の難所でしょう。
それから、実際どういう風に作るのか調べみたところ、結晶を切る方向が決まってるとか、実は2枚重ねにするとか、電極を付ける方法が、よく見るピエゾ効果の概念図と違うとか、判ってきました。しかしインターネット上には殆ど見あたらないので古い文献などを調べております。あれだけ普及したものなのに、技術を継いだ跡が全くない(チタン酸バリウムのあれは別物!)というのが面白いですね。
ピックアップの再生に成功した暁には、専用ページを作りたいと思います。当然失敗したら作りません。
どうせなら伝説のとおり、葡萄酒から酒石酸を取ったらとも考えたんですが、化学の専門家にも聞いてみましたが、素人が自宅でやっても不純物を除去するのが大変で、純粋なロッシェル塩を作るのは困難であろうとのこと。それであればまあ、ロッシェル塩は買うことにしよう、ということになりました。ロッシェル塩の結晶を作るのはさほど難しくはないですからね。
2004.09.10
アームとピックアップとの分解です。
まずは裏側のストッパー&モータースイッチを外します。
アームを外したところです。軸の下半分は綺麗ですが上半分がこの世のものとは思えない色をしています。
この軸を白い部品とつなぎ止めてるのが直径1mmの棒ですが、これもさび付いてて、細い釘を使って金槌で叩いて抜きました。
ピックアップ本体です。コネクタの黄色いほうが完全に錆が回って取れずに苦労しました。針で少しずつ錆びを取って、隙間を広げてようやっと抜けました。
ピックアップ全体の部品です。
次はピックアップをバラしましょう。ここでふと思ったのが、このピックアップ本体は生きているのかどうか、です。テストの時音が聞こえなかったのは錆びが原因であって、ピックアップ本体は問題無いのだとしたら、分解するのはいかがなものか、ということです。しかし錆の周り具合から想像できる湿気の状態から、多分ロッシェル塩は溶けて無くなっているだろうと考えて、思い切って分解してみました。分解するにはハトメのところをニッパで少しずつ内側に曲げていきます。ヤスリだと粉が内部に入るので使いません。
これが内部です。針を受けるダンパー(写真右の白い部品)とそこから来る振動を伝えるゴムが完全にボロボロになって千切れていました。写真中央の黒い固まりがロッシェル塩です。ロッシェル塩から写真左の端子へ延びる配線はかろうじて生きているようで、テストの時、かすかに音が聞こえたのはこれのおかげでしょう。
これが心臓部のロッシェル塩です。もはや形をなしていません。
ピックアップ本体をバラしてゴミを取り去った状態です。さてこれをどう再生したら良いもんだか。まあ方法は色々考えられます。ロッシェル塩を入手して元のクリスタルピックアップに再生するのが一番良いんですが、それならチタン酸バリウムでもいいし、チタン酸バリウムなら今時のクリスタルイヤホンから取れますよね。でも結晶を使うと音質がどうなるかは出たとこ勝負になるので、それならいっそMM型カートリッジにしてしまって、簡単なアンプを作ってかませるのも手かと。しかしそれだとオリジナリティが失われる・・・んー・・・
それから要交換のスピーカーですが、先日アキバに行く用事があったので10cmつば付き8Ω0.6Wのものを探したところ・・・ありません。どこにも無い。探し方が悪いのか・・・10cmだと2Wクラスなら幾らでもあったんですが、残念ながら磁石がでかくて入りません。しょうがないから8cmクラスに板当てるしかなさそうです。
つづく。
2004.09.07
子供のころは良く見かけたポータブルレコードプレーヤ(以下プレーヤ)ですが、この
FG-500 はラジオが付いています。レコードを聴かない時でもラジオが聞けるなんて凄いよね。
他のメーカーでもラジオ付きプレーヤはあったけど、このFG-500はラジオとしてだけ使う場合は、写真のように立てておき、上蓋にあいた穴からスピーカーの音が聞こえるようになっている。また、チューニングダイヤルは上蓋を閉じた状態でも操作できるよう、上部に目立たなくかつ実用的な位置についており、プレーヤの景色をまったく無くして、単体のラジオとしても使用できるこのデザインは画期的といってもいい。プレーヤとしての役目が終わってもずっとラジオとして使い続けられるなんてすばらしい!
もちろん上蓋を外せば45/33回転のどちらでも使えるプレーヤだ!しかし、この
FG-500はあっちこっちダメになっていたので、レストアは大変そうな予感です。外見は汚れているだけで、傷や割れ等のダメージはありません。これが唯一の救いかも知れません。
まず電池蓋を開けてみますと・・・
線が挟まってます。もうこの時点で誰かが修理しようとしたことがほぼ間違いなく判明。工場出荷時にこんなところに線が挟まっていたとは余り考えられません。次に裏蓋を留めているネジを見ますと・・・
ネジ頭がかけています。売り物でこんなふざけたネジがついている訳がないので、修理しようとしたことはまず間違いないでしょう。それで何が心配かというと、修理しようとして失敗した状態が判らないからです。ぐちゃぐちゃにされているかも知れないし、そうでないかも知れない・・・ということです。
さて裏蓋を開けました。初見は青錆があちこちに浮いています。電池を入れたまま長時間そのまま、しかも湿気のあるところに保管しておいたと思われます。これは直しがいが有りますね。
動作電圧は9Vの単一6本。当然ながら電源装置から供給してみましたが、ウンともスンとも言いません。
上記写真は電池の+端子です。もうこんなのメーカーの仕事じゃねーや。
鳴らない原因を探るにはまず電源周りからということで、最初に基板にちゃんと9Vいってるかどうかテスターで計ったところ、なぜだか4.3Vしか来てません。途中に抵抗も入ってないし・・・と思ってあとは外部電源端子が怪しいと思い、調べてみました。
内部は黒と青のコントラストが目にしみる状態です。抵抗値を計ったら、本来0Ωの所に抵抗があります。基板に電圧が来ないのはこいつが吸い取っているようです。そこで電源装置の+を基板に直結しました。電源は基板に供給されました。
でも鳴りません。
低周波発信器をスピーカーに繋げましたが音が出ません。断線のようです。そこで基板の出力端子に写真のようにダイナミックイヤホンを繋いで、低周波発信器をピックアップから来ている線に繋げて聞いてみます。すると電源はちゃんと入るし、音も聞こえます。ボリュームも効きます。ということでAF段はOKと判断出来ます。
ここでラジオは一休みしてターンテーブルのチェックをしてみましょう。下記写真はターンテーブルが45回転で動いているところです。しかし、グゴゴゴグゴゴゴ・・・・という音がします。
最初はキャプスタンが減ったせいかと思ったんですが、速度レバーをニュートラルにして、ターンテーブルを手で回してみたところ、同じ異音がしました。中心軸の油切れです。ターンテーブルを外したところ、グリスが完全に無くなっていました。多分他の機械部分も油切れになっているでしょう。
お次はピックアップです。
針に青い衝撃が走っています。ピックアップもなんだかダメージが有りそうです。針は何とかなるにしても、ピックアップなんて入手は殆ど無理ですからねぇ。どうしましょうか。針を指で触って(ホントは針に油付くからやっちゃダメ!)ダイナミックイヤホンからの音を聞いてみましたが、ボリューム最大でも殆ど音が聞こえません。絶望的です。
三枚おろし
例によって3枚におろしました。いや、今回はフォノモータASSYがあるので4枚かな。
さっそくスピーカーを点検してみました。発振器繋いでも音はでません。しかしテスターで見ると導通はあります。そこでコーン紙を静かに押してみたところ、ビクともしませんでした。どうやらボイスコイルが固着しているようです。スピーカーの中心にあるダストボタンという丸い紙を静かに剥がしまして、中をのぞいてみることにしました。しかしダストボタンは手で押しただけで外れました。どうやら前回修理しようとした人もここまでたどりついたようです。
ご覧のとおり、中心の磁極がボロボロに錆びています。錆びは膨らみますので、それでボイスコイルとの隙間が埋まってしまって固着した、ということでしょうか。
コーン紙とスパイダー(ダンパー)を外してみましたが、ボイスコイルは取れないため、本体側にコイルが残った状態になってしまいました。
スピーカーは10cmサイズのもので、磁石部分が小さければ純正でなくてもOKのようです。手持ちが無いので、買ってくることにします。
さてラジオ基板に戻りましょう。
バーアンテナとバリコンを繋いでいる線(写真左側)です。もういかにも適当に付けた線です。あと作業中に写真中右の青い線もバーアンテナから取れてしまいました。問答無用で交換です。
AF段はOKでしたので、RF段をざっと調べたところ、MIXまではOKのようです。IF-AMPの出力が出ていないようです。ここは2SA101を使っています。あれ?前にも同じような故障をみたような気が・・・
それからこのラジオ、IF段は1段しか増幅してません。結構ケチった回路のようです。
フォノモータASSYは錆びは無く、清掃しました。
整理するため、一旦箱詰めしたところで今日の作業は終わりです。
つづく。